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2026.11.03

年末の食品ロス対策は予約と売りきり。事業系237万トンの数字から考える小さな店の段取り

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公開日:2026.11.03 / 更新日:2026.11.08 / カテゴリー:食品ロス・備蓄・寄付
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食品を扱う店にとって、年末商戦は売る力が試される時期です。年末の食品ロス対策を後回しにすると、売れ残りはそのまま捨てる量になって返ってきます。作る量の決め方でつまずくと、忙しさの中で廃棄だけが増えます。

まず、数字の大きさを確認します。消費者庁の公表では、2024年度の食品ロス量は461万トンで、このうち事業系食品ロス量は237万トンです。大きな数字ですが、現場で効くのは、自分の店で何が余るのかの記録です。

この記事では、年末の食品ロス対策を、予約で量を絞る段取りと、期限に近い食品から売りきる工夫に分けて整理します。さらに、期限を過ぎた食品は売らないという線引きも書きます。

野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。

年末の食品ロス対策、先に結論

結論から言うと、対策は、作る量を前もって絞ることと、余りそうな食品の出口を先に決めることです。まず、予約と去年の売れ行きで、作る量の上限を決めます。次に、売りきりの工夫と、残った場合の扱いを決めます。

たとえば、注文が入ってから作る分は、行き先が決まっています。そのため、年末の食品ロス対策では、予約で受け付ける枠を先に置き、店頭分は控えめに作る形が向いています。一方、その場の勢いで作り足す分は、余る側に寄りやすくなります。

そのため、順番が大切です。売る量の見込みを先に置き、作り足しは売れ行きを見てから決め、最後は記録を見て翌日に直します。この順番なら、忙しい日でも判断がぶれません。

年末の食品ロス対策の材料は3つ

まず、量を決める材料は、去年の売れ行きと、今年の予約と、天気や曜日の並びの3つです。次に、材料がない部分は、感覚で補わないことも決めます。なお、線引きは、商戦が始まる前に決めるほうが安全です。

量を決める材料
1

記録

去年の売れ行きと余った量
▼
2

予約

今年の注文の入り方
▼
3

並び

天気と曜日の並び

まず、記録は、品目ごとに売れた量と余った量を残したものです。次に、予約は、今年の注文の入り方そのものです。また、並びは、帰省や買い出しの動きが変わる材料です。さらに、材料がそろわない品目は、初めから作る量を控えめに置きます。

一方で、売り切れを恐れて多めに作る判断は、年末ほど出やすくなります。そのため、上限を決める役と、作り足しを決める役を分けておきます。特に、閉店が近づいてからの作り足しは、売れる時間そのものが短くなります。

なお、環境配慮の文面の確認を扱った記事でも紹介しましたが、大きな言葉だけの案内は、読み手に中身が伝わりません。年末の食品ロス対策も同じで、言葉より先に、量の記録と予約の枠が要ります。つまり、対策は、案内の文面ではなく、作る量の決め方から始まります。

仮の例:折り詰めを作る小さな店の場面

たとえば、年末に折り詰めを作る小さな店があるとします。これは仮の例です。材料は、去年の売れ行きの記録と、今年の予約の入り方と、受け渡しの日ごとの注文の偏りです。

この場合、書けるのは、予約分と店頭分の分け方までです。また、店頭分をどこまで作り足すかは、当日の売れ行きを見てから決めます。つまり、材料が少ない品目は、少ない情報のまま控えめに置く形です。反対に、根拠のない見込みで量を膨らませることはしません。

予約の締め方で、作る量は変わります

予約の受け付け方でも、作る量の確かさは変わります。たとえば、受け渡しの日時と数量を聞く形では、作る量は日にちごとに固まります。一方で、日時を聞かない形では、作る量は当日の勢いに寄ります。

そのため、予約では、品目と数量と受け渡しの日時をそろえて聞きます。また、変更や取り消しの連絡の受け方も、先に伝えます。つまり、予約の聞き方がそろうほど、年末の食品ロス対策は作る現場で効いてきます。反対に、聞き方が人ごとに違う予約は、量の見込みを曇らせます。

