貸し出す物の比べ方は、代理店へ販促物やデモ品やサンプルを渡している会社が、年末に一度は通る作業です。渡した物が、今どこにあり、戻る約束なのかが曖昧なまま年を越す会社は少なくありません。
実は、行き違いの原因は、物の管理の甘さだけではありません。渡すときの約束の形が、そもそも決まっていないことです。たとえば、デモ品を渡した担当者は貸したつもりで、受け取った代理店は預かったつもりの場面です。
この記事では、貸し出す物の比べ方を、渡し切り、貸し出し、預け置きの仕組みの違いから整理します。さらに、年末の所在確認で見る点も書きます。なお、ここでは優劣や順位は付けません。形ごとに、合う場面が違うためです。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
貸し出す物の比べ方、先に結論です
- まず、比べる形は、渡し切り、貸し出し、預け置きです。
- また、見る点は、戻る約束か、使ってよい物か、置き場所はどこかです。
- さらに、呼び方は同じでも、約束の中身で形は変わります。
- 一方、どの形が合うかは、物の役割で変わります。
つまり、貸し出す物の比べ方は、物の名前の比べ合いではありません。約束の形を同じ物差しで並べる作業です。
なお、年末は所在確認の区切りに向きます。建設まわりの商材では、年始から現場や展示の動きが始まります。そのため、年内に所在をそろえる意味があります。さらに、形が決まると、戻す日や、なくしたときの扱いも決めやすくなります。
貸し出す物の比べ方、仕組みの違いです
まず、形ごとの仕組みを、同じ表に並べます。
別のサイトの代理店ってなんぼのもん?のコラム「代理店・フランチャイズ契約前の確認項目(手数料・期間・解約)」では、契約の前に、期間や解約などの項目を書面で確かめる進め方が書かれています。
出典:代理店ってなんぼのもん?「代理店・フランチャイズ契約前の確認項目(手数料・期間・解約)」
比べる順番は、この見方と同じです。約束は、後からではなく、渡す前に書面でそろえます。なお、表は一般的な整理です。実際の扱いは、渡すときの約束で決まります。
使うために貸す形です
まず、貸し出しの手がかりは、民法の使用貸借です。民法第593条では、使用貸借は、受け取った物について無償で使用や収益をして、契約が終了したときに返還する約束の形とされています。
次に、この形では、使う目的と、返す時期を先に決めます。たとえば、展示の間だけデモ品を貸す場面です。目的が終われば、返す話へ進みます。
一方、使わずに置いておく物には、この形は合いません。保管だけが目的なら、次の形で見ます。
保管のために預ける形です
まず、預け置きの手がかりは、民法の寄託です。民法第657条では、寄託は、物を保管することを相手方に頼み、相手方が承諾する形とされています。
次に、この形では、置き場所と、保管の任せ方が中心になります。たとえば、販促物を代理店の倉庫にまとめて置く場面です。
また、預けた物を使う話は、別の約束になります。使うなら、貸し出しの形で改めて決めます。さらに、渡し切りの形は、販促物のように配って終わる物に向きます。戻らない前提で、渡した数を記録します。
見る点をそろえる順番です
まず、見る点は、戻る約束、使ってよい範囲、置き場所、なくしたときの扱いです。
- 1まず、戻る約束を見ます。戻る物か、戻らない物かです
- 2次に、使ってよい範囲を見ます。使う物か、保管する物かです
- 3また、置き場所を見ます。今どこにあり、誰が見ているかです
- 4最後に、なくしたときの扱いを見ます。連絡の先と、記録の残し方です
渡し方の選び方で迷う点は、コミッターズの60分の無料相談でお答えします。比べる表を持ち寄ると、話が早く進みます。
たとえば、従業員が数人の建設会社(仮の例です)が、建材のサンプルを代理店へ渡す場面を考えます。見せるために使ってほしい物と、倉庫に置いてほしい物では、約束の形が変わります。この形では、比べる点に、使う場面も入れます。
なお、約束は口頭で終わらせず、渡す日と物の名前と形を、短い記録で残します。記録が残ると、年末の確認は数えるだけの作業になります。
さらに、記録の置き場所も決めます。担当者の手元だけにある記録は、担当が替わると見つからなくなります。そのため、会社で共有する場所へ、渡すたびに足す形が向きます。
また、建設まわりの商材では、サンプルが現場と事務所と倉庫を行き来します。置き場所が動く物ほど、動いた日の記録が効きます。たとえば、現場へ持ち出した日に、持ち出し先を一行足すだけです。その一行が、年末の聞き取りを短くします。
一方、記録を細かくしすぎる形は長続きしません。物ごとに長い報告書を作る形より、名前と形と置き場所だけをそろえる形が、現場では回ります。
貸し出す物の比べ方で迷う場面です
まず、渡したまま記録がない場面です。答えの方向は、所在の聞き取りから始める、です。今ある場所を聞き、形を後からそろえます。
次に、貸した物を代理店が別の取引先へ回す場面です。回してよいかは、最初の約束で決める場所です。そのため、約束にない回し方は、先に止めて決め直します。
また、戻す時期を決めていない場面です。時期がない貸し出しは、年末の確認でも決着しません。なお、時期は、目的の終わりに合わせる形が決めやすい形です。
よくある質問
まず、「販促物は、全部貸し出しですか」と聞かれます。答えは、配って終わる物は渡し切り、です。戻る物だけを、貸し出しや預け置きで数えます。
次に、「口頭の約束でも形は決まりますか」と聞かれます。答えは、形は決まっても、証明が弱い、です。そのため、短くても記録に残します。
最後に、「なくした物が出たらどうしますか」と聞かれます。答えは、約束の形で扱いが変わる、です。だからこそ、渡すときの形を先に決めます。
年末の所在確認、最初の一歩です
まず、代理店へ渡した物を、形ごとに書き出してください。次に、置き場所を聞き取ります。
さらに、貸し出す物の比べ方は、年始の販路の動きを支える作業です。物の所在が見えると、展示や説明の段取りも組みやすくなります。
なお、所在が分からない物は、来年に持ち越す物として分けます。その物は、年始の早い時期に、形と置き場所を決め直します。
また、決めた表は、来年の年末も使えます。形の物差しは、年が変わっても大きくは変わらないためです。
このように、比べる作業は地味です。ただし、その地味さが、代理店との行き違いを減らす土台になります。
なお、確認の結果は、代理店へも同じ表で伝えます。伝えた日を残しておくと、年始に同じ話を繰り返さずに済みます。さらに、表が残ると、新しく渡す物の形も、同じ物差しで決められます。その積み重ねが、渡す仕事全体の速さにつながります。
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運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):e-Gov法令検索、www.reiwa-sogoshosha.com
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