経営者交流会を調べようとして、検索しても公式サイトが出てこない会がある。会費も、運営者も、正式名称すら公開されていない。それなのに、参加者のSNSには毎週の定例会の様子が上がり続けている——。それがPIC(ピック)です。
一方、名前の響きがよく似たNIC(ニック/ネクストイノベーション経営者倶楽部)は、運営会社の公式サイトに拠点と会員数が明記され、主催者のインタビューまで公開されている対照的な会です。
名前の響きと、番号付きのグループで運営される形式が似ているため並べて語られることのある2つの会ですが、組織的な関係については公開情報では確認できていません。本記事は、公開情報で比べられる範囲で、NICとPICの「設計の違い」を整理し、どんな経営者に向いているのかを考えます。
まずNIC:情報が表に出ている「ゆるさの会」
NICは、交流会の運営を手がけるコネクタービジョン株式会社が展開する経営者交流会です。拠点は東京・大阪・愛知(名古屋)・横浜など全国6拠点、会員数は全体で2,000社を超えると公式サイトに案内されています(2026年11月時点)。
拠点ごとの規模と頻度には幅があり、東京は約1,700社がNIC1〜NIC8などのグループに分かれて月13回、名古屋は約180社で月2回、大阪は約130社で月1回、横浜は約70〜80名の規模です。会員同士の連絡の場として、2019年に開設された会員限定のFacebookグループ(メンバー183名)も存在します。
設計の最大の特徴は「ゆるさ」です。出席義務がなく、紹介ノルマもない。完全紹介制・完全会員制で入口は閉じているのに、中のルールは最小限という組み合わせです。主催者は「交流会は仲良くなることが目的でいい。ビジネスは後からついてくる」と語っています。
会費(入会金・年会費)は拠点ごとに運営形態が異なるため一律の公開はなく、拠点ごとに確認が必要です。参考までに、NIC大阪のビジター参加は1回12,000円(飲食代込み、メンバーは無料)と案内されています(2026年11月時点)。

なお、NICの運営会社の情報は、コネクタービジョン株式会社の公式サイトに、拠点や会員数が明記されています。比較の相手になるBNIについては、BNIジャパンの公式サイトとBNIの概要ページで仕組みを確認できます。
次にPIC:参加者の投稿でしか輪郭が見えない「朝の会」
PICは、公式サイトも公式SNSアカウントも確認できない会です。存在を確認できたのは、番号付きのPIC2・PIC3と、地名付きのPIC横浜の3つ。情報源はすべて参加者個人のSNS投稿です。
分かっている範囲の姿は、こうです。
PIC2は、毎週金曜7:15〜8:30の定例会を開く会です(参加者のInstagram投稿、2026年1月)。オンラインでビジター参加ができ、早起きが苦手な人向けに「もう少し朝ゆっくりの会」への案内もあるといいます。参加者の声では「アットホームさと、ビジネスにつながる感じが絶妙。年齢層も比較的若くて、活気がある」と紹介されています。周年記念イベント(4月21日19:00〜、大崎にある会員のお店のフレンチビストロで開催)や、ゴルフコンペ(2026年3月時点で第4回)といった、定例会以外の接点も見えます。
交流会や経営者団体への参加についての相談は、令和の総合商社で受け付けています。 お問い合わせページからご相談ください。
PIC横浜も毎週金曜7:15〜8:30の定例会で、ビジター参加は1,000円。会員が自社を紹介する「メインプレゼン」の枠があるなど、BNI式の進行を取り入れている様子が投稿からうかがえます(参加者のFacebook投稿、2026年10月)。なお、PIC2とPIC横浜は曜日・時間が完全に一致しますが、同一の会なのか、共通の時間枠なのかは公開情報では判別できません。
PIC3はオンライン開催の会で、参加検討者の投稿では「ほぼBNIの仕組みを使ったオンライン交流会」と説明され、BNI同様の欠席ルールがあるため入会を迷っている、という証言があります(Threads投稿、2026年7月)。
そして、PICについては「分からないこと」の方が多いのが実情です。PICが何の略かという正式名称、運営者、入会金・月会費・年会費、会員総数、紹介制かどうか、1業種1名制かどうか。いずれも公開情報がなく、本記事では「非公開」としか書けません。
設計の違いで比べる
優劣ではなく、設計の違いとして並べると、対比は明快です。
頻度:NICは拠点ごとに月1回〜月13回と幅が広く、自分のペースで参加回数を選べます。PICは週1回・金曜朝の固定リズム。生活に組み込む「型」が先に決まっています。
厳密さ:NICは出席義務も紹介ノルマもない、ルール最小限の設計。PICは欠席ルールやメインプレゼンといったBNI式の仕組みを持つとされ(参加者証言ベース)、型の強い設計です。皮肉なことに、名前の似た2つの会は、ルールの思想では両極に近い位置にいます。
公開性:ここが最大の違いです。NICは運営会社・拠点・規模・主催者の考え方まで公式情報が揃い、入会前に「検討材料」を集められます。PICは公式情報がほぼ皆無で、参加者の投稿という断片からしか姿を描けません。費用についても、NICが「拠点ごとに要確認」と公開のうえで線引きしているのに対し、PICは会費そのものが非公開です。
規模の見え方:NICは「2,000社超」という全体像が公表されています。PICは集合写真に約25名が写る程度の規模感は見えるものの、全体像は分かりません。
