新しく入った人に仕事を教えるたび、社長の口から同じ説明が出てきます。実は、社内マニュアルの下書きがない会社ほど、この説明に時間を取られます。
とはいえ、白紙から手順書を書く時間はありません。さらに、ベテランのやり方は頭の中にあり、文字になっていません。つまり、足りないのは書く力ではなく、たたき台です。
この記事では、マニュアルの下書きをMuseで作る手順を整理します。さらに、社外秘を入れない線引きと、現場の目で直して仕上げる流れも書きます。なお、MetaのMuseは、2026年10月23日に日本で提供が始まりました。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
マニュアルの下書きは、先に結論
まず、結論です。マニュアルの下書きは、たたき台を作る作業です。つまり、Museに渡すのは順番と材料で、完成品ではありません。
また、Metaの発表では、Museは利用者が伝えた目標に合わせて計画を立て、作業を進めることができます。ただし、メールの送信など重要な操作の前には、利用者本人に確認すると説明しています。そのため、下書きを社内の正式な手順にする判断は、人が行います。
たとえば、口頭で教えている順番をそのまま材料にすると、たたき台は早く出てきます。一方、材料なしで書かせると、一般的すぎる文章になり、直す時間が増えます。
マニュアルの下書きは、なぜ止まりますか?
まず、止まる理由は3つあります。1つ目は、書く時間が取れないことです。次に、2つ目は、やり方が人によって少しずつ違うことです。さらに、3つ目は、どこまで書けばよいのか分からないことです。
たとえば、請求書を出す手順でも、確認する人や送る順番が人によって違います。つまり、違いを先に決めないと、下書きの直しが終わりません。
たとえば、発送の手順では、伝票の貼る場所や、送る前の写真の残し方が、人によって違います。一方、教わる側は、どの言い方が正しいのか分からず、その場で聞き直します。つまり、違いが文字になっていないこと自体が、教える時間を増やしているのです。
別のサイトのおまかせ係長のコラム「フリーランスへの外注、発注側がやることを5つの手順で整理」では、発注したら直ちに、取引条件を書面かメールで示すことが、手順の1つとして挙げられています。
出典:おまかせ係長「フリーランスへの外注、発注側がやることを5つの手順で整理」
つまり、手順は、口頭のままでは残りません。なお、仕事の条件を文字にして伝える決まりは、こちらの記事に整理しています。
個人に仕事を頼むとき、「条件」をメールで書いていますか?フリーランス法の最初の一歩
マニュアルの下書きは、Museにどう頼みますか?
まず、手順は3つです。
- 1口頭で教えている順番を、短い言葉で並べます
- 2その並びを材料にして、Museにたたき台を作らせます
- 3現場の仕事と照らして、人が直します
順番を並べる
たたき台を作る
現場で直す
正式にする
材料は、口頭の順番で十分です
たとえば、材料は「受け取る、確かめる、出す、残す」のような短い言葉の並びで十分です。また、1つの手順には、1つの動きだけを書きます。さらに、判断に迷う場所には、「ここで社長に聞く」のように、聞く相手も書きます。
つまり、マニュアルの下書きの材料は、文章力ではなく、実際の順番です。なお、順番が思い出せない作業は、実際にやりながらメモします。
さらに、材料には、やってはいけないことも書いておきます。たとえば、確認なしで送らない、金額を口頭で約束しない、のような止める決まりです。なお、止める決まりがあると、教わる側は迷う場所が分かります。
マニュアルの下書きは、現場の目で直します
次に、出てきた下書きは、そのまま配りません。まず、手順の抜けがないかを見ます。さらに、言葉が現場の言い方と合っているかを見ます。たとえば、道具や書類の呼び方が違うと、読む人はそこで止まります。
また、筆者は、AIに質問するのではなく、担当を持たせて使っています。たとえば、Museには実行と管理を任せています。さらに、Claudeには、コラムとサイトの制作を任せています。なお、SNSは16アカウントあり、担当ごとに文脈をためておくため、毎回の説明は短くて済みます。そのうえで、下書きは先に見せてもらい、承認してから使う線引きにしています。
社外秘は、どこで線引きしますか?
まず、線引きは、下書きの材料に入れるかどうかで決めます。たとえば、取引先の名前、仕入れの条件、パスワードは入れません。一方、作業の順番や、確認する場所のような、進め方そのものは入れられます。
また、個人情報保護委員会の注意喚起では、生成AIの応答に不正確な内容が含まれることがあるとされています。さらに、個人情報を含む入力をするときは、利用目的の範囲内かを確認するよう求めています。そのため、従業員や取引先の個人が分かる情報も、材料に入れません。なお、迷う情報は、入れない側に寄せます。
さらに、出来上がった手順書の置き場所も、先に決めておきます。たとえば、社内の共有の場所に置き、紙で配った分は古い版と取り違えないようにします。一方、社外の人に見せる資料は、手順書から写すのではなく、見せる範囲を決めて別に作ります。
マニュアルの下書きでよくある質問
マニュアルの下書きは、どの仕事から作ればよいですか、と聞かれます。答えは、教える回数が多い仕事からです。たとえば、請求や発送のように、毎週同じ説明をする仕事が向いています。
出来上がった手順書は、そのまま社外に出してよいですか、という質問もあります。答えは、出さない前提で作ります。社外に出す資料は、出す範囲を決めてから、別に作ります。
古くなった手順はどうしますか、とも聞かれます。答えは、直した日と直した人を残し、古い版と取り違えない形にします。手順が変わる仕事ほど、版の管理が大事です。
マニュアルの下書きは、最初の一歩
まず、毎週教えている仕事を1つ選びます。次に、口頭の順番を短く並べ、Museにたたき台を作らせます。最後に、現場の仕事と照らして直し、正式にするかどうかを自分で決めます。
さらに、直した場所は、次の下書きの材料に足しておきます。その積み重ねで、マニュアルの下書きは自社の言い方に近づいていきます。なお、浮いた時間は、人に教える時間そのものに回します。
また、作った手順書は、新しく入った人と一緒に読みます。次に、止まった場所に印を付け、その場所だけを直します。そのため、手順書は、作った日ではなく、読み直した回数で育っていきます。
また、成果の定義を文字にする大切さは、「個人の営業パートナーに頼む前に。成果の定義を文字にする保存版チェック」の記事でも紹介しましたが、手順書でも同じで、文字になっているほど、教える側と教わる側の食い違いは減ります。
Museについて気になることは、遠慮なく聞いてください。
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「個人の営業パートナーに頼む前に。成果の定義を文字にする保存版チェック」という記事では、任せる仕事の成果を先に文字にする型を紹介しています。
個人の営業パートナーに頼む前に。成果の定義を文字にする保存版チェック
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運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):about.fb.com、個人情報保護委員会
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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