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公開日:2026.10.29 | 更新日:2026.11.07
共済・退職金・老後資金

経営セーフティ共済の年末確認5点。掛金20万円までと40か月の節目

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年末が近づくと、取引先の支払いが遅れないか気になります。まず、1社でも倒れたら自社の資金繰りが止まる、と感じる社長は少なくありません。たとえば、建設業の会社で、元請けの1社の入金が止まると、現場の支払いが一気に苦しくなります。

ただ、備えの制度は、入っているだけでは十分ではありません。たとえば、掛金の額と納めた月数が、いまの自社に合っているかは、年末に確かめる価値があります。

この記事では、経営セーフティ共済の年末確認5点を整理します。まず、掛金と借入の枠、次に納付月数の節目、さらに解約後の再加入のルールを確かめます。

野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。

経営セーフティ共済、先に結論

結論は、年末に見る点は5つです。まず、掛金月額が今の資金繰りに合っているかを見ます。次に、掛金総額に対する借入の上限を確かめます。さらに、納めた月数が節目に届いているかを見ます。そのため、解約を考える前に、再加入のルールも確かめます。最後に、取引先の顔ぶれと売掛金の大きさを並べます。

なお、この記事は、特定の制度への加入をすすめるものではありません。制度の仕組みと、年末に確かめる点を整理します。個別の判断は、顧問税理士などの専門家に確かめます。

経営セーフティ共済の4つの数字
5,000円~20万円
月額で選べる掛金
10倍
掛金総額に対する借入の上限
8,000万円
借入の上限額
40か月以上
解約手当金が全額になる納付月数

経営セーフティ共済の掛金と借入の枠

まず、掛金月額は5,000円から20万円まで自由に選べます。次に、増額や減額もできます。ただし、減額には一定の理由が必要です。そのため、年末に資金繰りが苦しいからといって、すぐ減らせるとは限りません。まず、減額の理由と手続きを、窓口で確かめます。

一方、借入の枠は、掛金総額の10倍が上限です。ただし、上限は8,000万円です。さらに、借入額は、回収困難となった売掛金債権等の額と、掛金総額の10倍のうち、少ないほうです。つまり、掛金を積んでいても、被害額が小さければ借入額も小さくなります。そのため、枠の大きさだけを見て安心しないことが大切です。

たとえば、仮の建設会社を考えます。まず、元請け1社への売掛金が大きく、ほかの取引先が小さいとします。次に、その元請けが倒れた場合を想定します。さらに、回収困難な額と掛金総額の10倍を比べます。つまり、年末の点検は、掛金の額と売掛金の顔ぶれを並べる作業です。

次に、掛金の額を決め直す場面を考えます。まず、掛金月額を上げると、借入の上限の元になる掛金総額は増えます。一方、毎月の払込も増えます。そのため、工事の入金が季節で波打つ会社は、払込の月と入金の月を並べます。さらに、賞与や税金の支払いが重なる月は、払込が重荷になりやすいです。つまり、掛金月額は、年間のいちばん苦しい月に合わせて決めます。

なお、加入をこれから考える会社もあります。まず、この制度に入れるのは、個人事業の事業主または中小企業者等です。次に、手続きはオンラインでも、窓口でもできます。窓口は、委託機関または金融機関の本支店です。そのため、年末に慌てて動く前に、相談先を決めておきます。

経営セーフティ共済の納付月数の節目

次に、納付月数の節目を確かめます。まず、解約手当金は、掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が受け取れます。さらに、40か月以上納めていれば、納めた掛金全額と同じ額が受け取れます。一方、12か月未満は掛け捨てとなります。つまり、納めた月数が短いうちに解約すると、戻りが小さくなります。

そのため、年末に解約を考える前に、納付月数を数えます。たとえば、納付月数が節目の手前なら、解約の時期をずらす選択肢もあります。ただし、資金繰りのために解約が必要な場合もあります。その場合は、戻りの額と、解約後の資金の使い道を並べて考えます。なお、解約手当金を受け取る年の扱いは、顧問税理士に確かめます。