向いている人は誰か
交流会や経営者団体への参加についての相談は、令和の総合商社で受け付けています。 お問い合わせページからご相談ください。
NICが向いているのは、ノルマや義務に縛られず、中長期で信頼できる経営者仲間を増やしたい人です。拠点都市に活動基盤があり、「関係の深さ」に投資できる事業フェーズの経営者と相性がよいでしょう。
PICが向いているのは、週次の朝活リズムを事業の型にしたい人、BNI式の進行(プレゼン枠・出席ルール)に抵抗がない人、若めの層が集まる場に混ざりたい人です。ただしPICについては、公開情報だけでは検討が完結しません。参加者や紹介者から一次情報を取ることが、入会判断の前提になります。
ここには、交流会選び一般に通じる経営判断の話があります。会への参加は、人脈への投資です。公式情報が揃っている投資先は、費用対効果を事前に見積もりやすい。逆に情報が非公開の会は、公開情報だけでは判断できず、紹介者経由の一次情報こそが検討材料になります。どちらが良い悪いではなく、「自分がどの経路で情報を取りにいけるか」で、選べる会の幅が変わるのです。情報の公開性そのものが、その会の設計の一部だと言えます。

筆者の見方
NICとPICは、名前と番号制の形式こそ似ていますが、公開情報から読み取れる設計思想はかなり違います。NICは「情報を開き、ルールをゆるめる」会。PICは「情報は閉じているが、週次の型は強い」会です。
筆者もBNIのBRIDGETチャプターで活動していますが、交流会は会ごとに文化がまるで違います。名前の印象で選ばず、頻度・ルール・情報の取りやすさという「設計」を見て、自分と自社の事業に合う型を選ぶことが大切です。
経営者交流会の全体像や他の会との違いは、みんなの企業新聞の記事でも整理しています。あわせてご覧ください。
筆者が活動するBNI・BRIDGETチャプターについて
筆者は、BNIのBRIDGETチャプターで活動しています。BRIDGETチャプターの定例会は、毎週火曜日の夜19時から開催しています。紹介の仕組みを実際に見てみたい方は、見学も可能です(見学は2回まで)。興味がある方は、川口までお気軽にお問い合わせください。
出典
- コネクタービジョン株式会社 公式サイト(NICの拠点・会員数・運営会一覧)https://connector-vision.com/(2026年11月5日確認)
- コネクターギルド「NIC大阪 主催者インタビュー(桐山宏一さん)」(2026年11月5日確認)
- コネクターギルド「NIC横浜 主催者インタビュー(中島寛和さん)」(2026年11月5日確認)
- コネクターギルド 大阪府のビジネス交流会・経営者交流会一覧(NIC大阪 例会のビジター条件)(2026年11月5日確認)
- Instagram @rino_oka 投稿(PIC2の紹介、2026年1月31日)https://www.instagram.com/p/DULWb7tDy4N/(2026年11月5日確認)
- Instagram PIC2ゴルフコンペに関する投稿(2026年3月)https://www.instagram.com/p/DVnFaNYDzx2/(2026年11月5日確認)
- Facebook 吉岡弥寿恵 投稿(PIC横浜の定例会・ビジター参加費、2026年10月30日)https://www.facebook.com/100073356853054/posts/pfbid0uxa7pdf4EGVJd4hcy1gY6N77mtdgawP9tzJN5KNsPnfP4rQpCVkfVRrBtuZmVAxl/(2026年11月5日確認)
- Threads @nikudanhamamatsu 投稿(PIC3の説明、2026年7月30日)https://www.threads.com/@nikudanhamamatsu/post/DbabFaik_G0(2026年11月5日確認)
※PICについては公式サイト・公式発表が確認できなかったため、本記事のPICに関する記述はすべて参加者のSNS投稿に基づきます。PICの正式名称・運営者・会費は非公開(2026年11月5日時点)です。NICの会費は拠点ごとに異なるため、本記事では一律の金額を掲載していません。
あわせて、みんなの企業新聞の記事「ニーズマッチの会費はいくらか|月会費・参加費と支部の仕組み」もご覧ください。
徳億会とは?
徳億会は、株式会社いかしあい隊が運営する月例の経営者交流会です。着席型の食事会の形式で、「徳を積み重ねる本物の経営者の集い」を掲げています。徳億会会員の費用は、入会金110,000円・月会費36,300円・年会費435,600円(いずれも税込、公式表記)。ビジター参加の費用は回によって異なるため、最新の案内は株式会社いかしあい隊の公式サイトでご確認ください。
ATM会とは?
ATM会は、徳億会と同じく株式会社いかしあい隊が運営する月例の経営者交流会です。立食型の形式で、名前は「A=明るく、T=楽しく、M=前向きに」に由来します。いかしあい隊会員の費用は、入会金55,000円・月会費11,000円・年会費132,000円(いずれも税込、公式表記)。ビジター参加の費用は回によって異なるため、最新の案内は株式会社いかしあい隊の公式サイトでご確認ください。
交流会への参加・見学に興味のある方は、こちらからお問い合わせください。内容を確認のうえ、ご案内します。