建設現場の年末は、工事の追い込みと片付けが重なります。マニフェストの確認を片付けの後回しにすると、返ってきていない票に気づくのは年明けになります。現場の片付けでつまずくと、書類の未着まで一緒に残ります。
まず、片付けと書類は別の作業に見えて、終わる日は同じです。さらに、産業廃棄物の引き渡しは、現場が空になるその日に集中します。つまり、マニフェストの確認は、片付けの段取りの中に先に入れておく作業です。
この記事では、マニフェストの確認を、委託契約の保存と、返送の期限と、未着の票の追い方に分けて整理します。さらに、現場と事務所で記録をそろえる型も書きます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
マニフェストの確認、先に結論
結論から言うと、確認は、引き渡しの記録と返送の記録を並べて見ることです。まず、引き渡した廃棄物の種類と量を記録します。次に、返ってきた票と返っていない票を分けます。
たとえば、片付けが終わった現場ほど、票の未着は見落とされます。そのため、マニフェストの確認では、現場の片付けの完了と、票のそろい具合を別の物差しで見ます。一方で、書類だけを先に閉じてしまうと、未着の追い方が年明けの仕事になります。
そのため、順番が大切です。引き渡しの記録を先にそろえ、返送の期限を見て、最後は未着の票を一覧にして残します。この順番なら、休みの間も追う相手が分かります。
マニフェストの確認の材料は3つ
まず、そろえる材料は、委託契約の写しと、引き渡しの記録と、返送された票の3つです。次に、材料の置き場所も、先に決めます。なお、線引きは、片付けが始まる前に決めるほうが安全です。
契約
引渡し
返送
まず、契約は、委託先の事業の範囲が分かる材料です。次に、引き渡しは、現場で出た廃棄物の記録です。また、返送は、処理が進んだことを確かめる材料です。さらに、担当者の名前は、材料の中心には置きません。
一方で、記録の写し替えは、食い違いのもとになります。別のサイトのおまかせ係長のコラム「建設会社の日報と勤怠を紙からオンライン化する手順」では、二重の記録について「写し替えが増えるほど、数字の食い違いも起きやすくなります」と書かれています。
出典:おまかせ係長「建設会社の日報と勤怠を紙からオンライン化する手順」
この考え方は、マニフェストの確認でも同じです。現場の記録と事務所の記録は、写し替えるのではなく、同じ記録を見て確かめる形が向いています。なお、SDGsの取り組みの選び方を扱った記事でも紹介しましたが、足元の記録がそろう会社ほど、取り組みを外へも説明しやすくなります。つまり、確認は、現場で確かめた話だけで進めます。
仮の例:小さな現場の片付けの場面
たとえば、小さな建設現場で、年末の片付けが終わりに近づいたとします。これは仮の例です。材料は、委託契約の写しと、その日に引き渡した廃棄物の記録と、返送待ちの票です。
この場合、書けるのは、未着の票の一覧までです。また、処理が終わったかどうかは、票が返るまで決めません。つまり、材料が少ない確認は、少ない情報のまま正直に残す形です。反対に、返っていない票を、終わったものとして扱うことはしません。
現場の廃棄物と、事務所の廃棄物は分けて書きます
現場では、出す場所ごとに、廃棄物の顔ぶれが変わります。たとえば、現場では、その日に出たがれきや木くずが場面になります。一方で、事務所では、片付けで出た紙や機器の処分が場面になります。
そのため、材料は、出す場所ごとに分けて集めます。また、種類が違う廃棄物を、同じ行にまとめません。つまり、追いやすい確認は、場所と種類が分かれた確認です。反対に、全部を1つの束にした記録は、未着の追跡で使われません。
マニフェストの確認は3手順で進めます
では、手順を3つに分けます。はじめに、引き渡しの記録を並べます。次に、返送の期限を見ます。最後に、未着の票を一覧にして残します。
1つ目は、引き渡しの記録です。廃棄物の種類と量と、引き渡した日を、同じ並びでそろえます。次に、2つ目は、返送の期限です。長崎県の資料では、返送の目安として、運搬を終了した日から10日以内という形が示されています。
そして、3つ目は、未着の一覧です。返っていない票を、現場ごとに分けて残します。なお、筆者は、確認の担当と置き場所を先に決める進め方を取っています。さらに、一覧は休みの間も見られる場所に置きます。そのため、確認は、担当が替わっても続けられます。
