BNIとは何か、うまく説明できる社長は意外と少ないものです。名前は聞いたことがあっても、紹介をもらう会なのか、ただの交流会なのか、中身が見えにくい団体です。
実は、公式の質問ページには、単なる交流会ではなく、マーケティング交流会だと書かれています。さらに、「怪しい」と言われることがあるという話まで、公式が自分から載せています。
そこで、この記事では、BNIとは何か、毎週の会の仕組み、向く社長と向かない社長、参加前に確かめることを、公式ページで確認できた範囲だけで整理します。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
BNIとは、先に結論:紹介を軸にした経営者の組織
まず、公式サイトの説明を、そのまま整理します。BNIは、1985年にアイヴァン・マイズナー博士により創立された、世界最大級のビジネス・リファーラル組織です。経営者や事業オーナーが、お互いにリファーラル、つまり紹介を提供し合うための仕組みと環境を用意しています。
先に結論を並べます。
- まず、メンバーは「チャプター」と呼ぶグループで、毎週ミーティングを開きます。
- 次に、チャプターには、各専門分野から1名しか入れません。
- さらに、紹介による報酬はないと、公式に書かれています。
- 最後に、入会前に、ビジターとして合計2回まで見学できます。
日本では、BNIジャパンに12,700人超のメンバーがいると、公式の質問ページに書かれています。数字の日付は、2026年6月1日現在です。
ただし、効果の約束は、公式ページでも筆者の文章でもしません。ここから先は、仕組みと、確認できたことだけを書きます。
BNIとは、どんな会か:毎週の会の仕組み
BNIとは、会の単位が「チャプター」の組織
活動の単位は、チャプターと呼ばれるグループです。公式は、チャプターで毎週ビジネスミーティングを実施し、リファーラルを提供し合って、ビジネスを生み出していると説明しています。
また、公式のビジター向けページでは、1つのチャプターの全国平均のメンバー数が、40名とされています。つまり、毎週同じ顔ぶれの経営者や専門家が集まる会です。
チャプターを探す
事前に見学を予約
ビジターで参加
費用の案内を聞く
申請と審査
BNIとは、各専門分野から1名だけの会
公式によると、チャプターへは、各専門分野より1名のみ参加できます。なお、競合する他社は参加できないルールだと説明されています。
そのため、同じ業種の人が同じ会にいない形になります。ただし、特化している専門分野が異なれば、似た業種でも加入できる可能性があると、公式の質問ページにあります。
BNIとは、紹介に報酬がない仕組み
公式のビジター向けページは、BNIはネットワークビジネスではないと答えています。その理由として、紹介による報酬はないことを挙げています。
また、BNIの理念は「与える者は与えられる」と説明されています。つまり、まず他の人のビジネスに貢献する、という考え方です。
会の細かい進め方は、チャプターで確かめる
また、公式ページでは、ミーティングのアジェンダは体系的に構成されている、と説明されています。ただし、開始時刻や所要時間、会場は、公式ページでは確認できませんでした。
チャプター検索では、曜日や時間帯、リージョン、チャプター名で探せます。なお、オンラインで開催するチャプターもあります。そのため、実際の開催の形は、見学するチャプターごとに確かめてください。
BNIとは、費用と入会までの流れ
BNIとは、費用が3種類ある会
公式の質問ページによると、メンバーには、入会時の登録費、年会費にあたるプログラム利用料、毎月のチャプター運営費がかかります。ただし、金額は国や地域で異なり、チャプターで確認する、とされています。
さらに、費用を含めた申し込みの詳細は、見学の後に案内される流れです。公式の質問ページには、金額は書かれていません。そのため、ここからは、筆者が確認した金額です。
筆者の確認では、入会費は55,000円です。また、年会費は約20万円です。一方で、毎回の運営費は、チャプターによって違います。
ただし、金額は、リージョンやチャプターの規定によって変わることがあります。したがって、正確な費用は、参加を希望するチャプターへの確認が必要です。
ビジターの参加費は、チャプターごとに違います
ビジターとして参加するときにも、費用がかかる場合があります。公式の質問ページによると、チャプターによって、参加費を集めるところと、集めないところがあります。
また、対面のミーティングでは参加費を集めるチャプターも少なくなく、オンラインでは集めないチャプターも少なくない、と書かれています。つまり、参加費は会場によって違い、参加するたびにかかる場合があります。筆者の確認では、1回につき1,000円です。事前に問い合わせて確かめるのが安心です。
入会には申請と審査があります
まず、継続して参加するには、メンバー登録の申請が必要です。そのうえ、公式によると、申込書に書いた内容にもとづき、適性や、他のメンバーと専門分野が重ならないかなどを審査します。
