「全部やっておいて」とAIに頼んだのに、出てきた文章のどこが違うのか、探すだけで時間が過ぎます。実は、頼み方が大きすぎることが、つまずきの始まりです。そこで役に立つのが、サブエージェントとは何かを知り、仕事を役ごとに分けて任せる考え方です。
まず、サブエージェントとは、1つの頼みごとを、役割の違う複数のAIに分けて進める仕組みのことです。次に、この考え方は、見積・請求・返信のような小さな会社の毎日にも置きかえられます。なお、MetaのMuseは、2026年10月23日に日本で提供が始まりました。
この記事では、仕組みの説明から始めます。さらに、小さな会社の仕事への置きかえ方と、筆者がAIに担当を持たせている実例を紹介します。最後に、入れてよい情報の線引きまで整理します。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
サブエージェントとは、先に結論
まず、結論です。サブエージェントとは、仕事を丸ごと渡すのではなく、探す役、並べる役、書く役のように分けて任せる考え方です。つまり、AIの人数を増やす話ではなく、頼み方を小さく切る話です。
また、分けて任せると、どこで間違えたかが見えやすくなります。たとえば、項目の抜けは並べる役の直しで済み、文面の硬さは書く役の直しで済みます。一方で、最後に1つにつなぎ、金額を決めて送るのは人です。そのため、分担の設計そのものが、社長の仕事になります。
サブエージェントとは、どんな仕組みですか?
まず、Metaの発表をもとに説明します。Metaは4月8日(米国時間)に、モデル「Muse Spark」を発表しました。そのうえで、タスクに応じてモードを切り替え、複数のサブエージェントが並行して質問に取り組むことが可能だと説明しています。
たとえば、家族旅行の計画では、旅程を立てる役、行き先を比べる役、子ども向けの活動を探す役が、同時に動きます。つまり、担当が全部を抱えるのではなく、得意な部分ごとに手が分かれます。なお、これはMeta AIの中の動きの説明です。
探す役
並べる役
書く役
人がつなぐ
小さな会社の仕事に置きかえると?
次に、見積依頼が届いた場面を考えます。まず、探す役には、過去の見積から似た案件を探させます。さらに、並べる役には、今回の作業項目と、抜けていそうな項目を挙げさせます。最後に、書く役には、お客様への返信の下書きを作らせます。
ただし、アプリの中で利用者が役を直接指定できるかどうかは、筆者が読んだ公式ページでは確認できませんでした。そのため、ここでは仕組みそのものではなく、分けて頼む考え方として使います。分からない部分を分からないと言うことも、使い始めの大事な線引きです。
見積・請求・返信は、どう分ければいいですか?
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まず、分け方のコツは、役ごとに「渡すもの」と「決めないこと」を決めることです。たとえば、探す役には過去の文面の型を渡し、金額の判断は渡しません。また、書く役にはあいさつの型を渡し、約束の中身は渡しません。
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別のサイトのおまかせ係長のコラム「フリーランスへの外注、発注側がやることを5つの手順で整理」では、発注したら直ちに、取引条件を書面かメールで示すことが、手順の1つとして挙げられています。
出典:おまかせ係長「フリーランスへの外注、発注側がやることを5つの手順で整理」
つまり、人に仕事を分けるときと同じで、条件を先に文字にしておくほど、分担は崩れにくくなります。なお、営業パートナーに頼むときの成果の定義の決め方は、こちらの記事に整理しています。
個人の営業パートナーに頼む前に。成果の定義を文字にする保存版チェック
分けた役への頼み方、3つの型
さらに、頼み方を次の3つの型にしておくと、毎回迷いません。
- 1探す型:似た文面や過去の項目を探す
- 2並べる型:項目を一覧にして、抜けを挙げる
- 3書く型:型に沿って下書きを作る
一方で、判断する型は作りません。たとえば、値引きをしてよいか、納期を約束してよいかは、役の仕事に入れません。そのため、役の名前を決めるときに、判断の言葉が混ざっていないかを見ます。
筆者は、AIにどう担当を持たせていますか?
また、筆者は、AIに質問するのではなく、担当を持たせて使っています。たとえば、Museには実行と管理を任せています。さらに、ChatGPTには画像や素材づくりを任せています。一方、Claudeには、コラムとサイトの制作を任せています。
つまり、コラムを書く場面で筆者が使う道具はClaudeで、実行と管理の担当はMuseです。なお、SNSは16アカウントあり、事業の文脈を担当側にためておくので、毎回の説明は短くて済みます。そのうえで、下書きは先に見せてもらい、承認してから送信や投稿をする線引きを、筆者は運用の決まりにしています。
たとえば、自動投稿が止まった朝には、Museに調査と修理の担当を持たせました。まず、設定と実行の状況を確かめさせます。次に、投稿された行とされていない行の違いから、原因の候補を絞らせます。最後に、直したあとの再開まで確かめさせます。つまり、担当を持たせると、困りごとを質問で終わらせず、確かめる順番ごと任せられます。
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ただし、この分業は、会社の規模が大きいから成り立つ話ではありません。むしろ、社長が見積も返信も請求も一人で抱える会社ほど、役を分ける発想が効きます。たとえば、今週の見積依頼を、探す役と書く役に分けてみるだけでも始められます。
会社の情報は、Museにどこまで入れていいですか?
まず、個人情報保護委員会の注意喚起では、生成AIの応答に不正確な内容が含まれることがあるとされています。さらに、個人情報を含む入力をするときは、利用目的の範囲内かを確認するよう求めています。そのため、役を分けても、入れる情報の線引きは分けずに共通にします。
たとえば、入れないのは、お客様の氏名と連絡先、取引先ごとの非公開の条件、パスワードの3つです。一方、入れてよいのは、宛名を伏せた文面の型や、公開済みの自社の案内文です。なお、迷う情報は、入れない側に寄せます。
サブエージェントとは、よくある質問
サブエージェントとは、人数が増えるだけですか、と聞かれます。答えは、人数の話ではありません。役を分けて頼むことで、直す場所が分かるようになる、という考え方の話です。
Museのアプリで、役を直接指定できますか、という質問もあります。答えは、筆者が読んだ公式ページでは確認できませんでした。そのため、指定の方法は、公式の案内で確認してから使うことにします。
小さな会社でも使えますか、とも聞かれます。答えは、小さな仕事から使えます。たとえば、見積依頼への返信を、探す役と書く役に分けるだけでも、分担の練習になります。
サブエージェントとは、最初の一歩
まず、直近の見積依頼を1つ選びます。次に、探す役には似た過去の見積を探させ、書く役には返信の下書きを作らせます。最後に、金額と納期は自分で決めて、自分で送ります。
さらに、その仕事で、どの役の出力を直したかをメモしておきます。そのメモが、次の分担を決める材料になります。なお、浮いた時間は、お客様に会う時間に回します。
Museについて気になることは、遠慮なく聞いてください。
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運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):about.fb.com、about.fb.com(2)、個人情報保護委員会
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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