SNSの投稿、メルマガ、商品ページ。小さな店では、同じ新商品の話を、三度書くことになります。しかも、媒体ごとに字数も口調も違います。そのため、書いているうちに、元の情報が少しずつずれていきます。そこで、文章づくりのMuse活用が気になる店主も多いはずです。
まず、答えを先に言います。5つの手順のうち、最初と最後は人の仕事です。最初は、事実を元メモに書くことです。最後は、読んで承認して出すことです。Museに頼むのは、その間の書き分けと下書きです。
この記事では、Metaの公式発表と、総務省・消費者庁のページで確認できたことを、筆者の運用と分けて書きます。なお、商品説明文そのものの下書きは、別のコラムで扱いました。ここでは、媒体をまたいで書き分ける流れを見ます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
文章づくりのMuse活用、先に結論
- 元メモ一枚に事実だけを書き、そこから3つの媒体に書き分けます
- 手順は5つです。元メモ、媒体ごとの型、口調の見本、突き合わせ、承認と数字の確認です
- Metaの説明では、Museは過去の会話をふまえて提案や行動ができます
- メルマガは特定電子メール法、お客様の声は景品表示法のルールにも関わります
- 数字・期間・価格の言葉は、人が元メモと突き合わせます
Metaは、2026年10月23日に、Museの日本での提供を始めました。また、メールの送信や商品の購入など重要な操作の前には、Museが本人に確認すると説明しています。ただし、MuseがSNSへの投稿や、メルマガの配信まで進められるかは、筆者が読んだ公式ページには書かれていません。
元メモを一枚書く
媒体ごとの型を決める
口調の見本を渡す
3媒体を書かせ、突き合わせる
承認して出し、数字で見る
なお、筆者がMuseに任せているのは、投稿予定の管理や文字数の確認など、実行と管理の仕事です。文章を書く仕事の一部は、別のAIに分けています。そのため、この記事の5手順は、筆者の運用と公式の説明をもとに考えた手順です。
手順1と2:元メモと、媒体ごとの型を先に決める
答えは、頼む前に決めておくことです。
文章づくりのMuse活用、手順1は元メモ一枚
まず、新商品を1つ選び、元メモを一枚書きます。ここに書くのは、事実だけです。
- 商品名、素材、サイズ
- 販売価格と、送料の目安
- 販売期間と、在庫の状況
- 連絡先と、返品の条件
- 根拠が示せない言葉は書かない、という注意
次に、この一枚を、3つの媒体の共通の土台にします。つまり、価格と期間をそれぞれの文で書き直すのではなく、元メモから写すだけにします。
文章づくりのMuse活用、手順2は媒体ごとの型を決める
次に、媒体ごとの型を決めます。型を渡さずに「書いて」と頼むと、Museは、どの媒体にも通じる無難な文を返します。以下は、筆者が考える型の例です。
- 1SNSの投稿:字数の上限に収め、1投稿に1つの話だけを入れる
- 2メルマガ:件名、本文、送信者の名前、配信を止める方法の4点をそろえる
- 3商品ページ:素材、サイズ、価格、送料、返品の条件など、事実を先に並べる
字数は、媒体の決まりを先に確かめます。たとえば、筆者は、Xの下書き14本について、280字の制限を超えないよう、文字数を全件確認してから、投稿予定に移しました。ただし、媒体の字数の決まりは変わることがあります。そのため、最新の案内で確認してください。
また、商品ページには、法律で決まった表示を付ける商品があります。別のサイトのポチっと雑貨店長(ニコニコデスク)のコラム「雑貨の品質表示、ネットで売る前の4項目【2026年10月】」では、雑貨をネットで売るときの商品ページについて「商品ページに載せるのは価格や送料だけではありません」と書かれています。
出典:ポチっと雑貨店長「雑貨の品質表示、ネットで売る前の4項目【2026年10月】」
つまり、商品ページの型には、事実の項目を多めに入れておきます。
手順3:口調の見本を渡して、Museに前提をためる
答えは、自店の公開済みの文を見本にすることです。
Metaは、Museは利用者にとって大切なことを記憶し、過去の会話をふまえて提案したり、行動したりできると説明しています。そのため、口調の見本や、使わない言葉を伝えておくと、次からの説明が短くなります。
たとえば、筆者の運用では、Museに事業の文脈をためています。SNSのアカウントは16アカウントありますが、毎回の説明を最初からやり直す必要がありません。
見本にするのは、これまでに自店が公開した文です。うまくいった投稿、返信の多かったメルマガの書き出し、売れた商品の説明を、3つほど選びます。
一方で、他店の文章を読み込ませて、似せるように頼む使い方は避けます。筆者の線引きです。また、口調の見本と、使わない言葉の一覧は、一枚の資料にまとめます。さらに、複数のAIを使い分けるなら、この資料が引き継ぎの資料にもなります。筆者は、AIを使い分ける人ほど、渡す資料の質が成果を決めると考えています。
