冬の賞与は、金額を決めたら終わりではありません。その後に待つのが、冬季賞与の段取りです。支給日が決まると、届出の期限も一緒に決まります。
ただし、期限は短いです。賞与を払う側の作業は、支給の前にそろえる物が多くあります。支給の後に慌てる会社は、だいたい名簿と届出の準備が後ろに回っています。
この記事では、冬季賞与の段取りを、支給日から逆算して整理します。対象者、標準賞与額、届出の出し方、払わなかったときの扱いまで書きます。技能者への支給漏れを防ぐ見方も入れます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
冬季賞与の段取り、先に結論
まず、結論から言います。冬季賞与の段取りは、支給日を先に決めることから始まります。支給日が決まれば、被保険者賞与支払届を出す期限は、その日から5日以内と決まります。
また、届出で決まるのが標準賞与額です。標準賞与額は、賞与等の支給額の1,000円未満を切り捨てた額です。保険料は、この額に直接、保険料率を乗じて計算します。毎月の給与の表に当てはめる計算とは違います。
さらに、上限も先に見ます。標準賞与額の上限は、健康保険は年度(4月~翌年3月)の累計額573万円、厚生年金保険は1カ月あたり150万円です。小さな会社では届かない数字に見えますが、役員賞与などが重なる会社では、先に見る物差しになります。
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冬季賞与の段取りは支給日から逆算します
まず、支給日を置きます。次に、その日から逆算して、名簿、金額、届出の準備を並べます。支給日を最後に決める会社は、準備の順番が毎年崩れます。
手順は、次のとおりです。
- 1まず、冬季賞与の支給日を決めます
- 2次に、対象者の名簿を、被保険者と70歳以上被用者でそろえます
- 3次に、一人ずつの支給額を決め、標準賞与額に直します
- 4次に、届出の用紙と提出方法を支給前に用意します
- 5最後に、支給したら、期限の内側で届出を出します
なお、賞与支払予定月を登録している会社には、支払予定月の前月に、日本年金機構から賞与支払届と賞与不支給報告書が送付されます。届いた用紙が、段取りの合図です。用紙が届いたら、名簿の作業を始めます。
また、支給日の置き方にも目を向けます。給料の支払日と近すぎると、明細の確認が重なります。逆に、離しすぎると、対象者の異動や退職の扱いが増えます。そのため、支給日は、給料日の並びと、現場の仕事納めの時期を見て置きます。
さらに、支給額の知らせ方も、段取りに入ります。誰に、いつ、何をもとに決めたかを知らせる順番を決めておきます。知らせが遅れた人ほど、金額への受け止めが荒れます。段取りの半分は、知らせ方の順番です。
対象になる賞与の見分け方
まず、回数で見ます。年間4回以上支払われる賞与等については、標準報酬月額の対象となります。そのため、賞与支払届を提出する必要はありません。冬と夏の支給は、この扱いには入りません。
次に、人の側で見ます。届出は、被保険者である従業員と70歳以上被用者に賞与を支給した場合に行います。技能者も事務の人も、被保険者であれば同じ名簿に入ります。現場ごとに支給日が違う会社は、支給日ごとに名簿を分けます。
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また、資格を失った月に支払われた賞与も、届出を提出する必要があります。退職が近い人への支給は、名簿から外す前に、支給日と資格の扱いを確かめます。
別のサイトの仲間づくり部のコラム「人を迎えるときの手続きの手順」では、「届出の期限でいちばん短いのは、社会保険の5日以内だよ」と書かれています。
賞与の届出も、同じ短さです。入社の届出と同じく、支給日から逆算する置き方が合います。
賞与支払届まで落とさない冬季賞与の段取り
まず、提出先を決めます。提出先は、事務センターまたは管轄の年金事務所です。提出方法は、電子申請、電子媒体、郵送、窓口持参から選べます。自社が普段使う方法を、支給前に決めておきます。
次に、添付書類を見ます。原則として添付は、健康保険標準賞与額累計申出書(該当する場合のみ)です。累計額が上限を超える旨の申出が被保険者からあった場合に、事業主が出す書類です。該当しない会社は、用紙の本体をそろえる作業が中心です。
提出の記録を同じ紙に残します
さらに、支給日と提出日を、同じ紙に書きます。具体的には、支給日、提出した日、提出方法の三つです。翌年の冬に段取りを組むとき、この記録が最初のたたき台になります。
たとえば、建設業の会社を考えます。現場の技能者と事務所の事務で、支給の知らせが届く順番が違う場合があります。知らせの順番と、届出の名簿は、別の物です。名簿は支給額の確定でそろえ、知らせの順番に引きずられません。
また、金額の確定が遅れる場合は、届出の準備だけ先に進めます。用紙、提出先、名簿の型は、金額がなくてもそろえられます。支給日に残る作業を、金額の記入と提出だけに寄せます。
なお、担当が一人だけの会社は、休みの置き方も決めます。支給日と提出の期限の間に、担当の休みが重なると、そのまま期限を過ぎます。支給前に、代わりに出す人を決めておくか、電子申請の準備を終えておきます。小さな会社ほど、この代わりの決め方が効きます。
また、現場の技能者への知らせは、事務所の知らせと分けて考えます。現場は朝の集まりで伝わりやすく、事務所は書面で残りやすいです。伝え方は違っても、支給日と金額の決め方は同じ内容で伝えます。内容が二つに分かれると、後で直す作業が増えます。
支給後に残る作業と払わなかったとき
まず、払わなかったときの扱いです。登録している賞与支払予定月に、いずれの被保険者と70歳以上被用者にも賞与を支給しなかった場合は、賞与不支給報告書の提出をお願いされています。払わない年も、報告書という作業が残ります。
次に、累計の記録です。標準賞与額の累計は、保険者単位で行います。同一の年度内で複数の被保険者期間がある場合は、同一の保険者である期間に決定された標準賞与額を累計します。転職してきた人の分は、前の会社と混ぜて数えません。
また、育児休業等による保険料免除期間に支払われた賞与も、届出を提出する必要があります。この場合に決定された標準賞与額も、年度の累計額に含まれます。免除の期間だから名簿から外す、という扱いはしません。
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さらに、記録の残し方も決めます。支給額、標準賞与額、提出日を一人ずつ残します。来年の名簿は、今年の記録を写すところから始められます。段取りの速さは、記録の型で決まります。
冬季賞与の段取り、今日からできる一歩
まず、今年の支給日をカレンダーに置きましょう。具体的には、その日から5日以内の範囲も一緒に書き込みます。次に、対象者の名簿を作ります。さらに、届出の提出方法を一つ決めます。
なお、対象者の扱いに迷うときは、管轄の年金事務所や顧問の専門家に確かめます。個別の事情で、名簿に入れる人が変わることがあるためです。
このように、冬の賞与は、金額の前に日付です。支給日が決まっている会社は、技能者への支給漏れにも早く気づけます。
また、終わったら、今年の記録を来年用に残しておきます。支給日と提出日が残っていると、次の冬の段取りは、名簿の更新から始められます。
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参考(外部サイト):日本年金機構
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