年末の帰省と配送の予定が重なると、エコドライブの目安が気になります。社用車で現場と取引先を回る日が増え、燃料の減り方も普段より早くなります。
実は、燃費の差は、車の性能だけで決まりません。発進の仕方と、走行中の加減速と、停車中の扱いと、荷物の積み方で、同じ車でも数字が動きます。
この記事では、エコドライブの目安を、国の指針の数字をもとに、運転の場面ごとに比べて整理します。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
エコドライブの目安、先に結論
まず、結論です。エコドライブの目安は、運転の場面ごとに置く数字です。発進で効く癖と、停車で効く癖は、別の場所にあります。そのため、比べ方は、運転の上手さではなく、場面の分け方で決まります。
次に、比べる軸です。国の指針「エコドライブ10のすすめ」は、発進や減速や空気圧などの場面ごとに、燃費の目安を示しています。目安は条件で動く数字です。ただし、場面を分けて見ると、自社の運転のどこに無駄が残るかが見えてきます。
比べ方のコツは、数字の大小で運転を採点しない点です。発進の目安は発進の場面でだけ使い、停車の目安は停車の場面でだけ使います。場面が違う数字を並べて、どちらが大きいかを見ても、直す場所は決まりません。逆に、場面ごとに分けると、自社の無駄がどの場面に寄っているかが見えます。見えた場面が、見直しの順番を決める材料になります。
年末は、この分け方が効く季節です。帰省の長距離と、配送の短い移動と、現場回りの細かい停車が、同じ週に重なります。運転の種類が多いほど、場面の分け方は役に立ちます。
発進と走行中、エコドライブの目安の出どころ
まず、発進です。指針では、発進するときは穏やかにアクセルを踏み、最初の5秒で時速20キロ程度が目安とされています。やさしい発進を心がけるだけで、10%程度燃費が改善すると書かれています。
次に、走行中です。車間距離が短くなると、無駄な加速と減速の機会が多くなります。その結果、市街地では2%程度、郊外では6%程度、燃費が悪化するとされています。一方、減速の場面では、早めにアクセルから足を離すと、エンジンブレーキが作動し、2%程度燃費が改善すると書かれています。
別のサイトのちょいエコ部のコラム「CO2排出量の算定を始める手順|小さな会社の5ステップ」では、排出量は活動量に排出係数を掛けて求める考え方が書かれています。
出典:ちょいエコ部「CO2排出量の算定を始める手順|小さな会社の5ステップ」
つまり、燃料の使用量が活動量の側にあります。運転の癖で燃料が減れば、算定の出発点になる使用量も一緒に動きます。エコドライブの目安は、環境の数字の入口でもあります。
目安の数字の読み方
まず、目安は条件つきの数字です。車種や道路の状態で、実際の燃費は変わります。そのため、指針の数字を、そのまま自社の実績として書くことはできません。
次に、記録の置き方です。給油の記録と走行の記録が残っていれば、自社の数字と指針の目安を並べられます。並べた差が、次の見直しの材料になります。

停車と積み方で変わる目安
まず、停車です。待ち合わせや荷物の積み下ろしでの駐停車では、アイドリングをやめる形が示されています。10分間のアイドリングで、130cc程度の燃料を消費すると書かれています。年末の現場では、短い停車が何度も重なります。そのため、停車の積み重ねが、燃料の差になって返ってきます。
次に、積み方です。運ぶ必要のない荷物は、車から下ろす形が示されています。たとえば、100キロの荷物を載せて走ると、3%程度燃費が悪化すると書かれています。現場の道具を積みっぱなしにする癖は、この場面に当たります。
停車の見直しは、順番を決めると進みます。まず、積み下ろしの間はエンジンを止める場面を決めます。次に、待ち合わせの場所では、到着してから連絡する形に変えます。さらに、暖機の習慣が残っている車では、現在の乗用車では基本的に暖機運転は不要とされている点も、指針に書かれています。エンジンをかけたらすぐに出発する形が、示されている進め方です。
また、出発前の段取りも場面のひとつです。1時間のドライブで道に迷い、10分間余計に走行すると、17%程度燃料消費量が増加すると書かれています。年末の配送では、道順の確認が、そのまま燃料の確認になります。
自社の販路や配送の組み方で迷う点があれば、コミッターズの無料相談でお答えします。運転の場面の分け方を持ち寄ると、話が早く進みます。
年末の帰省と配送に当てはめます
まず、帰省の場面です。家族を乗せた長距離の運転では、発進と走行中の場面が中心になります。車間距離にゆとりを持つ運転は、燃費の面でも、安全の面でも同じ方向を向きます。
次に、配送の場面です。建設会社の年末は、材料の届けと現場回りが重なります。停車の回数が増える日ほど、アイドリングと積み方の場面が大きくなります。たとえば、従業員が数人の会社が、朝の積み込みで不要な道具を下ろすだけでも、積載の場面は変わります。
ただし、現場で使う道具まで下ろす話ではありません。下ろす対象は、運ぶ必要のない荷物です。使う道具と使わない道具の仕分けが、積み方の見直しになります。
帰省の荷物にも、積載の場面はあります。実家への手土産と、子どもの荷物と、仕事の道具が重なると、車の中身は普段より重くなります。運ぶ必要のない物は、出発前に自宅へ置いていく形にします。この仕分けは、大掃除の仕分けと同じ手つきです。年末の片付けと、出発前の仕分けを同じ日に置くと、手間が増えません。
社用車の点検に足す項目
まず、タイヤの空気圧です。空気圧が適正値より不足すると、市街地で2%程度、郊外で4%程度、燃費が悪化すると書かれています。年末の点検では、空気圧も項目に足します。
次に、記録です。給油のたびに走行距離をメモすると、自社の燃費が見えてきます。指針も、自分の燃費を把握する習慣を勧めています。エコドライブの目安は、把握した自社の数字と並べて、初めて使い道が出ます。

エコドライブの目安、今日からできる最初の一歩
まず、場面を分けます。次に、自社の運転で多い場面を1つ選びます。最後に、その場面の癖だけを、年末の間に直します。
- 1給油の記録に、走行距離のメモを足します
- 2朝の積み込みで、運ぶ必要のない荷物を下ろします
- 3配送の前に、道順と渋滞の情報を確かめます
この分け方が済むと、エコドライブの目安は、遠い環境の話ではなく、年末の燃料の使い方の点検表に変わります。なお、直した場面の記録は、来年の運転の申し送りにも使えます。
記録の残し方は、難しくしません。給油のレシートに、日付と走行距離と、運転した人の名前を書き添える形で足ります。月が替わったときに並べると、場面ごとの癖が、数字の動きとして見えてきます。見えた癖から、次の見直しの場面を選びます。この繰り返しが、小さな会社の省エネの進め方です。
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運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):環境省
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