年末商戦で注文が増える店では、返品の問い合わせも増えます。通販のクーリングオフは、その問い合わせで最初に混同される言葉です。
ただし、店の答え方は、ページに書いた返品の条件で変わります。さらに、書いていない条件は、問い合わせの場面で店の都合にはなりません。
この記事では、通販にクーリングオフがない理由と、返品特約の表示の点検を整理します。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
通販のクーリングオフ、先に結論
答えは、通販にクーリングオフはなく、返品は特約の表示で決まる、です。点検の要点は、次のとおりです。
- 通信販売には、クーリングオフの制度はありません
- 広告に返品の特約を表示していれば、その特約が優先します
- 特約の表示がなければ、引渡しから数えた期間で撤回や解除ができる扱いです
つまり、店の返品の答えは、売る前に書いた文で決まります。次に、特約がない場合の扱いから説明します。
通販のクーリングオフがないと、返品はどうなる?
まず、東京都の消費生活の案内では、通信販売にはクーリングオフ制度はありません、とされています。たとえば、訪問販売のような、契約のあとで無条件にやめられる仕組みとは別です。
また、特約の表示がない場合は、商品の引渡しを受けた日から数えて8日間以内であれば、契約申込みの撤回や解除ができます。さらに、その場合の返品の送料は、消費者が負担します。
通販のクーリングオフは、この特約の有無と並べて理解する言葉です。つまり、期間の数え方より先に、特約を書いたかが分かれ道です。
特約の表示
優先する条件
表示がない場合
特約は、店が決めて、書くもの
さらに、返品の条件は、店が決める部分です。たとえば、受け付ける範囲と、期間と、送料の負担を決めます。
また、決めた条件は、広告に表示する部分です。そのため、店の中で決めただけの条件は、買う側には届きません。
なお、条件の文は、商品ごとに分かれる場合があります。実は、名入れのような特注品と、通常の商品では、事情が違います。
最終確認の画面にも、同じ条件を置く
特約の文では、商品ページと注文の画面を分けます。たとえば、商品ページに書いた条件が、注文を確定する画面で見えなければ、買う側は途中で見落とします。
別のサイトのポチっと雑貨店長のコラム「ネットショップの返品特約の書き方、年末商戦前の5手順」では、返品の可否と期間と送料の負担を決め、商品ページの申込ボタンの近くに目立つ形で表示する手順が書かれています。
出典:ポチっと雑貨店長「ネットショップの返品特約の書き方、年末商戦前の5手順」
つまり、特約は、隠れた場所ではなく、申込みの場面で読める文です。そのため、売る側でも、特約を注文の流れの中で点検します。
また、仕入れた商品は売れるまで経費にならない記事でも紹介しましたが、戻ってきた商品は在庫の置き方も変わります。さらに、その置き方は、返品を受ける範囲の決め方とつながります。
通販のクーリングオフの問い合わせは、どんな順番で点検する?
モノ商材の仕入れや売り方についての相談は、令和の総合商社で受け付けています。 お問い合わせページからご相談ください。
まず、点検の順番は3つに分けます。特約の文を探すことが、最初の分かれ道です。
- 1まず、広告と商品ページに、返品特約の表示があるかを確かめます
- 2次に、注文の最終確認の画面に、同じ条件が出るかを確かめます
- 3最後に、問い合わせの答え方を、特約の文にそろえます
たとえば、点検にも型があります。最初に、特約の文を、価格の近くで探します。次に、文字の大きさと置き場所を、買う側の目で読みます。
そのうえで、文を、そのまま問い合わせの答えに使える形へ直します。特に、対象の範囲が、商品名で当てはまる文になっているかを確かめます。
なお、筆者は、返品の答えを、その場の判断で広げない運用にしています。また、広げた答えは、次の問い合わせの前提になります。
傷んで届いた品は、特約と分けて考える
答えは、不良の扱いは、自己都合の返品と分けて書く、です。傷んで届いた品や、注文と違う品は、返品特約の範囲だけで読みません。
そのため、特約の文の近くに、不良の場合の連絡先と手順を置きます。さらに、写真の送り方のような、確かめる材料も添えます。
一方で、不良の連絡まで特約の期間で閉じる書き方は、行き違いを生みます。つまり、理由ごとに、答えの入口を分けます。
通販のクーリングオフで、年末前に見る確認4項目は?
確認する項目は、次の4つです。
- 返品の可否と期間と送料の負担が、特約として表示されているか
- 対象の範囲が、どの商品かが分かる言葉で書かれているか
- 最終確認の画面にも、同じ特約が出ているか
- 不良の場合の連絡先と手順が、特約と分けて書かれているか
ここで大事なのは、問い合わせの前に文をそろえることです。注文が増えたあとでは、文の直しが対応に追いつきません。
モノ商材の仕入れや売り方についての相談は、令和の総合商社で受け付けています。 お問い合わせページからご相談ください。
つまり、年末の点検は、売る文と答える文をそろえる作業です。たとえば、特約の期間と、答え方の期間が違う店では、同じ問い合わせが繰り返されます。
モノ商材の仕入れや売り方についての相談は、令和の総合商社で受け付けています。 お問い合わせページからご相談ください。
なお、点検は、注文の画面を自分で進めて行います。実は、作った側の目では、埋もれた文に気づきにくいものです。そのため、最後の読み直しでは、特約の文を最初に探します。
贈り物の注文では、送る側と受け取る側で答えが分かれる
贈り物の文では、注文した人と受け取る人を分けます。たとえば、受け取る側から返品の相談が来る場面では、注文の条件を知らない前提で答えます。
また、送る側へ返すのか、受け取る側が手続きをするのかも、店ごとに分かれます。さらに、その分かれ方を特約の文に書いていない店では、電話の行き来が増えます。
そのため、贈り物の多い年末は、特約の近くに、贈り物の場合の手順も添えます。一方で、手順だけを別の場所に置く書き方は、探す側には届きません。
つまり、特約の点検は、買う場面だけでなく、贈る場面でも読み直す作業です。なお、その読み直しは、注文が増える前に終えます。
さらに、建設の現場へ納める商品でも、考え方は似ています。たとえば、納めた資材の戻しの条件は、注文の前に書く場面です。
また、その条件が口頭だけでは、現場と店の読み方が分かれます。そのため、取引先向けの販売でも、戻しの文を先に置きます。
通販のクーリングオフ、今日の最初の一歩
最初の一歩は、自店の特約の文を、商品ページで探すことです。まず、価格の近くに、返品の可否と期間と送料の負担があるかを確かめます。
次に、最終確認の画面でも、同じ文を探します。そして、見つからない文は、注文が増える前に足します。
さらに、点検した画面の一覧は、そのまま残しておきます。実は、次の年末商戦の前に、前の点検と今回の点検を比べる材料になります。
よくある質問
ここでは、通販のクーリングオフでよく聞かれる質問に答えます。
買う側からクーリングオフと言われたら、どう答えるのか、と聞かれます。答えは、通販にはその制度がないことを伝え、自店の特約の文を案内します。ただし、特約の表示がない場合は、期間の扱いが変わります。
特約は、利用規約のページだけに書けばよいのか、と聞かれます。答えは、商品ページと最終確認の画面でも読める形が要ります。特に、大事な条件は、申込みの場面で探せる文にします。
返品の送料は、店が持つほうがよいのか、と聞かれます。答えは、負担の決め方は店の判断です。大事なのは、決めた負担を、特約の文にそろえて書くことです。
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参考(外部サイト):自治体
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