さらに、公式のビジター向けページには、継続的な参加には信用審査と面接を行う、とあります。つまり、誰でもすぐに入れる仕組みではありません。
BNIとは、向く社長と向かない社長
BNIとは相性が悪い、公式が挙げる5つの例
公式のビジター向けページは、BNIで上手くいかない例を、先に載せています。具体的には、次の5つです。
- 入会すれば、すぐに売り上げが上がると思っている人
- 自分の事業に自信が無い人
- 自分のメリットにしか関心がない人
- 仲間を信じ、応援したいと思えない人
- 言動が一致していない人
また、退会事例も載っています。紹介を受けられず、1年で退会した例です。一方、公式は、紹介でビジネスを広げるのは農耕に似ていて、すぐに結果が出るものではないと説明しています。さらに、すぐに成果を得たい人には、BNIではなく他のコミュニティを勧める、とも書いています。
BNIとは、向く社長の姿
上の図の左の列は、公式が挙げた向かない例の裏返しで、筆者の整理です。たとえば、毎週の会に通う時間を確保できて、自分の専門分野を一言で説明できる社長は、会の趣旨に合いやすいでしょう。
さらに、紹介を受けるだけでなく、出す側にもなれる人です。特に、公式は、紹介を受けた顧客や、紹介してくれたメンバーへの対応がぞんざいだと、継続的な紹介は得られなくなると書いています。つまり、信頼を積み重ねる姿勢が前提です。
向かない社長の姿と、別のやり方
反対に、すぐに売上がほしい社長や、毎週の時間を取りにくい社長には、向かない場合があります。また、公式の退会事例でも、毎週の定例会や研修に時間がとられる、という声が紹介されています。
とはいえ、これは優劣の話ではありません。経営者が出会う場には、ほかの形もあります。紹介という手段そのものの特徴は、別の記事でも整理しています。
別のサイト(はじめて商店街)のコラム「小さな事業の販路は?店舗・ネット・紹介・代理店を比べる」では、創業時のように経営資源が少ないときは効率の良い紹介を活用するのが基本だとされる一方で、紹介してくれる人がいなければ使えない点が一番の弱点とされている、と書かれています。
出典:はじめて商店街「小さな事業の販路は?店舗・ネット・紹介・代理店を比べる」
BNIは、この弱点に対して、毎週会う仲間をつくる仕組みだと言えます。ただし、仲間をつくる時間は、自分で用意する必要があります。紹介営業の型は、こちらの記事に書いています。
紹介営業の型。信用を借りる側が守る5つと、頼む前にそろえる3点セット【保存版】
BNIとは、入った人の本音では?参加者の声から見える裏側
公式の説明だけでは分からないのが、続ける負担と、成果の出方の差です。SNSやnoteに残る参加者・経験者の声を拾うと、BNIの裏側は、だいたい次のように語られています。なお、金額や運用の細部は、投稿された時点・所属チャプターのものです。現在の条件と違う場合があります。
毎週・早朝の拘束は、想像より重い
定例会は朝6時台に始まり、1時間半ほど続きます。参加はほぼ義務で、半年に3回以上休むと退会処分になる、という運用を体験者が記録しています(回数の数え方には、チャプターによる差があるようです)。現役メンバー自身が「朝はめちゃめちゃ辛い。タクシーを使っている」と書いていて、朝4時に起きて会場へ向かう様子を動画で残す人もいます。紹介の仕組み以前に、この生活リズムに慣れるかどうかが、最初の関門だという声です。
紹介は「週2件」が目安で、成果は業種で分かれる
メンバーには、週に2件の紹介(リファーラル)が目安として求められます。出しやすい紹介の工夫で回せるという声と、負担に感じるという声の、両方があります。
成果の出方も一様ではありません。半年所属したWeb制作者は「チャプター内では毎週何百万円という金額が動いている」と評価する一方、4ヶ月参加したBtoBコンサルタントは、最後まで1件も紹介をもらえなかったと記録しています。分かれ目は、自分の仕事が「誰に、どう紹介すればいいか」が他のメンバーに伝わるかどうかだ、というのが、複数の体験に共通する指摘です。
辞める理由は、成果より「扱われ方」だった
退会者20人に理由を聞いた調査記事では、共通点は売上ではなかったとされています。理由は「扱いが不公平」「理不尽だと感じた」「歓迎されていないと感じた」「約束を守ってもらえなかった」の4つに分類されていました。入会時に「顧客を繋ぐ」と言われたのに、入会後の紹介が0件だったという例も挙げられています。無償で回ってくる役職などの役割の負担が、辞めたくなるきっかけになったという声もあります。
費用面では、初年度にざっと30万円規模が必要だというビジターの試算があります。金額に加えて「毎週朝2時間の拘束で、その日は疲れて使い物にならなくなる」という体力面を理由に、入会を見送った人もいました。
それでも「毎週会うこと」が価値だった、という総括
