自社でサブスクや定期のサービスを売っている会社ほど、サブスクの解約案内は後回しになりがちです。実は、申し込む画面は磨かれていても、やめる画面だけ古いまま残っている例は少なくありません。
年末は、料金の改定やプランの入れ替えが重なる時期です。さらに、申込みが増える時期でもあります。つまり、サブスクの解約案内の点検は、申込みが増える前に済ませる作業です。
この記事では、サブスクの解約案内で見る項目を整理します。さらに、申込みの最終確認画面と、解約を受け付ける案内文のそろえ方もまとめます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
サブスクの解約案内は、先に結論
まず、結論です。サブスクの解約案内は、申込む前に読める場所に、解約の方法と申出の期限と不利益の有無をそろえて置く形が基本です。つまり、解約の条件は、問い合わせが来てから答える話ではなく、先に示す話です。
消費者庁の広報資料では、令和4年6月1日以降、誤認させる表示により申し込んだ消費者は、契約を取り消せる場合があるとされています。そのため、表示の分かりにくさは、評判の問題にとどまりません。一方、分かりやすい案内は、解約のときの問い合わせそのものを減らします。
たとえば、解約の入口が申込みの画面からたどれる会社では、やめ方の質問は少なくなります。反対に、規約の奥にだけ書かれた条件は、読まれないまま問い合わせになります。つまり、サブスクの解約案内は、置き場所まで含めて設計するものです。
サブスクの解約案内で見る3項目
まず、点検の項目は3つです。1つ目は、解約の方法です。次に、2つ目は、申し出る期限です。さらに、3つ目は、途中でやめるときの不利益の有無です。
まず、方法では、どの窓口で受け付けるのかを書きます。たとえば、画面の手続きだけで終わるのか、連絡が要るのかを分けます。次に、期限では、いつまでに申し出ると次の支払が止まるのかを書きます。さらに、不利益では、途中でやめると生じる負担がある場合に、その内容を書きます。
別のサイトのポチっと雑貨店長のコラム「定期購入の表示と最終確認画面の点検手順」では、解約の条件は、自店の約束どおりに「申込む前に読める場所へ置きます」と書かれています。
出典:ポチっと雑貨店長「定期購入の表示と最終確認画面の点検手順」
この考え方は、サブスクの解約案内でも同じです。なお、申込みの画面と解約の案内文で、条件の書き方がずれている場合は、申込みの画面の側を先に直します。
最終確認画面と、案内文をそろえます
次に、申込みを確定する直前の画面と、解約の案内文を見比べます。まず、自動で更新される契約なら、その旨が画面に出ているかを見ます。さらに、無料の期間が終わると有料に移る契約なら、移る時期と金額の示し方を見ます。たとえば、申込みの画面では簡単にやめられると読めるのに、案内文では条件が重く書かれていると、読み手は食い違いを感じます。
また、記録の残し方を扱った記事でも紹介しましたが、画面の条件は、直した日と一緒に記録しておくと、あとで確かめやすくなります。サブスクの解約案内も、直した画面と日付をそろえて残す形が向いています。
自社メディアのAntithesisのコラムでは、サブスクの解約は本当に分かりにくいのかを、利用者の側から検証しています。
提供する側の点検と、利用する側の見え方を並べると、自社の案内の弱い場所が見えてきます。なお、読むときは、自社の画面と見比べる材料として使う形が向いています。
年末の改定と、サブスクの解約案内
まず、年末に料金やプランを変える会社は、その変更と解約の案内を一緒に直します。次に、変更を知らせる文面には、変更の時期と、やめたい場合の手続きの入口を添えます。さらに、窓口の案内文も、変更後の条件にそろえます。
たとえば、変更の知らせだけを送り、解約の入口を添えない会社では、窓口への質問が増えます。一方、入口まで添えた知らせでは、読み手は自分の手続きを自分で進められます。つまり、変更の知らせとサブスクの解約案内は、別々の文面ではなく、続きの文面として作ります。
また、案内文の言葉もそろえます。たとえば、解約と退会と終了のように、同じ手続きに違う言葉が混ざると、読み手は別の手続きだと受け取ります。そのため、手続きの名前は1つに決め、画面と文面と窓口の返事で同じ言葉を使います。
定期の点検や保守のサービスでも、型は同じです
さらに、定期の点検や保守のように、訪問が続くサービスでも、点検の型は同じです。まず、やめたい場合の連絡の入口を、契約の案内と同じ場所に置きます。次に、次の訪問や次の支払の前に申し出る期限を書きます。さらに、途中でやめるときに精算がある場合は、その扱いを先に示します。
たとえば、建設設備の定期点検を請けている会社では、解約の連絡が現場の担当者にだけ届き、事務所の請求とずれることがあります。一方、入口と期限が案内文にそろっている会社では、連絡は窓口に集まり、請求の止め忘れも減ります。つまり、サブスクの解約案内は、画面の話であると同時に、社内の連絡の型でもあります。
また、窓口の返事にも型を用意します。まず、受け付けたことを伝えます。次に、手続きが終わる時期と、最後の支払の扱いを伝えます。なお、担当ごとに言い回しが違うと、同じ内容でも読み手の受け止め方は変わります。そのため、返事の型は、案内文と一緒に点検します。
サブスクの解約案内でよくある質問
サブスクの解約案内は、規約に書けば十分ですか、と聞かれます。答えは、規約だけでは足りない場面があります。申込む前に読める場所にも、方法と期限を置く形が向いています。
解約を分かりやすくすると、やめる人が増えませんか、という質問もあります。答えは、分かりにくさで引き留める形は長く続きません。条件が見えるほうが、窓口のやり取りは短くなります。
点検は誰がしますか、とも聞かれます。答えは、画面を作る担当と、窓口で答える担当が一緒に見ます。作る側だけでは、実際の質問とずれるためです。
サブスクの解約案内は、最初の一歩
まず、自社の申込みの流れを、最初から最後まで自分でたどります。次に、解約の入口にたどり着けるかと、期限と不利益が読めるかを確かめます。最後に、案内文と窓口の返事の言葉をそろえます。
さらに、直した画面は、日付と一緒に記録して残します。その積み重ねで、サブスクの解約案内は、問い合わせのたびに直す文面から、点検で育てる文面に変わっていきます。なお、浮いた時間は、変更の知らせや窓口の対応そのものに回します。
また、点検のあとは、解約にまつわる問い合わせの内容を見直します。次に、質問が集まった場所だけを直します。そのため、案内は、作った日ではなく、質問の減り方で育っていきます。
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参考(外部サイト):消費者庁
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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