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2026.10.23

購入者全員のおまけは、いくらまで?総付景品の上限は「2割」と200円。年末の特典を決める前に

年末商戦のおまけ劇場年末商戦のおまけ劇場全員にプレゼント全員にプレゼント全員にプレゼント全員にプレゼントいくらまで?いくらまで?いくらまで?いくらまで?総付景品の上限と、外れる例総付景品の上限と、外れる例答えは答えは2割!2割!

年末商戦に向けて、「3,000円以上お買い上げの方に、もれなくマグカップ」のチラシを作りかけているところです(仮の例です)。マグカップは仕入れで1個800円ほど。せっかくなら喜ばれるものを、と選んだ品です。

ところが、お客様全員に配るおまけには、法律で上限があります。景品表示法の「総付景品(そうづけけいひん)」のルールで、3,000円の買い物につけられるおまけは、600円までです。気前のよさが、そのまま違反の入口になることがあります。

この記事では、総付景品の上限の計算、来店者全員に配る粗品、福引きとの違い、上限が外れる例外を、年末の企画に当てはめて整理します。2026年10月時点のルールです。

野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。

先に結論:もれなく配るおまけは「取引額の2割」まで

消費者庁が示している、総付景品の上限は次のとおりです。総付景品とは、くじや抽選によらずに、買った人や来店した人に、もれなく渡す景品のことです。

冒頭のマグカップに当てはめると、3,000円の購入が条件なので、上限は3,000円の2割で600円です(消費者庁の景品に関する質問と回答集、問96と同じ考え方です)。800円の品なら、条件を4,000円以上にすれば、上限は800円になります。

ここで大事なのは、条件にした「いちばん安い買い物」で計算することです。「3,000円以上」なら、3,000円ちょうどで買った人も、同じマグカップを受け取ります。2万円買う人がいても、上限は3,000円をもとに決まります。

なお、景品の値段を仕入れ値と店頭の値段のどちらで数えるかにも、決まりがあります。仕入れ値で計算して安心せず、迷ったら消費者庁や都道府県の相談窓口に確認してください。

年末の企画4つを、上限で判定します

従業員3人の雑貨店が、年末に次の4つを考えているとします(すべて仮の例です)。

  1. 1「3,000円以上で、もれなくマグカップ(店頭価格800円)」:上限600円を超えるため、このままでは違反になるおそれがあります。条件を4,000円以上にするか、600円以内の品に替えます
  2. 2「ご来店の方全員に、ハンドタオル(店頭価格250円)」:購入が条件ではない来店者全員への景品は、取引の価額を原則100円として考えます(問111)。上限は200円なので、250円は超えます。店で売っている最も安い商品が100円を超えるなら、その額を取引の価額にできます。この店の最も安い品が300円のポストカードでも、1,000円未満なので上限は200円のままです。社名入りのハンドタオルにして、宣伝用の物品として考える手もありますが、適当な範囲かどうかは品物しだいです
  3. 3「2,000円ごとに福引き1回、1等は2万円の加湿器」:抽選なので、総付景品ではなく「懸賞」のルールです。取引の価額が5,000円未満なら、景品の最高額は取引の価額の20倍で、2,000円なら4万円まで。景品の総額は、懸賞の対象になる売上予定総額の2%までです
  4. 4「お買い上げの方に、次回使える500円引き券」:自分の店で使える、金額が決まった割引券は、上限の対象から外れることがあります(問122)

3番の福引きは、総額の線を忘れがちです。たとえば、年末の福引き期間の売上予定が100万円なら、景品の合計は2万円までです。1等の加湿器1台で、総額の枠を使い切ります。商店街などで共同して行う懸賞なら、最高額30万円・総額は売上予定総額の3%の別ルールになります。

例外:上限から外れるもの、外れないもの

消費者庁の質問と回答集(問116〜問128)では、次のようなものは、正常な商慣習に照らして適当な範囲であれば、景品の上限の対象から外れると説明されています。

ただし、外れそうで外れない例もあります。

年末の挨拶で配る社名入りカレンダーは、宣伝用の物品として外れる例に近い品です。カレンダーやノベルティを配るときの経費の分け方は、こちらの記事にあります。

ノベルティは経費?「広告宣伝費」と「交際費」の分かれ道は、配る相手です

なお、上限の金額そのものについては、物価の上昇を受けて、消費者庁が引き上げを検討していると2026年8月に報じられています。早ければ2027年中の改定という報道で、2026年10月時点では、まだ決まっていません。今年の年末商戦は、いまの上限で考えます。

チラシを刷る前の確認4つ

違反すると、消費者庁や都道府県から、表示や提供をやめるよう命令を受けることがあります。年末のチラシは、刷ってから直すのが大変です。入稿の前に、次の4つを見ておきます。

  1. 1もれなく配るのか、抽選なのか(総付景品か、懸賞か)
  2. 2条件にした最も安い取引の額は、いくらか
  3. 3おまけの値段は、その額の2割(1,000円未満なら200円)に収まっているか
  4. 4割引券なら、金額が決まった自店用か、率の割引や引換券ではないか

判断に迷う企画は、景品表示法の窓口がある消費者庁や都道府県に、事前に相談することもできます。

最初の一歩:おまけの値段から、条件の金額を逆算します

上限の式は、営業の道具にもなります。おまけの店頭価格を5倍すると、条件にできる最低の購入額が出ます。600円の品なら3,000円、1,000円の品なら5,000円です。

客単価が2,500円の店なら、「3,000円以上で600円の品」は、あと1品買ってもらう理由になります。たとえば、1か月のレジの記録から、客単価と「あと少しで3,000円」だった会計の数を数えます。2,000円台の会計が多い店ほど、条件の線を3,000円に置く効果が見込めます。逆に、客単価がもともと4,000円の店で「3,000円以上」にすると、ほとんど全員に配ることになり、おまけは売上を増やす道具ではなく、ただの値引きに近くなります。まず、いまの客単価を確認して、その少し上に条件の金額を置いてみてください。おまけは「誰に、何をきっかけに渡すか」で効き方が変わります。配る相手を決める話は、こちらの記事にあります。

ノベルティ数百個より、配る相手を決めた1人。名刺1000枚で学んだこと

運営元:コミッターズ

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参考(外部サイト):消費者庁、消費者庁(2)、消費者庁(3)

※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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