一方で、2年余り活動して退会した人の記事は、入会前に身構えていた「毎週1回必ず参加する」という頻度こそが、信頼と紹介を生む核だったと振り返っています。長く現場を見てきた立場からの分析では、早期退会の原因は「人」ではなく、1to1や準備に時間を使う習慣へ変えられなかったことだと、されています。負担の重さと、成果を生む仕組みは、裏表だということです。
筆者の所属する東京NEリージョンのBRIDGET(ブリジット)チャプターでも、早朝・毎週という条件は同じです。それでも続ける人がいるのは、この頻度で顔を合わせるからこそ紹介が生まれる、という実感があるからだと、筆者は見ています。合うかどうかは、見学で朝の空気を体感するのが一番早い確認方法です。交流会の比較や、筆者の書いた記事は、こちらもあわせてどうぞ。
BNIとは何かを知ったうえで、参加前に確かめること
見学の決まり
まず、公式のチャプター検索ページには、見学の注意事項があります。具体的には、次のとおりです。
- 1加入前に、ビジターとして合計2回まで見学できる(同じチャプターでも、2つのチャプターでもよい)
- 2見学に招待は不要だが、チャプターに事前の見学予約を入れる
- 3当日は、ビジネスにふさわしい服装で参加する
- 4オンライン開催のチャプターは、地図上の場所が、開催場所の住所ではない
参加前の確認リスト
特に、見学の前に、次の点を確かめておくと、無駄がありません。
- ビジター参加費はいくらか(会場ごとに違い、参加のたびにかかる場合があります)
- 開催の曜日と時間、対面かオンラインか
- 毎週の出席が、自分の仕事の時間で回るか
- 自分の専門分野が、そのチャプターの他のメンバーと重ならないか
- 入会する場合の費用の中身(登録費・プログラム利用料・運営費)
また、公式の質問ページは、BNIを異業種交流会とは違うと説明しています。目的が人脈づくりだけではなく、自分のビジネスにどうつなげるかまで見る活動だからです。そのため、自分の事業を何で説明するかを、見学の前に一文で用意しておきましょう。
時間の使い方を先に決めます
実は、紹介は農耕に似ていると、公式も書いています。つまり、毎週の会に出る時間と、紹介を出す時間を、最初から予定に入れておく発想が要ります。
特に、営業の目標がある社長は、短い期間で結果を求めがちです。ただし、公式の説明は、長めの時間軸を前提にしています。そのため、見学の段階で、続けられそうかどうかを自分に問うておくとよいでしょう。見学は2回までできるので、最初は雰囲気を、次は通い続けられるかを見る使い方もあります。
BNI のビジター見学のご案内
筆者は、BNI の東京NEリージョン、BRIDGET(ブリジット)チャプターに所属しています。BNI のビジター(見学)で参加してみたい方は、このページ下のボタンから、お問い合わせください。「BNI のビジター希望」と書いていただければ大丈夫です。
来ていただきたい方
たとえば、次のような方に、見学に来ていただけたらうれしいです。
- 自分の仕事を、一言で説明できる経営者や事業主の方
- 紹介を受けるだけでなく、誰かに紹介を出すことも楽しめる方
- 毎週の会に通う時間を、組めるかどうか確かめたい方
- 入会を決める前に、まず自分の目で会の雰囲気を見たい方
反対に、すぐに売上を上げたいだけの方や、売り込みが目的の方は、会の趣旨と合わないかもしれません。この点は、公式ページが挙げる向かない例のとおりです。
問い合わせ方と見学の流れ
問い合わせの手順は、次のとおりです。
- 1このページ下のボタンから、問い合わせフォームを開く
- 2「BNI のビジター希望」と書く
- 3お名前、お仕事の内容を、一言添える
- 4見学の日程や段取りは、お返事のなかでお伝えする
なお、見学の予約は、公式の案内どおり、事前に入れる必要があります。また、見学は、ビジターとして合計2回までできます。
もちろん、見学したからといって、入会を急ぐ必要はありません。つまり、費用の中身を聞き、自分の仕事に合うかどうかを確かめてから、決めてください。紹介を軸にした会としては、BNIを見学するのも、ひとつの方法です。
ほかのコラムも、あわせてどうぞ
お金の学び(ウハウハ高等学校):開業資金の公的な相談先・融資制度4つ|借りる前に窓口で聞けること
営業・販路のコラム:コミッターズ コラム
筆者の記事:川口忠大のnote
蓄電池を知る(ENERGY BANK):系統用蓄電池の低圧・高圧比較|法人が費用と接続条件で選ぶ方法
導入先を比べる:系統用蓄電池メーカー比較|法人が製品・導入支援・保守を同じ条件で見る方法
お金の面を読む:系統用蓄電池の充電コストを読む|調達契約と託送料金
情報サイトのトップ:ENERGY BANK(系統用蓄電池の情報サイト)
運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):bni.jp、bni.jp(2)、bni.jp(3)、visitor.bni.jp
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。