営業を外に出すか、自分で続けるか。決めきれないまま、半年が過ぎていませんか。
迷いの原因は、3つの選択肢を「どれが良いか」で比べていることです。営業代行も代理店も自社営業も、良し悪しではなく、いまの自社の状態に合うかどうかで決まります。
この記事では、判断基準を5つと、決めるときにそのまま使える確認の質問をお渡しします。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
3つの違いを、先に一言ずつ
名前が似ていても、中身は別物です。一般的には次のように整理できます。
自社営業は、自分や社員が動く形です。やった経験が会社に残ります。一方で、人件費は売れる前から毎月かかります。
営業代行は、アポ取りや訪問などの作業を請け負ってもらう形です。決めた作業を任せられますが、商品の強みや売り方は、こちらが渡さなければ相手は動けません。
代理店は、相手が自分の顧客に、自分の取り扱い商材として売ってくれる形です。相手の顧客や信用を借りられます。ただし、相手にとって売る理由がなければ、後回しにされます。
つまり、渡すものが違います。自社営業は自分の時間、営業代行は作業の指示書、代理店は売る理由です。
向く会社と向かない会社も、先に見ておきます。自社営業は、商品をまだ磨いている会社に向きます。お客さまの生の声が、商品づくりに直接返ってくるからです。向かないのは、社長が営業から手を離せずに、他の仕事が止まっている会社です。
営業代行は、売る相手と売り方が固まっていて、動く量が足りない会社に向きます。向かないのは、売り方がまだ手探りの会社です。作業を任せても、何を改善するかが決まりません。
代理店は、相手に売る理由を渡せる会社に向きます。商品の説明が短く、相手の既存のお客さまに自然に紹介できる商材が合います。向かないのは、売るたびに社長の説明が必要な商材です。

判断基準は5つ。それぞれに確認の質問を付けます
基準1は、売り方を3分で言えるかです。初めて会う人に、誰のどんな困りごとを解く商品なのかを、3分で説明できるか。まずこれを確かめます。
言えないなら、先に自社営業です。営業代行にも代理店にも、渡す言葉が要るからです。自分で話してみて、相手の反応が良かった言い方をメモしておくと、外に出すときの台本になります。
確認の質問は「この商品を、知らない人にいちばん短く説明すると何ですか」です。
言い回しの例です。「飲食店の仕入れ担当の方が、月末の発注にかける時間を減らす道具です」。誰の、何を、どう変えるかが入っていれば合格です。「高品質でこだわりの商品です」だけでは、相手の頭に何も残りません。
基準2は、売る相手が決まっているかです。私の営業の転機は、営業する相手を、資産を持つ方やオーナー社長に絞ったことでした。行動量は落とさず、向ける先だけを変えました。
相手が決まっているなら、そこに会える人を探せます。代理店や営業代行が使いやすい状態です。相手が広いままだと、外に出しても迷子になります。まず自分で動いて、絞り込んでください。
確認の質問は「売りたい相手を、業種と役職で一行で書けますか」です。
基準3から5は、社長の要否、待てる期間、管理の時間です。3つ目は、商品の説明に社長本人が要るかどうかです。社長の一言で決まる商品なら、自社営業が中心になります。説明が資料1枚で足りるなら、外に出せます。
4つ目は、先に出せる固定費と、待てる期間です。固定費を抑えたいなら、成果に応じて支払う形を探します。ただし、何をもって成果とするかを決めておかないと、後でもめます。
5つ目は、管理に割ける時間です。外に出すほど、資料を渡す、質問に答える、報告を受けるという時間が必要です。確認の質問は「週に2時間、相手のために空けられますか」です。
5つを採点して、選ぶ
基準ごとに、○△×をつけます。読み方は次のとおりです。
- 基準1と2が×なら、自社営業です。まず言葉と相手をつくります。
- 基準1から3が○なら、代理店か営業代行を検討できます。相手の顧客に売ってほしいなら代理店、作業を任せたいなら営業代行です。
- 基準4が△なら、成果に応じた形を探します。
- 基準5が×なら、外に出す前に、窓口になる人を社内で1人決めます。
迷ったときは、小さく試します。いきなり大きく契約せず、期間と範囲を区切ってください。
ここまで読んでも自社の場合が決めきれない方は、末尾の60分の無料相談で、一緒に整理できます。
決めたあとは、最初の1か月で見る数字を決めておきます。形を選んだら、最初の1か月は結果より動きを見ます。見るのは3つだけです。会った数、2回目の話に進んだ数、渡した資料への反応です。
売上は、数字が出るまでに時間がかかります。先に動きの数字を見れば、方向が合っているかを早く判断できます。
もう1つ、始める前に決めておくのが、やめる条件です。「1か月で2回目の話に進む相手が1件も出なければ、売り方か相手を見直す」のように、一文で書いておきます。やめる条件がないと、うまくいかない形を、惰性で続けてしまいます。

人数を集めても、動くのはその一部
私は起業してから、副業の営業マンを約300人集めました。実際に動いたのは約10人でした。
人数を集めること自体は、できてしまいます。難しいのは、集めたあとに動いてもらうことです。代理店を選ぶなら、何人にお願いするかより、動いてくれる人に何を渡すかを先に決めてください。渡すものは、説明の一枚、相手の質問に答える窓口、成果の決め方の3つです。
契約の名前と中身のずれを、先に見ておく
外に出すときの落とし穴が、契約の題名です。「代理店契約」と書いてあっても、中身は販売店だった、というずれが起きます。個人に任せる場合は、労働者かどうかが契約書の題名ではなく実態で判断される、という点にも注意が必要です。
こうした話は、令和の総合商社の代理店コーナーに解説記事が並んでいます。契約の型を決めておく話が読めます。
個人に仕事を頼むとき、条件を文字で残すという最初の一歩は、サービスのコーナーにあります。営業支援や代理店開拓のフロアでもあります。
どちらも、経営の土台を整える読み物として、手が空いたときに読んでみてください。サイトの全体は、こちらのトップから見渡せます。
契約や労務の個別の判断は、税理士・社会保険労務士など専門家へご相談ください。
今週やること
- 1売り方を3分で説明する文章を書く
- 2売りたい相手を、業種と役職で一行にする
- 35つの基準に○△×をつけて、形を1つ仮決めする

営業は、才能や学歴やコネがなくても、量と設計で変えられます。どの形で外に出すかを選ぶのも、その設計の一部です。
コミッターズは、代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社です。本気で販路を作りたい経営者の方には、60分の無料相談で設計図をお出しします。
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。