「経営者交流会」とひとくくりにされがちですが、BNIと守成クラブは似て非なる会です。週に一度、早朝に集まって紹介を持ち寄る会と、月に一度、夜に集まってその場で商談を決める会。どちらも「仕事を増やすための会」である点は同じでも、設計の思想はかなり違います。
この記事では、BNIと守成クラブの違いを、頻度・同業制限・紹介の仕組み・費用・規模の面から、公開情報と参加者の声に基づいて整理します。優劣をつけるのではなく、「設計の違い」から、自分に合う会はどちらかを見極める材料にしてください。
まず両者の素性
BNIは、1985年にアイヴァン・マイズナー博士が創設した、紹介(リファーラル)に特化した世界的な組織です。理念はGivers Gain®(与える者は与えられる)。日本では401チャプター・13,074人(BNIジャパン公式、2025年9月〜2026年9月の統計)で、メンバーは「チャプター」と呼ばれるチーム単位で活動します。
守成クラブは、2002年4月に札幌で創設され、運営は株式会社日本商工振興会です。全国に約300会場・約3万社(札幌会場公式の案内。会場によっては312会場・約35,000社という表示もあり、数字には幅があります)。月1回の例会の名称は「仕事バンバンプラザ」で、公式自身が「異業種交流会ではなく、即断即決のビジネス商談会」と名乗っているのが特徴です。

違い1:頻度と時間の使い方
BNIの定例会は週1回で、早朝開催が多い形です。毎週顔を合わせるため信頼関係ができる速度は速い反面、時間の拘束は大きくなります。活動の前提として、継続的な出席が求められる設計です。
守成クラブの例会は月1回で、夜開催が基本形、「ヒルノ」と呼ばれる昼の会場も多数あります。例会は「参加が前提」とされ、出欠連絡は毎月必須と案内されていますが、拘束は月1回分です。本業が忙しい経営者には予定に組み込みやすい一方、関係が深まる速度は頻度なりに緩やかになります。
違い2:同業者の扱い(1業種1名か、制限なしか)
BNIは1業種1名制です。同じチャプターに同業者は入れません。自分のカテゴリーを「占有」できるため、チャプター内でその仕事の相談先は自分に集まります。裏を返せば、入りたいチャプターで自分の枠が埋まっていれば入会できず、別のチャプターを探すことになります。
守成クラブに1業種1名制はありません。同業者が複数同席するのが普通です。競合と顔を合わせる緊張感はありますが、入会の門戸は広く、同業者同士の情報交換や協業が生まれる余地もあります。「枠の占有」による安心感を取るか、「門戸の広さ」による出会いの量を取るか、という設計の違いです。
違い3:紹介の位置づけ
BNIでは、紹介は活動の中心そのものです。Givers Gain®のもと、メンバー同士が毎週紹介を持ち寄り、定例会で報告し合う仕組みになっています。信頼関係を作り、その信頼をもとに第三者へ紹介する。仕事は「紹介経由」で生まれる間接型の設計です。
守成クラブでは、紹介は会員区分の中に制度として組み込まれています。入会時は「準会員」(緑バッジ)で、参加できるのは所属会場のみ。自分が誘ったゲストが1社以上入会すると「正会員」(赤バッジ)になり、全国すべての会場に参加できるようになります。逆に、準会員のまま1年間に紹介による入会がゼロだと、次年度への更新はできません。紹介を10名以上入れると「ゴールド会員」です。つまり守成クラブでは、「人を紹介すること」が全国へ活動範囲を広げるための進級条件になっています。
仕事の生まれ方も対照的です。守成クラブの例会では自社PRや「車座商談会」といった商談のプログラムが組まれ、決裁権者同士がその場で受発注や商談を進めます。BNIが「信頼→紹介→商談」の間接型なら、守成クラブは「その場で商談」の直接型と言えます。
交流会や経営者団体への参加についての相談は、令和の総合商社で受け付けています。 お問い合わせページからご相談ください。
違い4:費用の見え方
守成クラブは、全国共通の費用の枠が公開されています。入会金11,000円+年会費28,600円(いずれも税込。年会費は2025年1月に改訂されたもので、初年度の合計は39,600円)。例会参加費は会場ごとに異なり、5,000〜8,000円/回(飲食代込みが一般的)です。年間の総額を入会前に計算しやすいのが特徴です。
BNIの費用は、公式には非公開で、見学の後に案内される形です。構成は、登録費(初回のみ)+プログラム利用料(年会費相当、1年・2年・5年の支払い区分あり)。第三者メディア(Honors)の2024年時点の記事では、登録料33,000円・年会費171,600円(いずれも税込)との記載がありますが、これはあくまで当時の参考値で、最新の金額は見学時に確認が必要です。水準感としては守成クラブより高く、その分「本気で紹介を取りに行く人の会」という色が濃くなります。
参加者の声(裏話)
守成クラブへの良い声としては、「会費がリーズナブル」「今すぐ必要でなくても、人脈がいざというときに助けになる」といったものがあります。横浜桜木町会場は女性が約7割で活気がある、という参加者の体験談も公開されています。退会した人からも「退会後も縁が続き、今のビジネスを動かしている」という声があり、会の外に残る関係が価値になっているケースが見られます。
一方で、気になる声もあります。「まず自分から貢献しろ」という空気や同調圧力がある、紹介しないと仕事が回らない条件付きの関係になりやすい、本部(株式会社)運営の硬直さ、といった指摘です。また、雰囲気も成果も会場によって差が大きいこと、年会費のほかに例会費や二次会費がかさむこと、B2Cの店舗業態(飲食・美容・小売)はその場での直接受注につながりにくい、という声もありました。
