月末が近づくと、現金が足りるかどうかが気になります。まず、売上は立っているのに、入金は来月、という月があります。たとえば、建設業の会社では、工事の入金が遅れると、材料費と外注費の支払いが先に来ます。
そこで、資金繰り表の下書きを、AIに作らせたくなる社長が増えています。表の形を作る作業は、AIが得意な作業です。一方、会社の資金の数字を、そのまま渡してよいかは別の話です。
この記事では、資金繰り表の下書きの線引きを整理します。まず、渡す数字は3つ、渡さない数字も3つに分けます。さらに、銀行に出す資料は人が作る、という線引きも書きます。
筆者は、AIに担当を持たせる使い方をしています。まず、実行と管理は、MetaのMuseに任せています。次に、文章の下書きは、Claudeに任せています。なお、Museは、2026年10月23日に日本で提供開始しました。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
資金繰り表の下書き、先に結論は?
結論は、下書きはAI、判断と提出は人、です。まず、資金繰り表の下書きは、表の形と並べ方をAIに作らせます。次に、数字の出どころは、人が確かめます。さらに、銀行に出す資料は、人が仕上げます。そのため、AIに渡す数字は、最初に絞ります。
なお、筆者は、SNS 16アカウントと複数のサイトを一人で回す運用をしています。その運用では、AIに数字を先に出させて、元の画面で裏を取ります。つまり、下書きをそのまま使わない運用です。資金繰り表の下書きでも、同じ運用が合います。
資金繰り表の下書き、Museに何を渡す?
まず、渡す数字は、丸めた見込みの数字です。次に、月ごとの入金の見込みを渡します。さらに、月ごとの支払の見込みも渡します。そのうえ、支払の分類も渡します。たとえば、材料費、外注費、人件費、家賃のような分類です。
渡す数字を決める
Museに下書きを作らせる
人の目で直す
銀行用は別に作る
たとえば、頼み方は、次の形にします。まず、月ごとの入金と支払の見込みを並べます。次に、残高の欄を足します。さらに、残高が少なくなる月に、印を付けます。この頼み方なら、表の形だけが返ってきます。一方、取引先の名前は入れません。そのため、表の形と、自社の事情が切り離せます。
また、入金の時期のずれも、分類として渡せます。たとえば、請求の月と入金の月がずれる、という形です。次に、支払の締めと払いの日も、分類で渡します。つまり、渡すのは、金額の細部ではなく、表の骨組みです。
さらに、表に置く月の並べ方も、最初に伝えます。まず、入金の多い月と少ない月を分けます。次に、支払の多い月を印で示します。たとえば、賞与の月や税金の支払の月です。そのため、返ってきた表は、危ない月が見える形になります。一方、危ない月の対策までは、AIに決めさせません。つまり、表の形はAI、対策は人、と分けます。
資金繰り表の下書き、頼み方のコツは?
頼み方のコツは、形を先に指定することです。まず、横に月、縦に分類を置く形を伝えます。次に、残高の欄を一番下に置く形を伝えます。さらに、印を付ける条件も伝えます。たとえば、残高が少なくなる月への印です。そのため、返ってきた表を、その場で比べられます。一方、頼み方を変えるたびに、表の形も変わります。つまり、頼み方は、社の型として残します。
なお、下書きの表は、社内で見るための表です。まず、社長が見て、残高の波を確かめます。次に、経理の担当が見て、分類の漏れを直します。さらに、漏れた分類は、次回の頼み方に足します。この直し方が、下書きの精度を上げます。
渡さない数字は、どこで線を引く?
一方、渡さない数字は、会社の資金の生の数字です。まず、口座の番号と暗証番号は入れません。次に、取引先ごとの契約条件も入れません。さらに、従業員の給与の明細も入れません。そのため、漏れたときに困る数字は、最初から外します。
ここが、会社の資金の数字をAIに入れるときの線引きです。まず、入れてよいのは、表の骨組みと丸めた見込みまでです。次に、口座残高の実額は入れません。さらに、借入の条件の細部も入れません。つまり、表の形は任せて、会社の実額は社内にとどめます。なお、判断に迷う数字は、入れない側に寄せます。
別のサイトのはじめて商店街のコラム「事業計画書の書き方は?融資・補助金に使う前の質問と答え」では、運転資金は事業が黒字化して資金繰りが安定するまでの分を見積もると書かれています。
出典:はじめて商店街「事業計画書の書き方は?融資・補助金に使う前の質問と答え」
資金繰り表の下書きも、同じ発想で作ります。まず、安定するまでの月を並べます。次に、その月の入金と支払を置きます。さらに、足りない月が見えたら、対策は人が考えます。
銀行に出す資料は、人が作る?
答えは、人が作ります。まず、銀行に出す資料は、会社の信用に関わります。次に、数字の根拠を聞かれる場面もあります。そのため、下書きの表を、そのまま提出資料にはしません。さらに、提出する数字は、帳簿と突き合わせて確かめます。
たとえば、下書きで残高が少なくなる月が見つかります。次に、その月の入金予定を、請求の記録で確かめます。さらに、支払の予定を、発注の記録で確かめます。つまり、AIの下書きは、確かめる場所を示す地図です。一方、提出資料は、人が確かめた数字で作ります。
また、銀行との話し合いでも、順番が大切です。まず、足りない月を先に示します。次に、その月の入金の根拠を示します。さらに、支払の内訳も示します。そのため、銀行は、会社の見通しを読み取りやすくなります。一方、根拠のない見込みの数字は、話を弱くします。つまり、提出資料の強さは、根拠のそろい方で決まります。
なお、現金の動きと売上の違いは、別の記事でも整理しています。売上は立つのに現金が減る理由は、こちらの記事にあります。
売上は立つのに現金が減る会社へ。在庫を週の営業件数に割る4つの手順と3つの数字
よくある質問
「口座残高を入れると、表は正確になりますか」と聞かれます。答えは、正確さよりも、漏れたときの困り度が先です。丸めた見込みでも、表の形と足りない月は分かります。実額は、社内の表で足します。
「取引先の名前を入れてもよいですか」と聞かれます。答えは、入れない運用をおすすめします。名前を分類に替えると、表の骨組みは作れます。個別の事情は、社内で書き足します。
「下書きの数字を、そのまま銀行に出せますか」と聞かれます。答えは、出せません。下書きは、見込みと分類の表です。提出資料は、帳簿で確かめた数字で、人が作ります。
資金繰り表の下書き、今日からできる最初の一歩
今日からできるのは、4つの作業です。
- 1まず、渡す数字と渡さない数字を、紙に分けます。
- 2次に、入金と支払の分類を、月ごとに並べます。
- 3さらに、Museに、表のたたき台だけを作らせます。
- 4最後に、数字を帳簿で確かめて、人が直します。
筆者は、AIの下書きは、いつも目を通してから使います。まず、材料を並べさせます。次に、判断は自分で決めます。さらに、表の数字は、営業の予定と並べて見直します。つまり、資金繰り表の下書きは、社長の判断を軽くするための道具です。
社長の備えの全体像は、こちらのコーナーにまとめています。
「資産運用コーナー」の歩き方。社長の「備え」から考える、無理なく続ける資金づくり
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運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):about.fb.com
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
会社の現場の工夫や取り組みは、みんなの企業新聞の記事「経営者マッチングアプリを継続する仕組みの作り方」でも紹介しています。あわせてご覧ください。
