年末のセールで事務所の家電を買い替えるとき、省エネラベルの比べ方が分からず、手が止まる社長がいます。星の数と、達成率の数字と、目安の電気料金が、同じラベルに並んでいるためです。
実は、この3つは、比べる相手がそれぞれ違います。星は市場の中での位置を示し、達成率は国の基準との距離を示します。一方、目安料金は、使い方の条件を置いたうえでの金額です。
この記事では、省エネラベルの比べ方を、3つの数字の置き場ごとに分けて整理します。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
省エネラベルの比べ方、先に結論
まず、結論です。省エネラベルの比べ方は、数字ごとに比べる相手をそろえることです。星は同じ種類の製品同士で比べ、達成率は区分が同じ製品同士で比べます。目安料金は、使い方の条件をそろえてから比べます。
次に、比べ方を表にまとめます。
比べ方のコツは、3つの数字を足し合わせない点です。星が多くても、達成率の比べ方を間違えると、選び方を誤ります。数字ごとに置き場が違うため、順番に1つずつ見る形が安全です。
年末は、この分け方が効く季節です。エアコンと冷蔵庫と照明の買い替えが、同じ時期に重なります。品目が増えるほど、数字の置き場を分ける意味が出てきます。
さらに、品目ごとに物差しの作り方が違う点も、分け方が効く理由です。同じ星の数でも、品目が違えば、比べている中身は同じではありません。そのため、比べ方は、まず品目をそろえ、次に区分をそろえる順番で組み立てます。この順番を守ると、カタログの数字の多さに振り回されません。
星の数と達成率は別の物差しです
まず、星の数です。資源エネルギー庁の案内では、多段階評価点は、市場における製品の省エネ性能を評価し、5.0から1.0までの41段階で表示するとされています。星の数は、その製品が市場の中でどのあたりにいるかを示す物差しです。
次に、達成率です。省エネ基準達成率は、省エネ基準をどの程度達成しているかを割合で表示する数字です。達成率が100%以上の場合は緑色のマークになり、100%未満の場合はオレンジ色のマークになります。
ただし、達成率には置き場があります。エアコンなら冷房能力や仕様、冷蔵庫なら冷却方式や定格内容積のように、区分ごとに目標の基準値が定められています。そのため、達成率は、区分が同じ製品同士で比べて初めて意味を持ちます。
制度の出どころを押さえます
また、制度の出どころも押さえます。小売の店頭で統一省エネラベルを表示する仕組みは、2006年10月から始まりました。一方、製品そのものに省エネラベルを表示する仕組みは、2000年8月にJIS規格として導入されています。土台になるトップランナー基準は、特定エネルギー消費機器等を中心に32品目を対象としています。
別のサイトのちょいエコ部のコラム「会社のグリーン購入、事務用品の選び方と環境ラベルの見方」では、環境ラベルには第三者が審査して認めるタイプと、事業者が自ら宣言するタイプと、数値のデータで示すタイプがあると書かれています。
出典:ちょいエコ部「会社のグリーン購入、事務用品の選び方と環境ラベルの見方」
つまり、省エネラベルも、誰が決めた基準で、誰が確かめているかで、読み方が変わります。国の基準に照らした数字だと分かると、星と達成率の置き場も見えてきます。
なお、表示の場所が限られる場合は、星の数だけを示す小さなラベルで表示される場合もあります。その場合は、達成率と目安料金がラベルに載りません。不足する数字は、店頭の表示や製品情報の案内で確かめる形になります。小さなラベルしか見ていないときは、比べ方がまだ途中の段階だと考えます。
年間の目安電気料金の読み方
まず、目安料金の出どころです。たとえば冷蔵庫では、測定で得た年間消費電力量に、キロワット時あたり27円の単価を掛けて、年間の目安電気料金を出しています。金額の形をしているため、そのまま自社の電気代になると読んでしまいやすい数字です。
次に、注意点です。目安料金は、置かれた条件での計算です。実際の電気料金は、使い方や周囲の温度や契約の内容で変わります。そのため、目安料金は、製品同士の違いを見るための数字として使います。

省エネラベルの比べ方を年末の買い替えに当てはめます
まず、場面を決めます。たとえば、従業員が数人の事務所が、年末に冷蔵庫を買い替える場面です。候補が2つに絞れたら、最初に区分が同じかどうかを確かめます。区分がそろえば、達成率を並べて比べられます。
次に、星の数を見ます。星は市場の位置を示すため、区分をまたいだ感覚をつかむ材料になります。さらに、目安料金を並べると、使い方の条件つきで、金額の差の大きさが見えてきます。
ただし、順番を逆にしない点が大切です。目安料金の安さだけで先に決めると、区分の違いを見落とします。達成率、星、目安料金の順に見る形が、比べ方の順番です。
自社の販路や設備の入れ替えで迷う点があれば、コミッターズの無料相談でお答えします。候補のラベルの数字を持ち寄ると、話が早く進みます。
なお、買い替えは処分の段取りとセットです。古い家電の出し方を先に決めておくと、年末の納品の日に慌てません。置き場の確保も、買い替えの段取りに入ります。
建設会社の現場事務所でも、同じ比べ方は使えます。詰所のエアコンと休憩所の冷蔵庫は、使う時間が長い分、目安料金の差が効いてきます。一方、現場ごとに置く機器は、置く場所の条件が事務所と違います。そのため、目安料金は条件つきで読み、達成率と星で性能の側を確かめる形が合います。
見積の紙に並べる項目
まず、型番と区分を書きます。次に、星の数と達成率と目安料金を、同じ並びで書きます。最後に、設置の条件と処分の段取りを書き添えます。
この並べ方にすると、見積の紙が、そのまま比べ方の記録になります。社内で別の人が見ても、どの数字をどの置き場で比べたかが伝わります。記録が残ると、次に照明やエアコンを替えるときにも、同じ順番で進められます。
また、買う担当と使う担当が違う会社では、この紙が申し送りにもなります。使う側が困っている点を書き添えると、次の買い替えでは、性能の数字と使い勝手の両方を見て選べます。数字だけで決めない点も、比べ方の一部です。

省エネラベルの比べ方、今日からできる最初の一歩
まず、いま事務所で使っている家電のラベルを1つ選びます。次に、その数字を、星と達成率と目安料金に分けます。最後に、買い替え候補の数字を、同じ並びでそろえます。
- 1買い替え候補を1品目に絞ります
- 2型番と区分が同じ候補同士で達成率を比べます
- 3目安料金は条件つきの数字として記録に残します
この順番が済むと、省エネラベルの比べ方は、年末のセールの勢いに流されない、事務所の買い物の点検表に変わります。なお、比べた記録は、来年の買い替えの申し送りにも使えます。
記録を残すときは、買った日と品目と、比べた数字の並びを同じ紙にまとめます。紙がまとまると、担当が替わっても比べ方が引き継げます。比べ方は、決める速さではなく、決めた理由を残すための手順です。
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