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2026.10.23

ふるさと納税の返礼品、事業者は何を出す?2026年10月から「地元で価値の半分以上」の証明が必要に

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役場の担当者から、「お宅の干物、ふるさと納税の返礼品に出しませんか」と声がかかりました。全国の人に食べてもらえるなら、ありがたい話です。ところが、話を進めると「証明書を出してください」「一般の販売価格も書いてください」と、見慣れない書類が出てきます。

じつは、2026年10月1日からの指定の期間で、加工品の返礼品のルールが厳しくなりました。地元での製造や加工で「価値の半分以上」が生まれていることを、作った事業者自身が証明し、自治体がそれを公表する仕組みです。公表されていない加工品は、返礼品として認められません。

この記事では、2026年10月時点で、返礼品を出す側の小さな会社が知っておく変更点と、書類を出す前に手元でやっておく確認を整理します。

野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。

先に結論

総務省の資料(2025年6月24日)では、これらは「令和8年10月指定から」適用とされています。

変わったのは「加工品」の証明と公表

返礼品になれるものには、いくつかの型があります。地元で採れた米や魚そのものは、わかりやすい型です。迷いやすいのが、原料の一部を地域の外から仕入れて、地元で加工する品物です。干物、漬物、味付けのり、精米などが当てはまりえます。

この加工品の型について、2026年10月からの指定で、次の3つが加わりました。

  1. 1証明の主体:返礼品の製造などを行う事業者が、区域内で価値の過半が生じたことを証明する
  2. 2公表:自治体が、返礼品の提供開始日までに、証明の内容を一覧で公表する
  3. 3価格の妥当性:証明書に一般販売価格も書き、その内容も公表する

宮城県の事業者向けページでは、総務省の標準的な算定方法にもとづいて証明すること、証明書の様式(表計算ソフトのファイル)があることが案内されています。香川県のページでは、2026年10月1日から2027年9月30日までの指定期間について、区域内で生じた価値の割合の一覧表を公表すると案内しています。

つまり、出す側の仕事は「おいしい品物を用意する」だけではなくなりました。原価の中身を、数字で説明できるかどうかが問われます。

仮の数字で「半分以上」を考える

計算のイメージを、仮の例で見てみます。たとえば、従業員4人の干物屋さん(仮の例)が、ほかの県で水揚げされたアジを仕入れて、地元の工場で開いて干し、返礼品にするとします。

総務省の2025年4月の資料では、一部の自治体が使っていた考え方として、調達価格から区域外からの調達費用を引き、それを調達価格で割る方法が紹介されています。この考え方に当てはめると、次のとおりです。

(6,000円 − 2,400円 − 400円)÷ 6,000円 = 約53%

半分をぎりぎり超えています。ところが、アジの仕入れ値が2割上がって2,880円になると、(6,000円 − 2,880円 − 400円)÷ 6,000円 = 約45%で、半分を割ります。原料の値上がりが、そのまま返礼品の資格に響くわけです。

ここで「納入価格を上げれば割合も上がる」と考えるのは、危ない発想です。船橋市のページには、付加価値を50%に引き上げるために納入価格を恣意的に高く設定することは認められない、とはっきり書かれています。一般販売価格を証明書に書いて公表するのは、このためです。

なお、実際の計算方法と様式は、自治体から示されるものに従います。上の式は、考え方をつかむための例です。

ただし、精米・熟成肉は「県内産の原料」だけ

米を扱う会社には、別の線引きもあります。総務省は2023年6月の見直しで、加工品のうち熟成肉と精米は、原材料が当該自治体と同じ都道府県内で生産されたものに限り、返礼品として認めることにしました(2023年10月からの指定に適用)。

たとえば、隣の県の玄米を仕入れて、地元の精米所で精米しても、付加価値の計算以前に、返礼品にはなりません。米屋さんや精米所が声をかけられたときは、まず原料の産地を確認します。

そのほか、出す側も知っておくと話が早いルールです。

送料や梱包の費用が全体の枠に入るので、自治体から「送料込みでこの価格で」と言われることがあります。この背景を知っておくと、値決めの話し合いで慌てません。

最後に、書類にうそがあった場合の話です。船橋市のページでは、虚偽の記載があれば総務省から指定基準違反と判断され、指定の取消しにつながる可能性がある、と案内しています。取消しになると、自治体全体の寄附の受付が止まり、ほかの事業者にも影響が及びます。自社だけの問題では済みません。

今日からできる最初の一歩

声がかかる前でも、できることがあります。手順は次の4つです。

  1. 1主力の加工品を1つ選び、原料・資材を「地域の中」「地域の外」に分けて原価を書き出す
  2. 2一般向けの販売価格(自社の店や通販の値段)を、公表されても困らない形で決めておく
  3. 3精米や熟成肉なら、原料の産地が同じ都道府県内かを確認する
  4. 4地元の自治体の担当課のページで、事業者向けの募集要項と証明書の様式を確認する

営業の目線で見ると、返礼品は、全国の人に自社の品物を試してもらう窓口です。原価を地域の内と外に分けて書き出す作業は、そのまま卸先や飲食店への見積の土台にもなります。原価を説明できる会社は、どの取引先の前でも話が早く進みます。

贈答の時期に、取引先との関係を深める手順は、こちらの記事にまとめています。

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参考(外部サイト):総務省、総務省(2)、総務省(3)、自治体、自治体(2)、自治体(3)

※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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