経営セーフティ共済の解約で確かめる受け取り方

まず、共済契約を解約すると、解約手当金が受け取れます。次に、受け取れる額は、納めた月数で変わります。さらに、解約の理由が自己都合でも、節目の月数を過ぎていれば受け取れます。一方、節目に届かないうちの解約は、掛け捨てになる場合があります。そのため、解約の申出の前に、納付月数を契約の記録で数えます。つまり、解約は、額よりも先に月数を見る手続きです。

経営セーフティ共済の年末に確かめる3つの節目
項目
確かめること
目安
掛金月額
今の資金繰りに合うか
5,000円~20万円の範囲
納付月数
解約の節目に届くか
12か月と40か月
再加入
解約後の期間を確認する
解約の日から2年

年末に見る取引先の備え

さらに、取引先の備えも見ます。まず、売掛金が1社に偏っていないかを見ます。次に、入金の遅れが続く取引先がないかを見ます。さらに、年末の工事や納品の入金予定を、月ごとに並べます。つまり、制度の枠と、実際の売掛金を並べると、足りない部分が見えます。

別のサイトのはじめて商店街のコラム「小規模企業共済の選び方は?開業1年目の5項目と年内の期限」では、掛金は事業の資金繰りと切り分けて続けられる金額か確かめると書かれています。

出典:はじめて商店街「小規模企業共済の選び方は?開業1年目の5項目と年内の期限」

経営セーフティ共済でも、同じ考え方が当てはまります。まず、掛金は毎月の資金繰りから出ていきます。次に、掛金を払うために運転資金が枯れると、本末転倒です。そのため、掛金月額は、入金の波に耐えられる額にします。なお、掛金の払い方や前納の扱いは、窓口で確かめます。

さらに、取引先の倒産は、年末に限らず起きます。まず、支払いの遅れは、小さな異変として現れます。次に、担当者の異動や発注の急な変更も、異変の候補です。そのため、年末の点検では、売掛金の額と異変の有無を並べます。一方、異変がない取引先まで疑う必要はありません。つまり、見るべきは、額の大きい取引先の異変です。たとえば、額の大きい順に取引先を並べ、上から順に異変を確かめます。

今日からできる最初の一歩

今日からできるのは、3つの作業です。まず、掛金月額と納付月数を、契約の書類で確かめます。次に、売掛金の大きい取引先を3社まで書き出します。さらに、解約を考える場合は、解約の日から2年を経過する日までの掛金の扱いを、顧問税理士に確かめます。

ここで、解約後の再加入のルールを整理します。まず、令和6年10月1日以降に共済契約を解約し、再加入する場合があります。次に、その解約の日から2年を経過する日までの間に支出する掛金があります。その掛金は、必要経費または損金の額に算入できません。つまり、解約と再加入を短い期間で繰り返すと、掛金の扱いが変わります。そのため、年末の解約は、来年以降の掛金の扱いまで含めて考えます。

最後に、点検の結果は、紙に残します。まず、掛金月額と納付月数を、契約ごとに書き出します。次に、変える点と変えない点を、分けて書きます。さらに、来年の点検日を、カレンダーに入れます。つまり、備えの点検は、年末の行事にすると続きます。営業の現場でも、備えがある会社は、取引先の異変に早く動けます。

社長の備えの全体像は、こちらのコーナーにまとめています。

「資産運用コーナー」の歩き方。社長の「備え」から考える、無理なく続ける資金づくり

倒産防止共済の考え方は、こちらの記事にもあります。

倒産防止共済は「経費になる貯金箱」。ただし「ただの先送り」でもあります

売上が落ちた年の守りの順番は、こちらの記事にあります。

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ほかのコラムも、あわせてどうぞ

お金の学び(ウハウハ高等学校):投資のリスクとは?「危険」ではなく「ブレ幅」のこと|校庭のブランコで学ぶ

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筆者の記事:川口忠大のnote

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参考(外部サイト):中小機構、中小機構(2)

※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

会社の現場の工夫や取り組みは、みんなの企業新聞の記事「経営者マッチングアプリを入れる前に確認すべきこと」でも紹介しています。あわせてご覧ください。

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