代理店の年始始動は、年明けの動き出しの速さを決めます。年始から代理店に動いてもらいたい会社ほど、契約と研修を年内に終える段取りが要ります。
ただし、年末は段取りが詰まりやすい時期です。契約前の説明には相手の検討の時間が要りますし、専門家の相談窓口も年末年始は止まります。年明けに慌てて契約を進めると、説明不足のまま始まる形になりがちです。
この記事では、代理店の年始始動に向けた、年内に終える作業の順番を整理します。さらに、書面の説明で見る場所と、窓口の休みの考え方も書きます。なお、段取りを決めるのは代理店を持つ側の会社で、契約の判断は相手と自社の双方が持ちます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
代理店の年始始動、先に結論です
- まず、年内に終えるのは、書面の説明、契約、最初の研修の三つです。
- また、説明では、条件を書面で渡して、相手の検討の時間を残します。
- 一方、専門家の相談と公的な窓口の用事は、年末年始の休みの前に寄せます。
- さらに、年始の最初の営業は、研修の場で一緒に決めておきます。
つまり、代理店の年始始動は、年明けの頑張りでは決まりません。年内に残した宿題の量で決まります。
なお、年始始動の準備は、相手の会社の年末の忙しさも考えて組みます。建設まわりの代理店では、年末は工事の追い込みで現場が忙しくなります。そのため、説明の場は早めに押さえます。さらに、相手が検討に使う時間も、段取りの中に入れます。
代理店の年始始動、年内に終える順番です
まず、順番は、説明、契約、研修、最初の営業の約束の順です。
書面で説明する
契約を結ぶ
研修を開く
最初の一手を決める
- 1まず、条件を書面で説明します。期間、お金の条件、担当の範囲、終わり方を、口頭だけでなく書面で渡します
- 2次に、相手の検討の時間を置いてから、契約を結びます。急がせる形は取りません
- 3また、契約の後は、最初の研修を開きます。商材の基本と、現場での進め方をそろえます
- 4最後に、年始の最初の一手を決めます。訪問する相手と、連絡の取り方を決めておきます
代理店契約の型を扱った記事でも紹介しましたが、契約の中身の型が違うと、始めた後の動き方も変わります。年始始動の段取りでも、型に合った説明と研修が要ります。
たとえば、従業員が数人の建設会社(仮の例です)が、新しい代理店として年始から動く場面を考えます。年末に現場が忙しいため、研修は短い場を分けて開きます。この形なら、現場の段取りと両立しながら、年始の準備を進められます。
別のサイトの代理店ってなんぼのもん?のコラム「代理店・フランチャイズ契約前の確認項目(手数料・期間・解約)」では、手数料・期間・解約を中心に、契約前に確認したい項目を整理していると書かれています。
出典:代理店ってなんぼのもん?「代理店・フランチャイズ契約前の確認項目(手数料・期間・解約)」
年内に終える確認も、同じ場所から始めます。手数料の決まり方、期間と更新の形、解約の進め方です。なお、確認は相手と一緒に進めます。一方的に読み上げる場にはしません。
説明会を開く会社が見る場所
また、年末に募集の説明会を開く会社もあります。その場合は、集め方の言葉も年内に確かめます。たとえば、参加の費用を取らない形を打ち出すときは、なぜその形で開くのかを、相手に伝わる言葉で説明できるかが大切です。
無料の集客が成り立つ仕組みを検証する記事もあります。別のメディアのAntithesisでは、「参加費無料セミナー」は誰が得をするのか、という記事で、無料の説明会の裏側にある仕組みを整理しています。
書面の説明で見る場所は、法律の型から借ります
まず、契約前の書面の説明には、公的な型があります。中小企業庁の資料では、小売・飲食のフランチャイズに当たる特定連鎖化事業について、契約を結ぶ前に書面を交付して説明することが義務付けられています。
さらに、事前に開示すべき項目は23項目にわたっています。事業者の概要から、契約期間や更新・解除に関する事項までが含まれます。
一方、全ての代理店契約が、この法律の対象になるわけではありません。ただし、対象でない契約でも、書面で条件を渡して説明する姿勢は、そのまま参考になります。特に、お金に関する項目と、終わり方の項目は、口頭だけでは残りません。
また、説明の記録は残しておきます。何を渡して、何を説明したかです。記録が残ると、年始に行き違いが出たときも、元の書面に戻れます。なお、相手からの質問は、その場で答えきれないものは持ち帰ります。曖昧な答えを、その場で作らないためです。
年末年始は、相談の窓口も止まります
まず、公的な窓口の休みです。たとえば三重労働局は、12月29日から1月3日まで閉庁すると案内しています。国の窓口は、年末年始にまとまって止まる形が基本です。
そのため、契約の相談や、手続きの確認は、休みの前に寄せます。年内に聞ける場所を先に決めておくと、年始の段取りが止まりません。さらに、専門家の予定も年末は埋まりやすいため、相談の予約は早めに入れます。
また、代理店の年始始動は、相手の年始の休み明けにも関わります。先方の始業の日に合わせて、最初の連絡の時期を決めておきます。なお、年賀の挨拶と最初の営業の連絡は分けます。挨拶の中に、重い相談は入れません。
よくある質問
まず、「契約は年始でもよいですか」と聞かれます。答えは、契約そのものは年始でも結べる、です。ただし、説明と検討の時間は年内に置く形が安全です。なお、急いで結んだ契約は、行き違いの元になります。
次に、「研修は年始からでよいですか」と聞かれます。答えは、最初の研修の設計だけは年内に終える、です。商材の基本をそろえる場は、年始の忙しさの中では作りにくくなります。
最後に、「相手が年末に忙しいときは、どうしますか」と聞かれます。答えは、短い場を分けて開く、です。建設の現場では、長い研修より、短い確認の場の方が進みます。さらに、資料は先に渡しておきます。
代理店の年始始動、今日からできる最初の一歩
まず、年内に終える作業を書き出してください。次に、書面の説明の日程を、相手と決めます。
さらに、相談の用事は、窓口の休みの前に寄せます。代理店の年始始動は、年明けの勢いより、年内に残さなかった宿題で決まります。
なお、決めた段取りは、相手と共有しておきます。段取りが見えると、年末の忙しさの中でも、双方の動きがそろいます。
また、年始の最初の連絡では、研修で決めた一手から始めます。準備と実行がつながると、始動の形が見えます。
このように、年始始動の準備は、派手な作業ではありません。書面と日程と約束を、年内にそろえる地味な作業です。ただし、その地味さが、年明けの動きの速さを作ります。
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