取引先から、環境アンケートが届きました。設問は、省エネ、ごみの分け方、再エネの利用などです。SDGsの回答文を一から書く時間は、なかなか取れません。そこで、社長の頭に浮かぶのが、AIに下書きを頼む方法です。
まず、使える道具は身近になっています。Metaの発表では、Museは日本で2026年10月23日から提供が始まりました。また、アプリと muse.ai で使える形です。ただし、下書きを頼めることと、そのまま送れることは別の話です。
この記事では、SDGsの回答文の下書きをMuseに頼む手順を書きます。さらに、やっていない取り組みを書かない線引きも整理します。つまり、速く書く方法と、盛らない方法をセットで持ち帰れます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
SDGsの回答文をMuseで下書きしてよい?先に結論
結論から言うと、下書きなら使えます。ただし、送る文の決定は人が行います。まず、Museに任せるのは、文の形を整える作業です。次に、事実の確認は、記録を持っている人の仕事です。
たとえば、書き出しが思いつかない設問は多いです。そのため、たたき台があると、作業は進みます。一方で、AIは、自社がやっていない取り組みも、もっともらしく書けます。特に、ここが危ない点です。
そのため、順番が大切です。材料を分けて渡し、数字は記録と照らし、最後は人が直します。この順番なら、下書きの速さだけを得られます。
SDGsの回答文、Museに何を渡す?材料の分け方
まず、渡す材料は、設問と、自社の記録と、進み具合の3つです。次に、渡さない材料も、先に決めます。なお、線引きは、作業の前に決めるほうが安全です。
まず、設問の文面は、そのまま渡します。次に、言い換えて渡すと、聞かれていないことに答える文になります。また、自社の記録は、検針票や請求書から作った表が向きます。さらに、進み具合は、始めた時期と担当までで十分です。
一方で、個人情報は渡しません。個人情報保護委員会も、生成AIへの入力では、個人情報の扱いに注意を促しています。そのため、名前や連絡先は外してから渡します。特に、取引先の未公開の条件も、外しておきます。
仮の例:小さな印刷会社に届いた設問
たとえば、従業員が数人の印刷会社に、環境アンケートが届いたとします。これは仮の例です。設問は、電気の使用量、ごみの分け方、省エネの取り組みの3つでした。
この場合、渡すのは、設問の文面と、電気の使用量の記録表です。また、省エネは、照明を替えた時期だけを伝えます。つまり、事実の材料は少なくて足ります。反対に、会社の自慢話は、材料に入れません。
答えた文は、台帳に残しておきます
なお、送った文は、台帳に残すと次が楽です。設問の文面と、送った文と、根拠の資料の場所を、並べて残します。そうすると、別の取引先から似た設問が届いても、同じ答えを短い時間で出せます。
また、台帳があると、答えのずれも減ります。取引先ごとに言うことが違う状態は、避けたい状態です。さらに、見直しの時期も台帳に書いておきます。取り組みが進んだら、文も直す形です。
下書きは5手順で進めます
では、手順を5つに分けます。はじめに、設問を分けます。次に、材料を渡します。さらに、下書きを作り、記録と照らし、人が直して送ります。
設問を分ける
材料を渡す
下書きを作る
記録と照らす
人が直して送る
手順の1つ目は、設問の仕分けです。設問ごとに、やっている、始めた、まだのどれかを決めます。次に、2つ目は、材料の受け渡しです。仕分けの結果と記録表を、セットで渡します。
そして、3つ目は、下書きづくりです。Museには、材料にあることだけを文にするよう伝えます。また、4つ目は、照らし合わせです。下書きの数字と日付を、記録表と1つずつ比べます。
最後に、5つ目は、人の仕上げです。担当が読み直し、違う点は直してから送ります。なお、筆者は、Museに実行と管理の担当を持たせています。さらに、下書きは先に見せてもらい、承認してから送信や投稿に進める運用です。
頼み方の一文は、短く伝えます