また、委託の土台も確かめます。同じ長崎県の資料では、排出事業者は産業廃棄物の処理を委託する場合、委託基準に従うものとされ、根拠として法第12条第6項が挙げられています。そのため、片付けの前に、委託先の許可の範囲と契約の写しがそろっているかを見ます。なお、契約の話と、票の話は、分けて確かめます。
判断を誤らないための4項目
では、確認を4つに分けます。はじめに、契約を見ます。次に、保存を見ます。さらに、返送の期限と、未着の扱いを見ます。
1つ目は、契約です。委託する廃棄物が、委託先の許可された事業の範囲に入っているかを見ます。次に、2つ目は、保存です。長崎県の資料では、委託契約書類は契約期間終了後、5年間保存するとされています。
そして、3つ目は、返送です。期限を過ぎた票がないかを見ます。また、4つ目は、未着です。返っていない票は、相手と時期を決めて追います。
返っていない票は、終わったことにしません
なお、返っていない票は、処理が終わったことにはしません。見ていない処理の様子は、言葉で補いません。そのため、返っていない票は、返っていないと記録に残します。
さらに、古い一覧の使い回しも見直します。現場が変わると、委託先も量も変わります。つまり、一覧は、作って終わる紙ではありません。
マニフェストの確認、出す前の点検
マニフェストの確認で最後に残るのが、出す前の点検です。点検は、短い時間で終わります。はじめに、分別が現場の決まりと合っているかを見ます。次に、契約の写しと引き渡しの記録の書き方を見ます。さらに、返送と判断が分かれているかを見ます。この点検を通った現場だけを、片付けの完了にします。
よくある質問
「票は、業者が持っていくので、任せてよいですか」と聞かれます。答えは、引き渡しの記録と返送の確認は、自社に残ります。任せるのは運搬と処分で、確認までは任せません。
「電子の仕組みを使えば、確認は要りませんか」と聞かれます。答えは、返送の代わりに画面の記録を見る形に変わるだけです。なお、未着にあたる状態がないかは、同じように見ます。そのため、確認は、紙でも電子でも残ります。
「保存は、契約が終われば捨ててよいですか」と聞かれます。答えは、契約期間が終わってから数える形です。なお、期間の数え方は、資料と自社の決まりで確かめます。そのため、判断は、書かれた範囲だけで進めます。
マニフェストの確認、今日からできる最初の一歩
今日できるのは、片付け中の現場を1つ見ることです。はじめに、返っていない票があるかを見ます。次に、未着の票を、完了の決め手から外します。
また、現場の目で見ると、確認の一覧は次の現場への申し送りにもなります。そのため、出どころを聞かれて即座に記録を出せる現場は、取引先への説明でも安心につながります。
なお、一覧は、現場が変わるごとに直せます。そのため、型を持つ会社ほど、次の確認が速く、正しくなります。マニフェストの確認の型が残ると、担当が替わっても追い方はぶれません。廃棄物の進め方について気になることは、遠慮なく聞いてください。
合わせて読みたい
事業に合う取り組みの選び方で迷うときは、SDGsコーナーの歩き方を紹介する記事が参考になります。
「SDGsコーナー」の歩き方。SDGsで事業がどう変わるかと、事業に合う取り組みの選び方
ほかのコラムも、あわせてどうぞ
お金の学び(ウハウハ高等学校):家の屋根の太陽光は、電気をいくらで売れる?2026年度の住宅用の買取価格
営業・販路のコラム:コミッターズ コラム
筆者の記事:川口忠大のnote
蓄電池を知る(ENERGY BANK):系統用蓄電池メーカー比較|法人が製品・導入支援・保守を同じ条件で見る方法
導入先を比べる:系統用蓄電池の低圧・高圧比較|法人が費用と接続条件で選ぶ方法
お金の面を読む:系統用蓄電池の充電コストを読む|調達契約と託送料金
情報サイトのトップ:ENERGY BANK(系統用蓄電池の情報サイト)
運営元:コミッターズ
令和の総合商社では、有形無形問わずに大手商社が行わないマーケティングで貴社の販路を開拓します。本気で販路を拡大したい方には60分間無料で相談に乗らせていただきます。
参考(外部サイト):自治体
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
新規事業の始め方で迷ったら、無料の診断から
社会にいい取り組みを事業にするには、始め方の型選びが大切です。無料の「新規事業診断」で、自分のタイプに合う始め方を確認できます。
会社の現場の工夫や取り組みは、みんなの企業新聞の記事「経営者マッチングアプリに関するよくある誤解」でも紹介しています。あわせてご覧ください。