景品の上限額は、年始キャンペーンの企画を決める前に数える数字です。代理店と一緒に売る会社ほど、景品の案が先に走りやすい時期でもあります。
実は、景品の上限額でつまずく原因は、豪華さではありません。企画の形を見分けずに、金額だけを決めてしまうことです。たとえば、抽選のつもりで始めた企画が、もれなく渡す形と混ざっている場面です。
この記事では、景品の上限額を、年始キャンペーンの前に数える手順を整理します。さらに、一般懸賞の最高額と総額の決まりも書きます。なお、景品を決めるのは企画を出す会社で、代理店は売る現場の進め方を担います。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
景品の上限額、先に結論です
- まず、抽選で渡す一般懸賞は、最高額と総額の両方に上限があります。
- また、取引価額が5,000円未満なら、最高額は取引価額の20倍です。
- さらに、取引価額が5,000円以上なら、最高額は10万円です。
- 一方、総額は、懸賞に係る売上予定総額の2%以内に収めます。
つまり、景品の上限額は、景品ひとつの値段だけでは決まりません。企画全体で出す総額も、同じ物差しで数えます。
なお、消費者庁の案内では、景品類の最高額や総額を規制することで、過大な景品による競争を防ぐ考え方が示されています。そのため、年始の勢いで金額を上げる前に、数字の枠を先に置く進め方が合います。さらに、代理店へ企画を渡す前に枠を示すと、現場の案内もそろいます。
景品の上限額、年始前に数える順番です
まず、順番は、企画の形、取引価額、最高額、総額の順です。
企画の形を分ける
取引価額を置く
最高額を比べる
総額を比べる
- 1まず、企画の形を分けます。抽選で渡す形か、条件を満たした人にもれなく渡す形か、複数の事業者で共同で行う形かです
- 2次に、取引価額を置きます。購入や利用の条件になる取引の額が、計算の土台になります
- 3また、景品ひとつの価額を、最高額の枠と比べます。景品の価額は、もらう人が通常購入するときの見方で数えます
- 4最後に、出す景品の合計を、総額の枠と比べます。抽選の企画では、この総額の確認が抜けやすい場所です
紹介営業の進め方でも、条件を先にそろえる形が基本になります。景品の企画でも同じです。条件がそろうと、代理店への説明も短くなります。
たとえば、従業員が数人の会社(仮の例です)が、建設まわりの商材を代理店経由で売る場面を考えます。年始に購入者向けの抽選を組み、代理店が店頭で案内する形です。この形では、本部側が上限を数えてから案内文を渡すと、現場で金額の言い換えが起きにくくなります。
企画の形で、景品の上限額は変わります
まず、抽選で渡す一般懸賞は、この記事の中心です。くじなどの偶然性や、特定の行為の優劣で渡す形が当たります。
次に、もれなく渡す形は、総付景品と呼ばれる形です。一般懸賞とは別の限度額が定められています。そのため、抽選と混ぜて数える形にはしません。
また、複数の事業者が参加する形は、共同懸賞として実施できる場合があります。商店街の歳末セールのような場面が例に挙がっています。なお、共同の形は、参加の形が整っている場合の話です。名前だけで共同扱いにはしません。
さらに、購入や来店を条件とせず、広く告知して応募を受ける形は、オープン懸賞と呼ばれています。消費者庁の案内では、この形には景品規制が適用されず、具体的な上限額の定めもないとされています。ただし、応募の条件に購入につながる仕掛けが入ると、話は変わります。
別のサイトのポチっと雑貨店長のコラム「ネットショップの景品の上限は?5つの型を比較」では、企画の形ごとに上限を比べながら、取引価額と総額の数え方を整理していると書かれています。
出典:ポチっと雑貨店長「ネットショップの景品の上限は?5つの型を比較」
年始の企画でも、比べる順番は同じです。形を分けてから、取引価額と総額を数えます。なお、残念賞のように外れた人へ渡す分も、企画全体の数字として見る姿勢が大切です。
景品の上限額で迷う場面です
まず、最高額だけを見て安心する場面です。景品ひとつが枠の中でも、企画全体の総額が枠を超える場合があります。そのため、最高額と総額は、別の行で数えます。
次に、取引価額の置き方で迷う場面です。応募の条件になる取引が何かを先に決めないと、比べる数字が動き続けます。たとえば、対象の商品を絞る企画と、店の全商品を対象にする企画では、土台が変わります。
また、限度額を超える過大な景品を出すと、提供に関する事項を制限されたり、提供を禁止されたりする場合があります。消費者庁の案内に示された扱いです。なお、年始の短い期間の企画でも、扱いは同じです。
さらに、代理店へ渡す案内の側でも迷いが出ます。本部が決めた景品の名前と、現場が口頭で伝える名前が違うと、お客さまの受け取り方が変わるためです。そのため、景品の名前、応募の条件、渡す時期は、案内文の段階でそろえておきます。特に、建設まわりの商材では、年始の現場の動きと店頭の案内が分かれやすい時期です。そろえる作業を本部側で担うと、現場は売る動きに集中できます。
一方、景品の価額の見方も、現場と本部でそろえる場所です。同じ景品でも、見る数字が違うと、比べる結果が変わります。なお、比べた数字と、その根拠にした案内の場所は、企画の控えとして残しておきます。
よくある質問
まず、「代理店が案内する企画でも、上限は同じですか」と聞かれます。答えは、企画を出す事業者の側で数える、です。売る現場が代理店でも、景品を出す形が同じなら、物差しは同じです。
次に、「景品は仕入れの額で数えますか」と聞かれます。答えは、もらう人が通常購入するときの価格で見る、です。そのため、仕入れの数字だけで比べる形にはしません。
最後に、「迷ったときは、どうしますか」と聞かれます。答えは、企画の形と数字を紙に残して、消費者庁の案内と照らす、です。さらに、判断が割れる場合は、専門家や所管の窓口に確かめます。
年始の販促を進める、最初の一歩です
まず、年始キャンペーンの企画の形を書き出してください。次に、取引価額を置きます。
さらに、最高額と総額を別の行で比べます。景品の上限額は、企画の勢いを止める数字ではありません。代理店と一緒に、安心して案内できる範囲を示す数字です。
なお、決めた数字は、代理店へ渡す案内文にも添えておきます。数字の根拠が見えると、現場の説明がぶれません。
また、企画が終わったら、出した景品の合計を残しておきます。次の企画では、その記録が最初の物差しになります。
このように、上限の確認は地味な作業です。ただし、その地味さが、年始の売る動きを止めない備えになります。
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参考(外部サイト):消費者庁
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