年末の食品ロス対策は3手順で進めます

では、手順を3つに分けます。はじめに、品目ごとに上限を決めます。次に、期限に近い食品から売る工夫を置きます。最後に、その日に余った量を記録します。

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作る前の決め事と、当日の動き
場面
先に決める
当日見る
量
品目ごとの上限
売れ行きと予約の残り
売方
期限に近い順の案内
値引きのタイミング
記録
余った量の書き方
翌日の上限への反映

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1つ目は、上限です。品目ごとに、作る量の上限を決めます。次に、2つ目は、売りきりの工夫です。期限に近い食品から買うよう促し、値引きなどで売りきる形を置きます。

そして、3つ目は、記録です。その日に余った量を、品目ごとに残します。なお、筆者は、記録の残し方を先に決めておく進め方を取っています。さらに、記録は翌日の上限に反映させます。そのため、対策は、商戦の間にも少しずつ直っていきます。

別のサイトのちょいエコ部のコラム「余剰食品の販売を始める前の確認点|小さな店向け4項目」では、国の基本方針に「値引きやポイント付与で売りきる取組が示されています」と書かれています。

出典:ちょいエコ部「余剰食品の販売を始める前の確認点|小さな店向け4項目」

この考え方は、年末の食品ロス対策でも同じです。売りきりの工夫は国の方針にもある取り組みですが、衛生や表示の決まりが緩くなる話ではありません。なお、売りきる話と、期限を過ぎた食品を売る話は分けます。期限の扱いは、次の項目で確かめます。

判断を誤らないための4項目

では、確認を4つに分けます。はじめに、期限を見ます。次に、表示を見ます。さらに、量の上限と、残った食品の出口を見ます。

売りきりの前に確かめること
期限
消費期限と賞味期限の扱い
表示
詰め合わせの外装とアレルゲン
量
品目ごとの上限の有無
出口
寄附など残った場合の行き先

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1つ目は、期限です。消費期限と賞味期限では、扱いの重さが違います。次に、2つ目は、表示です。袋や箱に詰め合わせる場合は、外装の表示と中身が合っているかを見ます。

そして、3つ目は、量です。上限を超えた作り足しがないかを見ます。また、4つ目は、出口です。売りきれなかった食品の行き先は、先に決めておきます。

期限を過ぎた食品は、売りきりの対象に入れません

なお、期限を過ぎた食品は、売りきりの対象には入れません。期限の付け直しも行いません。そのため、売りきりの工夫は、期限の中で使う工夫として置きます。

さらに、古い案内の使い回しも見直します。去年と今年では、品目も期限の並びも変わります。つまり、売りきりの案内は、作って終わる紙ではありません。

年末の食品ロス対策、出す前の点検

年末の食品ロス対策で最後に残るのが、出す前の点検です。点検は、短い時間で終わります。はじめに、上限の決まっていない品目がないかを見ます。次に、期限と表示の書き方を見ます。さらに、売りきりと判断が分かれているかを見ます。この点検を通った品目だけを、商戦の表に出します。

よくある質問

「売り切れが出ると困るので、多めに作るべきですか」と聞かれます。答えは、上限を決めたうえで、当日の売れ行きを見て作り足します。上限のない作り足しは、余る側に寄ります。

「値引きすれば、何でも売りきれますか」と聞かれます。答えは、期限の中で、表示が中身と合っている食品に限ります。なお、期限を過ぎた食品は対象にしません。そのため、値引きは、期限と表示の確認のあとに置きます。

「記録は、忙しい年末でも残せますか」と聞かれます。答えは、品目と余った量だけの短い形なら残せます。そのため、記録の形は、現場で書ける分量に絞ります。

年末の食品ロス対策、今日からできる最初の一歩

今日できるのは、いちばん余りやすい品目を1つ見ることです。はじめに、その品目の上限が決まっているかを見ます。次に、上限の決まっていない品目を、作り足しの判断から外します。

また、現場の目で見ると、余った量の記録は次の商戦への申し送りにもなります。そのため、出どころを聞かれて即座に記録を出せる店は、仕入れの相談でも話が早くなります。

なお、記録は、商戦が終わるごとに直せます。そのため、型を持つ店ほど、次の年末の段取りが速く、正しくなります。年末の食品ロス対策の型が残ると、担当が替わっても量の決め方はぶれません。食品ロスの進め方について気になることは、遠慮なく聞いてください。

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参考(外部サイト):消費者庁

※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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