年末になると、社長個人のふるさと納税の駆け込みが増えます。寄附そのものは申し込みで終わりますが、ふるさと納税の控除は、手続きをしないと受けられません。
ただし、窓口は1つではありません。まず、寄附先の自治体へ申請する形があります。次に、税務署へ確定申告する形があります。どちらを使えるかは、本人の申告の状況と、寄附先の数で決まります。
この記事では、ふるさと納税の控除の仕組みと、2つの窓口の分かれ道、社長が年末に確かめる寄附先の数え方を整理します。控除の金額そのものを約束する内容ではありません。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
ふるさと納税の控除、先に結論
まず、結論から言います。ふるさと納税の控除は、選んだ自治体への寄附のうち、2,000円を超える部分が対象です。その部分について、所得税と個人住民税から控除を受けられます。ただし、控除には上限があり、収入や家族の状況で変わります。
また、手続きの窓口は2つです。確定申告が不要な給与所得者などで、寄附先が5団体以内の場合は、寄附先の自治体へ申請するワンストップ特例を使えます。それ以外の場合は、確定申告の中で寄附金控除を受けます。
さらに、社長は自分の立場で分かれます。会社から給与を受ける社長と、個人事業主の社長では、申告の状況が違います。そのため、知り合いの社長と同じ窓口になるとは限りません。
なお、寄附は、応援したい自治体を選ぶものです。生まれた土地でなくても、どの自治体でも対象になります。控除の仕組みは、選んだ場所で変わりません。変わるのは、手続きの窓口と、寄附先ごとの申請の手間です。そのため、年末の確認では、寄附先を増やす前に、数と窓口を先にそろえます。
ふるさと納税の控除は、どの窓口で受けますか?
まず、ワンストップ特例の形を見ます。寄附先の自治体へ申請書を出す形です。所得税からの控除はなく、その分も含めて、翌年度の住民税から控除されます。申請は、寄附先ごとに必要です。
次に、確定申告の形を見ます。所得税は寄附した年の分から還付され、住民税は翌年度分が減額されます。申告書では、寄附金控除の欄に寄附先と金額を書き、住民税に関する事項の欄にも金額を書きます。こちらの欄を書き忘れると、住民税で控除されないことがあります。
売上が落ちた年に社長を守る共済を扱った記事でも紹介しましたが、年末の社長の確認は、会社の制度と個人の制度を分けることから始まります。ふるさと納税は、会社ではなく社長個人の寄附です。会社の経費の話とは、分けて考えます。
確定申告をすると申請が無効になる理由
まず、知っておく場面があります。ワンストップ特例の申請をした後に確定申告をすると、その申請は無効になります。医療費控除などを受けるために申告する年も、同じ扱いです。
次に、その場合の書き方を見ます。申請した分も含めて、全ての寄附を確定申告の寄附金控除に入れます。一部だけを申告に寄せる書き方はしません。
つまり、申告するかどうかが決まったら、窓口は申告の側にそろえます。申請書を出したから安心ではなく、申告の有無で最後の形が決まります。
なお、申請したのに控除を受けずに申告してしまった場合は、更正の請求で控除を受けられる場合があります。ただし、税額に動きがない場合は請求できないため、住まいの市区町村への相談になります。
社長が年末に確かめる寄附先の数え方
まず、数えるのは寄附の回数ではなく、寄附先の自治体の数です。同じ自治体へ何度寄附しても、数え方は1つの団体です。年末に寄附先を増やす前に、現在の団体数を数えます。
別のサイトの控除さがし探偵団のコラム「ふるさと納税、ワンストップ特例と確定申告の選び方」では、「寄附をしたあと、控除を受ける手続きには」寄附先へ申請する形と、税務署へ申告する形があると書かれています。
出典:控除さがし探偵団「ふるさと納税、ワンストップ特例と確定申告の選び方」
次に、上限の見方も確かめます。所得税の所得控除の対象になる寄附金の額は、総所得金額等の40%が上限です。また、住民税の基本分では、対象部分に10%をかけた額が税額控除になります。上限の細かな計算は、収入の形で変わります。
さらに、申請の期限は、寄附先の自治体の案内で確かめます。年末に寄附した分は、年が明けてからの手続きが慌ただしくなります。そのため、寄附の記録と受領の証明は、寄附のたびに同じ場所へ残します。
たとえば、返礼品の到着で寄附を思い出す会社もあります。ただし、控除の確認は品物ではなく書類で進めます。寄附先、寄附した日、金額の3つがそろっているかを、先に確かめます。
また、寄附の記録は、家族の分と分けて残します。控除は、寄附をした本人の税金で受けるものです。家計が同じでも、配偶者が寄附した分を自分の申告に入れることはできません。そのため、記録の紙には、寄附した人の名前も並べて書きます。
さらに、年末の寄附は、支払いが年内に済んでいるかが境目になります。申し込んだ日と、支払いが済んだ日がずれる場合は、寄附先の案内で扱いを確かめます。駆け込みの寄附ほど、この確認が効きます。
よくある質問
まず、「会社の経費で寄附できますか」と聞かれます。答えは、この記事の扱いとは別です、です。ここで書いているのは、社長個人の寄附と個人の税金の控除の話です。
次に、「寄附先が増えたら特例はどうなりますか」と聞かれます。答えは、5団体を超えたら確定申告で控除を受けます、です。超えた分だけではなく、その年の寄附全体を申告に入れます。
最後に、「上限額はいくらですか」と聞かれます。答えは、収入や家族の状況で変わるため、この記事では決めません、です。国税庁の案内と、寄附先や住まいの自治体の案内で確かめます。
ふるさと納税の控除、今日からできる一歩
まず、今年の寄附先を書き出しましょう。具体的には、寄附先の自治体の数と、金額と、受領の証明の置き場所を並べます。次に、自分が確定申告をする年かどうかを確かめます。さらに、その結果で、窓口をどちらにするかを決めます。
なお、個別の税額の判断は、顧問の税理士や税務署で確かめます。制度の案内は変わることがあるため、国税庁と総務省の案内で最新の内容を見ます。
このように、年末の寄附の確認は、寄附先の数え方から始まります。窓口が決まっている社長は、年明けの手続きにも、落ち着いて進められます。
また、決めた窓口は、記録に書き添えておきます。来年の年末に同じ確認をするとき、その記録が最初の答えになります。寄附の話も、営業の記録と同じで、残した分だけ次の判断が速くなります。
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