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公開日:2026.11.07

暦年贈与の数え方、年末に渡す分は今年の枠に入る?社長の年末準備

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年末になると、子や孫への贈与を今年のうちに済ませたいと考える社長が増えます。暦年贈与の数え方を知らないまま渡すと、枠に入ったつもりが合計で超えていた、という場面が起きます。

ただし、枠の数え方には決まった物差しがあります。もらう人ごとに、一年ごとに、もらった財産の合計で数える形です。物差しが見えれば、年末の渡し方も落ち着いて決められます。

この記事では、暦年贈与の数え方を、合計の見方、計算の型、年末に残す記録の順で整理します。個別の相続の設計を勧める内容ではありません。この記事は、公開時点の法令にもとづいています。

野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。

暦年贈与の数え方、先に結論

まず、結論から言います。暦年贈与の数え方は、一回ごとの金額で数えるものではありません。比べる物差しは、もらう人と、年の区切りの二つです。

また、贈与税は、もらった人にかかる税金です。渡した人の数ではなく、もらった人が一年間に受けた財産の合計で見ます。

さらに、基礎控除は110万円です。その年の合計額から110万円を差し引いた残りに、贈与税がかかります。合計額が110万円以下なら、贈与税はかからず、申告も要らない形です。

なお、年末の駆け込みで慌てる原因は、合計の見落としです。年の途中で渡した分を足し忘れると、数え方が崩れます。比べ方の前に、今年渡した分の棚卸しが来ます。

暦年贈与の数え方、数字の並び

まず、年の区切りを見ます。贈与税の計算は、その年の1月1日から12月31日までの1年間に、贈与でもらった財産の価額を合計するところから始まります。

次に、基礎控除を引きます。合計額から基礎控除額110万円を差し引き、残りの金額に税率を掛けて税額を計算する型です。

また、計算の例も見ます。国税庁の計算例では、贈与財産の価額が500万円の場合、基礎控除後の課税価格は390万円です。一般税率では、390万円に20%を掛けて25万円を引いた53万円が贈与税額になります。

なお、税率には二つの表があります。直系尊属から、贈与を受けた年の1月1日において18歳以上の人が受けた贈与には、特例税率の表を使います。同じ金額でも、渡す人ともらう人の関係で表が分かれる点が、数え方の注意点です。

さらに、渡した財産の種類も合計に入ります。現金だけではなく、土地や株式など、財産の形が違っても、もらった財産の価額として合計する土台です。年末の棚卸しでは、現金の振込だけを拾うと、形の違う渡し方が漏れます。

実は、合計の出し方が、年末の判断を決めます。合計が110万円以下に収まるか、超えるかで、申告の要否も含めて段取りが分かれます。渡す前の段階で合計の姿が見えているかどうかが、数え方の急所です。

図解1

年末に起きやすい勘違い

まず、一回ごとの数え方です。少額ずつ何回も渡せば枠に収まる、という読み方は合いません。数えるのは回数ではなく、一年間の合計額です。

次に、渡す人ごとの数え方です。父からと母からで枠が二つになる、という読み方も合いません。基礎控除は、もらった人一人について一年の合計にかかる置き方です。渡す人が増えると、合計は増えます。

また、年の境目の読み違いも見ます。年をまたいで渡すと、別の年の合計に入ります。年末に渡す分と年明けに渡す分は、数える年が分かれます。慌てて年末に寄せる前に、どちらの年で数えるのかを先に置きます。

なお、年の枠を持ち越せない感覚は、ほかの制度でも同じです。別のサイトのコツコツおかね村のコラム「年末のNISA年間投資枠、使い残しはどうなる?5つの質問と答え」では、「年間投資枠は翌年に繰り越せません」と書かれています。贈与の基礎控除も、今年の分は今年の合計で閉じる形です。年末の点検は、この境目を確かめる作業です。

出典:コツコツおかね村「年末のNISA年間投資枠、使い残しはどうなる?5つの質問と答え」

さらに、渡した記録の薄さも勘違いのもとです。現金で渡して記録がないと、後から金額も日付も確かめられません。贈与は、渡す意思ともらう意思で成り立つ話です。記録は、その意思を示す材料になります。

暦年贈与の数え方に沿った年末の準備

まず、今年渡した分を書き出します。具体的には、渡した相手、渡した日、金額、渡し方です。通帳の記録と並べると、漏れが見えます。

次に、もらう人ごとに合計します。相手ごとに紙を分け、今年の合計と110万円との差を見ます。

手順は、次のとおりです。

  1. 1まず、今年渡した贈与を相手ごとに書き出します
  2. 2次に、相手ごとの合計額を出します
  3. 3次に、合計と110万円との差を確かめます
  4. 4最後に、年末に追加で渡すかどうかを決めます
年末の準備の流れ
STEP 1

今年渡した分の棚卸し

▶
STEP 2

相手ごとの合計を出す

▶
STEP 3

基礎控除との差を見る

▶
STEP 4

渡す時期と記録を決める

たとえば、建設会社の社長を考えます。年の途中で子に渡した分があり、年末にもう一回渡す話が出ています。この場合は、先に途中の分を合計に入れます。合計の姿が見えてから、年末の分を決める順番です。

なお、相続時精算課税という、別の課税の選び方もあります。選び方で税の計算の土台が変わります。どちらの土台で渡すのかは、家族の事情で変わる話です。年末の準備では、土台を決めていない贈与を急いで実行しない置き方が安全です。

特に、振込で渡す形は、記録の残し方として回しやすい置き方です。日付と金額と相手が通帳に残るため、年末の棚卸しでも拾いやすくなります。一方で、現金で渡す場合は、その場で日付と金額を書いたメモを残す手間が増えます。渡し方を選ぶ時点で、記録の残り方まで見るのが数え方の一部です。

また、家族の中で渡し方をそろえる点も見ます。同じ年に、違う家族から同じ相手へ渡した分は、もらう人の合計で合わさります。家族の誰がいつ渡したのかを、年末に一枚へ集める段取りが、合計の漏れを防ぎます。

図解2

暦年贈与の数え方、今日からできる一歩

まず、今年の贈与の記録を一枚にまとめましょう。具体的には、相手、日付、金額、渡し方の四つです。次に、相手ごとの合計を出します。さらに、来年渡す分は、来年の紙に分けて置きます。

なお、個別の税の判断は、この記事では扱いません。具体的な扱いは、顧問の税理士や、所轄の税務署に確かめます。

このように、数え方は、渡す前にあります。合計の姿が見えている社長は、年末の贈与にも慌てません。

また、決めた記録の置き方は、来年も使えます。贈与の記録は、会社の帳簿と同じく、残した分だけ後の確認を助けます。家族への渡し方を営業の記録と同じ机に置くことが、社長の備えの土台になります。

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参考(外部サイト):国税庁

※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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