手順4:1つの元メモから3媒体を書かせ、突き合わせる
答えは、書かせたあとに、人が見比べることです。
数字と期間を、元メモと見比べる
まず、Museに3つの媒体の下書きを頼みます。次に、価格、期間、在庫、連絡先を、元メモと見比べます。
筆者は、Museに作業を頼むとき、判断材料の数字を先に出してもらいます。そのあとで、次の一手を1つだけ決めます。また、障害の原因を聞くときは、推測ではなく、実際のデータに当たってから答えるよう求めています。下書きの数字も同じ扱いです。元メモに無い数字が出てきたら、その文は採用しません。
文章づくりのMuse活用、メルマガで見る点
メルマガは、広告・宣伝メールにあたることが多い媒体です。総務省は、広告・宣伝メールを送信する場合、そのメールは原則、特定電子メール法の規制対象になると案内しています。
また、総務省のガイドラインは、オプトイン規制における同意、同意を証する記録、オプトアウト、表示義務を項目に立てて説明しています。そのため、Museに書かせるのは本文です。誰に送れるかは、書く前の問題です。
文章づくりのMuse活用、お客様の声で見る点
商品ページやSNSに、お客様の声を載せたいときがあります。消費者庁のステルスマーケティングQ&Aには、アンケートの回答を引用する場合の考え方があります。無作為に選んだ回答を、そのまま引用するなら「事業者の表示」に当たらないと考えられる、とされています。
一方で、好意的な評価だけを選んで引用する場合や、「良い点」の部分だけを引用する場合は、「事業者の表示」に当たると考えられる、とも書かれています。つまり、Museに「お客様の声をいい感じにまとめて」と頼むと、都合のよい部分だけが残るおそれがあります。
さらに、お客様が書いていない声を、AIに作らせることも避けます。筆者の読みですが、これは事業者の表示であることが分かりにくい表示に当たるおそれがあります。
手順5:承認して出し、反応は数字で見る
答えは、承認してから出し、出したあとに数字を見ることです。
筆者は、下書きを先に見せてもらい、承認してから送信や投稿をする決まりにしています。Metaも、メールの送信や商品の購入など、承認が必要になったときに、Museが通知すると説明しています。
次に、出したあとの数字です。筆者は、Threadsの反応を、いいね数ではなく、返信数、閲覧数、仕事につながる問い合わせで見ています。直近30日の実測では、あるアカウントが閲覧130,110、返信371でした。別のアカウントは、閲覧40,465、返信33でした。
このように、筆者は、アカウントごとに数字を出して判断します。また、数字に欠けがあるときは、欠けとして言わせます。たとえば、ThreadsのDMは未接続です。そのため、仕事につながる問い合わせの全体像は、未確認という留保つきで受け取っています。
営業の数字を見直す視点は、こちらの記事にまとめています。
10月に営業の数字を見直す5つの視点。後半戦の売上を作る保存版
文章づくりのMuse活用、よくある質問と最初の一歩
文章づくりのMuse活用でよくある質問
まず、「MuseがSNSに勝手に投稿しませんか」と聞かれます。答えは、重要な操作の前に、Museが本人へ確認する、です。ただし、投稿が対象かは、公式ページに書かれていません。筆者は、下書きを見て承認するまで、出さない決まりにしています。
次に、「メルマガの文章をAIに書かせたら、特定電子メール法に引っかかりますか」という質問です。筆者の読みですが、書いたのがAIかどうかでは決まりません。広告・宣伝メールは原則、規制の対象で、同意や表示などの決まりがあります。送る相手と表示を、先に確認してください。
さらに、「無料で使えますか」と聞かれます。Metaは、多くの基本的な機能は無料で、さらに活用したい人向けにサブスクリプションプランもあると説明しています。ただし、金額は、筆者が読んだ公式ページには出ていません。公式の案内で確認してください。
文章づくりのMuse活用、今日からできる最初の一歩
まず、売りたい商品を1つ選び、元メモを一枚書きます。次に、自店の公開済みの文から、うまくいったものを3つ選び、口調の見本にします。
最後に、出したあとに見る数字を、1つだけ決めます。閲覧数でも、返信数でも、問い合わせの数でも構いません。決めておけば、次の文章の直し方が見えてきます。
元メモが整えば、Museに頼むのは、書き分けと下書きだけで済みます。浮いた時間は、取引先やお客様への連絡に回せます。
Museについて気になることは、遠慮なく聞いてください。
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情報サイトのトップ:ENERGY BANK(系統用蓄電池の情報サイト)
運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):about.fb.com、消費者庁、総務省、総務省(2)
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