頼み方にも、型があります。設問と、材料と、書いてよい範囲を、短く伝える型です。たとえば、材料にある事実だけで書くよう伝える一文を入れます。また、数字は材料の数字だけを使うよう伝える一文も入れます。
さらに、材料にない取り組みは、未実施と書くよう伝える一文が効きます。こうした指定があると、下書きが勝手に広がる場面は減ります。一方で、指定を入れても、確認は省けません。出来上がった文は、材料と照らして読む形です。
やっていない取り組みは書かない。3つの線引き
ここからは、線引きを3つ書きます。はじめに、やっていない取り組みは、文にしません。次に、数字は実測だけを使います。最後に、裏の取れない文は消します。
1つ目は、取り組みの有無です。やっていないことは、「未実施です」と書きます。また、始めたばかりなら、始めた時期を添えます。つまり、進み具合を、そのまま書く形です。
2つ目は、数字の扱いです。数字は、記録表や請求書にある実測だけを使います。一方で、目標の数字を、実績のように書くことはしません。たとえば、減らしたい量と、減った量は、別の話です。
3つ目は、裏の取り方です。AIの文は、自信がありそうに見えます。ただし、根拠の資料が手元にない文は、消します。そのため、送る前に、文ごとに資料があるかを見ます。
別のサイトのちょいエコ部のコラム「環境配慮の表示で気をつけたい言葉づかい」では、「何をどれだけ改善したのかを具体的に添えることが基本になります」と書かれています。
出典:ちょいエコ部「環境配慮の表示で気をつけたい言葉づかい」
この考え方は、回答文でも同じです。つまり、漠然とした立派な文より、具体的な記録の文が残ります。書く側の注意は、こちらの記事にもまとめています。
「環境にやさしい」と書く前に。営業文面を守る3つの確認【保存版】
SDGsの回答文についてよくある質問
「設問が多くて、全部をMuseに任せてよいですか」と聞かれます。答えは、任せるのは下書きまで、です。設問の仕分けと、最後の確認は、人が行います。
「やっていることが少なくて、答えが短くなります」と聞かれます。短い答えでも、困りません。始めた時期と、次の見直しの時期を添えると、短い文でも伝わります。
「Museに自社の自慢を入れてよいですか」と聞かれます。入れてよいのは、資料で裏の取れる話だけです。自社の実績をAIに盛らせる使い方は、しません。なお、裏の取れない自慢は、あとの質問で崩れます。
今日からできる最初の一歩
今日できるのは、届いているアンケートを1つ開くことです。はじめに、設問に、やっている、始めた、まだの印を付けます。次に、記録表がある設問だけ、下書きを頼みます。
また、営業の目で見ると、回答文は取引先への説明の場です。そのため、速く返せて、根拠のある文は、安心につながります。
なお、この作業は、一度で終わりません。取引先が増えると、似た設問がまた届きます。そのため、台帳と型を持つ会社ほど、返す速さが上がります。速さと正確さがそろうと、営業の会話でも話が早くなります。コーナー全体の歩き方は、こちらです。
「SDGsコーナー」の歩き方。SDGsで事業がどう変わるかと、事業に合う取り組みの選び方
Museについて気になることは、遠慮なく聞いてください。
ほかのコラムも、あわせてどうぞ
お金の学び(ウハウハ高等学校):家の屋根の太陽光は、電気をいくらで売れる?2026年度の住宅用の買取価格
営業・販路のコラム:コミッターズ コラム
筆者の記事:川口忠大のnote
蓄電池を知る(ENERGY BANK):系統用蓄電池メーカー比較|法人が製品・導入支援・保守を同じ条件で見る方法
導入先を比べる:系統用蓄電池の低圧・高圧比較|法人が費用と接続条件で選ぶ方法
お金の面を読む:系統用蓄電池の充電コストを読む|調達契約と託送料金
情報サイトのトップ:ENERGY BANK(系統用蓄電池の情報サイト)
運営元:コミッターズ
令和の総合商社では、有形無形問わずに大手商社が行わないマーケティングで貴社の販路を開拓します。本気で販路を拡大したい方には60分間無料で相談に乗らせていただきます。
参考(外部サイト):about.fb.com、個人情報保護委員会
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

