年末になると、今年の商談を振り返りたくなります。ただ、手元の商談メモは、ノートとチャットとメールに散らかっていることが多いです。商談メモの整理が進まないと、振り返りは感想で終わります。
実は、散らかり方には型があります。相手の名前でしか探せない、結果が書いていない、次の一手が抜けている、の3つです。
この記事では、商談メモの整理の手順と、Museに渡すときの線引きを整理します。顧客情報を入れない形で、年末の振り返りに使える形にします。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
商談メモの整理、先に結論
先に結論です。商談メモの整理は、全部を写し直す作業ではありません。期間を決めて集め、名前と連絡先を外し、話題と結果で並べ替える作業です。
- 集める期間を先に決める
- 名前と連絡先は、渡す前に外す
- 並べ方は、相手の名前ではなく話題と結果
- 読み出しは、次の一手が決まる形で
つまり、振り返りの材料は、きれいな文章ではありません。探せる形と、比べられる形です。
期間を決める
名前を外す
話題で並べる
一手を読む
また、整理の途中で、メモの欠けも見えてきます。欠けは失敗ではなく、来年のメモの書き方を直す材料です。
振り返りが感想で終わる理由は、材料の並び方にあります。日付の順に並んだメモは、流れは追えますが、比べられません。一方で、話題と結果で並べたメモは、止まり方の型が見えます。型が見えると、来年の動きは感想ではなく、決め事になります。
商談メモの整理、手順の4つ
まず、集める範囲を決めます。今年の分だけに絞ると、量が見えます。次に、手元のメモを1か所に集めます。集める段階では、直しません。欠けが見えることも、振り返りの材料です。
名前を外してから渡す
集めたら、渡す前に名前を外します。担当者の名前、電話番号、メールアドレスは外します。一方で、公開済みの会社情報は、残してよいです。
さらに、金額の扱いも決めます。契約前の見積条件など、表に出ていない条件は外します。代わりに、商談の話題、相手の反応、決まったこと、止まった理由を残します。
話題と結果で並べ替える
並べ替えは、話題ごとです。たとえば、価格の話で止まった商談、担当者が変わって止まった商談、時期を見送った商談に分けます。分けると、止まり方の型が見えます。
筆者は、AIに集計や整理の担当を持たせています。判断材料の数字を先に出してもらい、そのうえで次の一手を決める進め方です。
別のサイトのおまかせ係長のコラム「予約・請求・問い合わせをオンライン化する手順」では、今のやり方を書き出して一覧にすると、手作業が多い場所が見えてくると書かれています。
出典:おまかせ係長「予約・請求・問い合わせをオンライン化する手順」
商談メモも同じです。まず一覧にすると、抜けている項目が見えてきます。
読み出しは、決めたことのリストに
並べ替えたら、最後に読み出します。読み出しで作るのは、来年に向けた決めたことのリストです。たとえば、止まった理由が多かった話題は、来年の提案の順番を上げます。逆に、反応がよかった話題は、最初に持っていく型として残します。
また、読み出しの結果は、短く残します。長い総括は、年が明けると読まれません。決めたことと、その理由が1行ずつ残っていれば十分です。なお、決めたことには、やめることも入れます。やめることが決まると、来年の動き出しが軽くなります。
たとえば、従業員が少ない会社(仮の例です)が、年末の半日でこの整理をするとします。午前は集めて名前を外し、午後は話題と結果で分けて読み出す、という進め方です。半日で終わる理由は、全部を写し直さないからです。集める、外す、分ける、読む、の4つに絞るからこそ、年末の忙しさの中でも回ります。
商談メモの整理で守る線引き、3つ
個人情報保護委員会は、令和5年6月2日の注意喚起で、事業者が生成AIサービスに個人情報を入力するときは、利用目的を達成するために必要な範囲かを確認するよう求めています。さらに、本人の同意なく入力し、別の目的で扱われる場合は、法律に違反する可能性があるともしています。
線引きは、次の3つです。
- 入れない:担当者の名前、電話番号、メールアドレス、住所
- 入れない:未公開の見積条件や、取引先だけが知る事情
- 入れてよい:公開済みの会社情報、名前を外した商談の流れ、決まった結果
なお、Museは、MetaのパーソナルAIエージェントです。日本では2026年10月23日から提供が始まりました。便利さの前に、渡す材料の線引きを先に決める順番が大事です。
さらに、渡したあとの記録も残します。何を渡して、何が返ってきたかを、社内のメモに残す形です。記録があれば、あとから読み返したときに、判断の根っこがたどれます。逆に、記録がないと、まとめの文だけが残り、元のメモと合っているか確かめられません。
特に、線引きは、担当が変わっても同じになるよう、文で残します。口頭の申し送りだけでは、人によって外す範囲がずれるからです。
商談メモの整理、よくある質問
「会社名まで外さないとだめ?」と聞かれます。答えは、公開済みの会社情報は残してよい、です。外すのは、個人が分かる名前と連絡先です。
「金額を入れないと、振り返りにならない?」と聞かれます。答えは、金額そのものより、止まった理由のほうが効く、です。来年の動きを決める材料は、反応と理由です。
「Museのまとめを、そのまま来年の計画にしてよい?」と聞かれます。答えは、そのままにはしない、です。まとめは下書きとして使い、元のメモで裏を取ってから決めます。筆者は、報告を採用するときも、一次情報で確かめる決まりにしています。
年末の振り返り、今日からできる最初の一歩
営業の数字の見直し方は、10月に営業の数字を見直す視点の記事でも紹介しましたが、年末は数字の前にメモをそろえると、数字の読み違えが減ります。
今日できる一歩は、今年の商談メモを1か所に集めることです。直すのは、そのあとです。次に、名前を外し、話題と結果で分けます。最後に、止まった理由の多い話題を、来年の最初の提案に変えます。
なお、迷ったときは、止まった理由が書いてあるメモから読みます。理由が書いていないメモは、来年のメモの書き方を直す材料として、別に分けます。このように、集めたメモは、読む材料と直す材料に分かれます。
Museについて気になることは、遠慮なく聞いてください。
合わせて読みたい
営業の数字の見直し方の記事です。
10月に営業の数字を見直す5つの視点。後半戦の売上を作る保存版
ほかのコラムも、あわせてどうぞ
お金の学び(ウハウハ高等学校):開業資金の公的な相談先・融資制度4つ|借りる前に窓口で聞けること
営業・販路のコラム:コミッターズ コラム
筆者の記事:川口忠大のnote
蓄電池を知る(ENERGY BANK):系統用蓄電池の低圧・高圧比較|法人が費用と接続条件で選ぶ方法
導入先を比べる:系統用蓄電池メーカー比較|法人が製品・導入支援・保守を同じ条件で見る方法
お金の面を読む:系統用蓄電池の充電コストを読む|調達契約と託送料金
情報サイトのトップ:ENERGY BANK(系統用蓄電池の情報サイト)
運営元:コミッターズ
令和の総合商社では、有形無形問わずに大手商社が行わないマーケティングで貴社の販路を開拓します。本気で販路を拡大したい方には60分間無料で相談に乗らせていただきます。
参考(外部サイト):about.fb.com、個人情報保護委員会
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。