代理店のフリーランス法は、個人の代理店へ販売や紹介の仕事を頼む会社が、年末に一度は確かめる物差しです。相手が会社ではなく個人のとき、条件の示し方には法律の決まりがかかります。
実は、行き違いの多くは、仕事の出来ではなく、条件の示し方から生まれます。たとえば、口頭で頼んだ仕事の支払日が、相手の思っていた日とずれる場面です。
この記事では、年末にそろえる順番を整理します。代理店のフリーランス法の当てはまる形から書きます。さらに、終わらせ方の予告まで書きます。なお、この記事は、令和6年11月1日に施行された法律をもとに書きます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
代理店のフリーランス法、先に結論です
- まず、守られる相手は、従業員を使わない個人などの事業者です。
- また、仕事を頼んだ側は、条件を直ちに書面などで示す決まりがあります。
- さらに、支払期日には、受け取った日から数える物差しがあります。
- 一方、商品を仕入れて売る形は、仕事を頼む形とは分けて見ます。
代理店のフリーランス法は、つまり、個人に仕事を頼むときの示し方の決まりです。年末は、来年の頼み方をそろえる区切りになります。
なお、対象になるかは、契約書の題名では決まりません。誰が何を頼み、何に対して代金が払われるかで見ます。そのため、古い契約書ほど、年末の見直しに向きます。
代理店のフリーランス法、当てはまる形です
まず、法律が守る相手は、特定受託事業者と呼ばれる事業者です。個人であって従業員を使用しないものと、代表者以外の役員がなく従業員を使用しない法人が、当てはまります。
次に、対象になる頼み方は、業務委託と呼ばれる形です。物品の製造、情報成果物の作成、役務の提供を、事業のためにほかの事業者へ頼む形です。
また、代理店の仕事では、販売や紹介といった役務の提供を頼む形が、検討の中心になります。たとえば、扱う商材の営業を指定して頼み、成約に応じて代金を払う形です。
対象になりにくい形です
まず、商品を仕入れて、自分の名前で売る形です。この形は、物の売り買いが中心になります。
次に、個人が消費者として結ぶ契約です。事業のための頼み方ではないため、分けて考えます。
一方、形の境目は、現場の動きで見ます。頼む側が仕事の内容を指定しているか、代金が何に対して払われるかを確かめます。
別のサイトの代理店ってなんぼのもん?のコラム「個人で代理店の仕事を受けるとフリーランス法の対象?」では、受ける側の目線で、対象になる事業者の形と、示してもらえる事項が、質問と答えの形で整理されていると書かれています。
出典:代理店ってなんぼのもん?「個人で代理店の仕事を受けるとフリーランス法の対象?」
この記事は、頼む側の目線で読み替えます。示す側の段取りを、年末の見直しに落とします。なお、示す事項の土台は、法律の条文で確かめます。

年末にそろえる順番です
代理店のフリーランス法の明示と支払期日です
まず、土台は、条件の明示です。第3条では、業務委託をした場合は直ちに、給付の内容、報酬の額、支払期日などの事項を、書面または電磁的方法で示す決まりとされています。
次に、支払期日です。第4条では、従業員を使用する発注者について、給付を受領した日から起算して60日の期間内において、かつ、できる限り短い期間内に支払期日を定める決まりとされています。定めなかったときは受領した日が、超えて定めたときは60日を経過する日が、支払期日とみなされます。
- 1まず、個人の代理店を書き出します。相手の形が対象に当てはまるかです
- 2次に、頼み方の形を見ます。役務の提供を頼む形か、売り買いが中心かです
- 3また、明示の文面をそろえます。仕事の内容と、代金の額または算定方法と、支払期日です
- 4さらに、支払期日を見ます。受け取った日から数える形になっているかです
- 5最後に、終わらせ方を残します。予告の決まりを契約の文面へ入れます
書き出す
形を見る
明示をそろえる
予告を残す
たとえば、従業員が数人の建設会社(仮の例です)が、建材の紹介販売を個人のパートナーに頼む場面を考えます。この場面では、紹介の範囲と、代金の算定方法と、支払日を、頼む前に文面でそろえます。
なお、明示は、メールなどの電磁的方法でも行えます。ただし、相手から書面の交付を求められたときは、遅滞なく交付する扱いです。そのため、送った文面は、探せる場所へ残します。
禁止される行為の読み直しです
さらに、禁止される行為も、年末に読み直す場所です。第5条では、政令で定める期間以上の業務委託について、相手に責任がないのに代金を減らす行為や、著しく低い額を不当に定める行為などが、してはならない行為とされています。
代理店のフリーランス法で迷う場面です
まず、契約書があるから示し方は済んでいる、と読む場面です。答えの方向は、示す事項がそろっているかで見る、です。題名ではなく、中身の項目で確かめます。
次に、支払日を月末の締めだけで決める場面です。受け取った日から数える物差しとずれると、みなしの期日で動く形になります。そのため、締めの決まりと、法律の物差しを並べて見ます。
また、終わらせ方を決めていない場面です。第16条では、継続的業務委託の解除や更新をしないときは、少なくとも30日前までに予告する決まりとされています。年末に更新の時期が重なる契約ほど、先に確かめる場所になります。
よくある質問
まず、「相手が一人社長の法人でも対象ですか」と聞かれます。答えは、形が当てはまれば対象、です。代表者以外の役員がなく、従業員を使用しない法人が当てはまります。
次に、「明示は口頭でも足りますか」と聞かれます。答えは、書面または電磁的方法で示す、です。口頭だけでは、項目が残りません。
最後に、「困ったときの窓口はどこですか」と聞かれます。答えは、内容で分かれる、です。取引の適正化は公正取引委員会や中小企業庁、就業環境は厚生労働省が窓口になります。

年末の最初の一歩です
まず、個人の代理店との契約書と、直近の明示の文面を書き出してください。次に、項目がそろっているかを見ます。
代理店のフリーランス法は、個人と長く組むための土台です。示し方がそろうと、年始の動き出しで、条件の確認に時間を使わずに済みます。
なお、決めた文面の型は、来年も使えます。新しい個人の代理店が加わるときも、同じ型で示せます。そのため、型は担当者の手元ではなく、共有の場所へ置きます。
また、建設まわりの商材では、現場ごとに頼む仕事が変わります。仕事の内容が変わるたびに、明示の文面も足す形にします。その積み重ねが、行き違いを減らす備えになります。
このように、見直しは地味です。ただし、その地味さが、個人の代理店との信頼を守る土台になります。
なお、文面の型がそろうと、新しい仕事を頼むときの手間も減ります。項目を埋めるだけで示せるためです。埋まらない項目があれば、その仕事はまだ頼む段階にない、という合図にもなります。
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参考(外部サイト):厚生労働省
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