秋になると、社長の机にも年末調整の書類が届きます。その中で、年末調整とiDeCoのつなぎ役になるのが、掛金払込証明書です。
ただし、この証明書は、探しても会社には届きません。発行するのは国民年金基金連合会で、届く先は加入者本人です。そのため、段取りを知らないと、提出の直前に慌てます。
この記事では、年末調整とiDeCoの段取りを整理します。証明書が届く時期と、申告書に書く欄と、出し忘れたときの受け皿までを書きます。内容は、令和8年分の案内をもとにしています。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
年末調整とiDeCo、先に結論
まず、結論から言います。年末調整とiDeCoの段取りは、証明書を待つことから始まります。金額は、自分で計算するものではありません。証明書に書かれた金額を、申告書の決まった欄に写します。
また、iDeCoの掛金は、小規模企業共済等掛金控除の対象です。さらに、控除できる金額は、その年に支払った掛金の全額です。なお、書く欄は、生命保険料控除の欄ではありません。
つまり、仕事は三つです。証明書を受け取ること、欄を間違えずに写すこと、期限までに勤務先へ出すことです。建設会社の社長なら、自分の分と、従業員から預かる書類を分けて扱うことも大切です。
掛金払込証明書が届く時期
まず、届く時期を見ます。令和8年分の一括発行は、ハガキが10月23日に発送されています。電子データは、10月21日より順次発行されています。
次に、追加発行の時期を見ます。当年の秋に初回の払い込みがあった人などには、11月25日に追加発行があります。さらに、その次の回は、12月22日です。なお、証明書が届く回は、払い込みを始めた時期で変わります。
また、一括発行の証明書には、その年に払い込まれた金額と、残りの月の払込予定金額が並びます。そのため、年末の引き落としが終わる前に、年間の合計の形で届きます。ただし、引き落としができなかった月があると、実際の金額とずれる場合があります。
なお、引き落とされなかった月の掛金は、追納できません。そのため、年末は、引き落とし口座の残高もあわせて確かめます。届かない場合は、登録されている住所の違いも考えられます。さらに、なくした場合は、運営管理機関へ再発行を依頼します。再発行には日数がかかるため、早めの連絡が大切です。
事業主払込の人は証明書が届きません
一方、勤務先が給与から差し引いて払い込む方式の人は、話が変わります。この方式では、証明書は発送されません。また、申告書にも書きません。給与の計算の中で、すでに扱われているためです。
別のサイトの控除さがし探偵団のコラム「iDeCoの掛金、年末調整で控除を受ける5つの手順」では、「事業主払込で給与から差し引かれた掛金は、申告書に書きません」と書かれています。
出典:控除さがし探偵団「iDeCoの掛金、年末調整で控除を受ける5つの手順」
そのため、最初に確かめることは、自分の払い込み方がどちらかです。個人の口座から引き落とされている人は、証明書を待つ組です。給与から差し引かれている人は、待たない組です。
年末調整とiDeCo、申告書に書く欄と付け方
まず、書く欄を見ます。給与所得者の保険料控除申告書には、小規模企業共済等掛金控除の枠があります。その中の、個人型年金加入者掛金の欄に、合計金額を書きます。
次に、証明書の付け方を見ます。ハガキの場合は、決められたページを切り取って、申告書に付けます。電子データの場合は、勤務先の指示に従います。なお、印刷しただけの紙が、そのまま証明書の代わりになるとは限りません。
手順は、次のとおりです。
- 1まず、払い込み方が、個人払込か事業主払込かを確かめます
- 2次に、届いた証明書の金額を、個人型年金加入者掛金の欄に写します
- 3さらに、証明書を、勤務先の案内に沿う形で付けます
- 4最後に、勤務先の締め切りまでに、申告書を出します
また、従業員を雇っている建設会社では、案内の出し方も仕事です。たとえば、証明書は本人宛てに届くことを、早めに伝えます。さらに、締め切りだけを伝えるのではなく、届く時期も一緒に伝えます。この一言で、直前の探し物は減ります。
なお、提出の期限や方法は、勤務先ごとに決まっています。そのため、手元の案内が最優先です。迷う場合は、勤務先の担当や、加入先の運営管理機関に確かめます。
払い込み方を確かめる
証明書を受け取る
金額を写す
付けて出す
証明書が届く前にできる準備
まず、届く前にできる準備があります。たとえば、申告書の置き場所を決めておくことです。さらに、昨年の申告書の控えがあれば、書いた欄を先に見ておきます。なお、金額そのものは、今年の証明書で確かめます。昨年の数字を写すものではありません。
また、建設会社では、年末は現場の段取りも重なります。そのため、事務の締め切りは、現場の予定表とは別の場所にも書いておきます。たとえば、事務所の壁の予定表です。小さな工夫ですが、出し忘れは減ります。
さらに、従業員への案内は、証明書が届く前に出すほうが伝わります。届いてから慌てて集める形にしないことが、社長の側の段取りです。案内には、届く時期と、なくしたときの連絡先を入れておきます。
出し忘れたときは、確定申告が受け皿です
まず、年末調整で出し忘れても、控除そのものが消えるわけではありません。確定申告書の小規模企業共済等掛金控除の欄に書き、証明書を添付するか提示することで、控除を受けられます。
次に、期限を見ます。確定申告の期限は、翌年3月15日です。そのため、年末に間に合わなかった分は、年明けの予定に早めに入れます。ただし、現場が忙しくなる時期と重なります。書類の置き場所は、年末のうちに決めておきます。
また、令和8年分以後の所得税に係る確定申告書を、令和9年1月1日以後に提出するときは、証明書の代わりに、一定の事項を書いた明細書を添付する方法も選べます。なお、個人事業主の社長は、もともと確定申告で控除を受けます。年末調整の組とは、入口が違う点に注意します。
さらに、小規模企業共済の掛金も払っている人は、証明書が別々に届きます。欄は同じ枠の中でも、種類ごとに分けて書きます。二つの証明書を、同じ封筒で保管しておくと、写す作業が速くなります。
小規模企業共済そのものの仕組みは、こちらの記事にまとめています。
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年末調整とiDeCo、今日からできる一歩
まず、証明書の置き場所を決めましょう。具体的には、届いたら申告書と同じ封筒に入れます。次に、自分の払い込み方を確かめます。さらに、引き落とし口座の残高を見ます。
また、従業員がいる会社では、案内に届く時期を一言足します。この準備が、年末の事務を静かに終わらせる入口になります。段取りのメモは、営業の記録と同じで、残した分だけ来年の自分を助けます。
このように、年末調整とiDeCoは、証明書を待つ段取りです。届く時期と書く欄が見えている社長は、提出の直前にも慌てません。なお、個別の税額の判断は、顧問の税理士や税務署で確かめます。
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運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):www.ideco-koushiki.jp、国税庁、国税庁(2)
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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