年末の振り返りで、来年のSDGs目標をどうするか、手が止まる社長がいます。今年やった取り組みは思い出せるのに、来年の一行になると、言葉が出てきません。
実は、止まる理由は、ゴールの多さにあります。SDGsには、17のゴールと169のターゲットがあります。全部を相手にすると、小さな会社では、決める前に疲れてしまいます。
この記事では、来年のSDGs目標を、今年の棚卸しから1つに絞る順番で整理します。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
来年のSDGs目標、先に結論
まず、結論です。来年のSDGs目標は、今年すでに動いている取り組みの中から、1つを選んで決めます。新しく始める話から決めるのではありません。今年の記録に残っている動きが、来年の目標の材料になります。
次に、順番です。先に今年の棚卸しをし、次にゴールを当てはめ、最後に目標を1つの文にします。この順番を逆にすると、立派な言葉だけが残り、現場の動きと離れてしまいます。
棚卸し
当てる
絞る
ゴールの全体像を先に見ます
まず、全体像です。外務省の案内では、SDGsは2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17のゴールと169のターゲットから構成されるとされています。始まりは、2015年9月の国連サミットで採択された国際目標です。
次に、会社との距離です。ゴールは世界の目標で、会社の目標はその一部を担う形になります。そのため、自社の事業に近いゴールを選ぶ作業が、目標づくりの中心になります。
別のサイトのちょいエコ部のコラム「会社がSDGsに取り組む最初の手順」では、取り組みの手順を5つに整理し、複数のゴールを一度に追うのが大変なら、数を絞って始めてよいと書かれています。
つまり、絞る作業は、手を抜く作業ではありません。国の案内でも、会社の手順の案内でも、入口は「自社に近い物から始める」形でそろっています。来年のSDGs目標も、同じ入口から入ります。
来年のSDGs目標を選ぶときの物差し
まず、事業との近さです。毎日の仕事の中で、すでに手が動いている取り組みは、ゴールと結びつけやすい物です。次に、記録の残しやすさです。数字や記録で残せる取り組みは、翌年の振り返りでも確かめられます。
また、取引先への伝わりやすさも物差しになります。取引先のアンケートで聞かれる項目に近い取り組みは、答える材料にもなります。物差しを先に決めると、ゴールの選び方が、好みの話から仕事の話に変わります。
選び方で迷う場面もあります。たとえば、省エネの取り組みと、地域の取り組みの、どちらも今年の記録に残っている会社です。この場合は、来年の仕事の予定と重なる方を先に選びます。省エネなら、設備の入れ替えや点検の予定と重ねられます。地域の取り組みなら、行事や取引先との付き合いの予定と重ねられます。予定と重なる目標は、放っておいても手が動く場面が多い物です。
逆に、予定と重ならない目標は、専用の時間を取らないと動きません。小さな会社では、その専用の時間が、いちばん作りにくい資源です。来年のSDGs目標を1つに絞る理由は、ここにあります。絞る作業は、やることを減らす作業ではなく、動く形に直す作業です。

今年の振り返りを棚卸しに変えます
まず、書き出しです。今年の取り組みを、思い出ではなく、記録から拾います。請求書と、現場のメモと、社内の掲示と、取引先へ出した回答が、拾う場所です。
次に、並べ方です。拾った取り組みを、エネルギーの話、ごみの話、人の話、地域の話のように、ざっくりと分けます。分けた固まりごとに、近いゴールを当てはめます。この作業が、棚卸しです。
たとえば、従業員が数人の建設会社を考えます。現場の残材の仕分けと、社用車の燃料の記録と、地域の清掃への参加が、今年の動きとして出てきます。この3つは、それぞれ違うゴールに結びつきます。並べたあとで、来年も続ける物を1つ選びます。
ただし、棚卸しで出てこなかった物は、今年の取り組みには数えません。やったつもりの物と、記録に残る物は、別の物です。記録に残る物だけを材料にする点が、盛らない書き方の線引きになります。
棚卸しの材料になる記録
まず、手元の記録です。電気や燃料の明細は、エネルギーの取り組みの材料になります。次に、廃棄物の記録です。委託の書類や分別の運用メモは、ごみの取り組みの材料になります。
さらに、人の記録も材料です。研修の参加メモや、安全の点検表は、働く人の取り組みとして読めます。来年のSDGs目標は、この材料の山から選ぶ形にします。材料がない場所からは、目標を作りません。
来年のSDGs目標の書き方を1つの文にします
まず、文の型です。目標の文には、対象と、動きと、確かめる材料を入れます。たとえば「社用車の燃料の記録を毎月残し、年末に前年と比べます」の形です。対象が社用車、動きが記録、材料が明細と走行のメモになります。
次に、期間の置き方です。目標は、来年の中で確かめられる形にします。年の途中で確かめる日も、先に決めます。その日があると、目標は飾りではなく、仕事の予定になります。
なお、数字の目標を置くときは、今年の実績を土台にします。実績のない数字を置くと、来年の振り返りで比べる相手がいなくなります。来年のSDGs目標の数字は、今年の記録から出す形が、安全な作り方です。
目標の文を書くときの注意もあります。まず、大きな言葉だけで文を終えない点です。「環境にやさしい会社を目指します」だけでは、来年に確かめる材料がありません。次に、他社の文を写さない点です。自社の記録から出た文でないと、説明を求められたときに言葉が続きません。文の材料は、棚卸しの記録の中にだけあります。
伝える場面も、先に考えます。目標の文は、社内の掲示と、取引先への回答と、求人の案内で、同じ文を使い回せます。文が1つに決まっていると、伝える人ごとに話がずれる心配が減ります。営業の場面でも、取り組みを短く説明する材料になります。

来年のSDGs目標、今日からできる最初の一歩
まず、今年の記録を机に出します。次に、取り組みを書き出して、近いゴールを当てます。最後に、続ける1つを選び、目標の文にします。
- 1電気と燃料と廃棄物の記録を、1つの場所に集めます
- 2今年の取り組みを書き出し、ゴールを当てはめます
- 3続ける1つを選び、確かめる日をカレンダーに入れます
この順番が済むと、来年のSDGs目標は、年末の宿題ではなく、来年の仕事の予定表の一部に変わります。なお、選ばなかった取り組みも、棚卸しの記録として残します。再来年の候補は、その記録から出ます。
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情報サイトのトップ:ENERGY BANK(系統用蓄電池の情報サイト)
運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):官公庁
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