BNIについても手放しの称賛はできません。週1回の定例会と毎週の紹介の持ち寄りという設計上、時間と労力の投下が前提になります。仕組みに乗れるかどうかで、得られるものは大きく変わります。
共通して言えるのは、どちらの会も「入れば仕事が来る」仕組みではない、ということです。BNIは紹介を出す側に回ること、守成クラブは人を誘い続けることが、仕組みの前提になっています。
交流会や経営者団体への参加についての相談は、令和の総合商社で受け付けています。 お問い合わせページからご相談ください。
どんな経営者に向いているか
BNIが向いているのは、次のような経営者です。
- 紹介経由の受注を、事業の売上の柱の一つにしたい
- 週1回の早朝活動を継続できる(仕組みに乗る覚悟がある)
- 自分の業種の枠を占有し、地域で「その仕事ならあの人」と言われたい
守成クラブが向いているのは、次のような経営者です。
- 月1回なら無理なく続けられるペースで人脈を広げたい
- 決裁権者同士で、その場で商談や受発注まで進めたい
- まず費用を抑えて、経営者のネットワークに入ってみたい
- 正会員になって全国各地の会場を回り、販路を広げたい
経営者にとって交流会費は、広告費に近い投資です。週1回型は「紹介という受注経路を1本持つ」ための固定費、月1回型は「商談の場と人脈の在庫を持つ」ための固定費と考えると、自社の受注構造のどこに効かせたいのかが見えてきます。出すもの(時間・紹介・人脈)を先に用意できる会を選ぶのが、失敗しない選び方です。

筆者の見方
筆者もBNIのBRIDGETチャプターで活動していますが、会ごとに文化がまったく違うことは、身をもって感じるところです。BNIと守成クラブは、どちらが優れているかではなく、「週1回の紹介の仕組みに乗るか、月1回の商談の場を使い倒すか」という設計の違いです。事業のフェーズと、自分の時間の使い方に合うほうを選ぶのが正解に近いはずです。
BNIは見学が2回まで可能で、守成クラブは紹介を通じてゲスト参加する形です(同一人物のゲスト参加は1回のみ)。どちらも実際に足を運べば、数字や評判だけでは分からない肌感覚が掴めます。興味を持った方は、まず見学・ゲスト参加で確かめてみてください。
経営者交流会の全体像や他の会との違いは、みんなの企業新聞の記事でも整理しています。あわせてご覧ください。
筆者が活動するBNI・BRIDGETチャプターについて
筆者は、BNIのBRIDGETチャプターで活動しています。BRIDGETチャプターの定例会は、毎週火曜日の夜19時から開催しています。紹介の仕組みを実際に見てみたい方は、見学も可能です(見学は2回まで)。興味がある方は、川口までお気軽にお問い合わせください。
- BNIジャパン 公式サイト(日本のチャプター数・メンバー数:2025年9月〜2026年9月の統計)https://bni.jp/ja/index(2026年11月5日確認)
- 守成クラブ 札幌会場 公式「守成クラブについて」(会場数・会員数、例会の決まり)https://shuseiclub-sapporo.jp/about/(2026年11月5日確認)
- 守成クラブ 公式「守成クラブとは」(創設・理念)https://shusei-club.jp/about/shuseiclub(2026年11月5日確認)
- コネクターギルド 守成クラブ団体ページ(会費・会員区分)https://www.cn-guild.jp/organizations/001/(2026年11月5日確認)
- 店舗ビジネス系メディアのBNI×守成クラブ比較記事 https://tenpojs.co.jp/2026/06/24/bni-vs-shusei-club-for-store-owners/(2026年11月5日確認)
- note 参加者体験談(守成クラブ 横浜桜木町会場)https://note.com/kasako/n/ncf72a8dd3e5f(2026年11月5日確認)
- note 退会者体験談(守成クラブ)https://note.com/lepnet/n/n97c2d6e1ef58(2026年11月5日確認)
※BNIの費用は公式非公開のため、本文の金額は第三者メディア「Honors」の2024年時点の記事に基づく参考値です。守成クラブの会場数・会員数は出典と時期により幅があるため、本文では札幌会場公式の案内を主に記載しています。
あわせて、みんなの企業新聞の記事「紹介以外で商談を増やす方法」もご覧ください。
徳億会とは?
徳億会は、株式会社いかしあい隊が運営する月例の経営者交流会です。着席型の食事会の形式で、「徳を積み重ねる本物の経営者の集い」を掲げています。徳億会会員の費用は、入会金110,000円・月会費36,300円・年会費435,600円(いずれも税込、公式表記)。ビジター参加の費用は回によって異なるため、最新の案内は株式会社いかしあい隊の公式サイトでご確認ください。
ATM会とは?
ATM会は、徳億会と同じく株式会社いかしあい隊が運営する月例の経営者交流会です。立食型の形式で、名前は「A=明るく、T=楽しく、M=前向きに」に由来します。いかしあい隊会員の費用は、入会金55,000円・月会費11,000円・年会費132,000円(いずれも税込、公式表記)。ビジター参加の費用は回によって異なるため、最新の案内は株式会社いかしあい隊の公式サイトでご確認ください。
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