Museに今月の請求書を見せて、経費になるかを聞いてみたくなる社長は、これから増えそうです。Museは、2026年10月23日から日本でも使えるようになりました。
ただ、会社のAI利用料の経費は、AIの賢さでは決まりません。決め手は、契約の形(月額か、年払いか、買い切りか)と会社の状況です。つまり、同じ質問でも、答えは変わります。
この記事では、Q&Aの形で、会社のAI利用料の経費の考え方と、AIに税の質問をするときの線引きを整理します。なお、国税庁のページは、「令和8年4月1日現在法令等」と書かれたものを読みました。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
会社のAI利用料の経費、先に結論
まず、答えを3つに分けます。次に、AIに任せない部分を決めます。
月額の利用料は、使った期間の費用にします。また、年払いは、払った日から1年以内の分で、毎期同じ処理を続けるなら、払った期の費用にできる特例があります。さらに、買い切りのソフトは取得価額で判断し、中小企業者等には、40万円未満の特例があります。
一方で、税額や、特例が自社に当てはまるかの判断は、AI任せにしません。つまり、Museに聞いてよいのは「考えるための材料」までです。最後の判断は、人と顧問税理士です。
Museの月額は、会社のAI利用料の経費でどう考える?
まず、Museの料金の話です。Meta の発表では、Museは日本で iOS、Android、muse.ai から使えます。さらに、多くの基本的な機能は無料で、活用したい人向けにはサブスクリプションプランがあります。
一方、プランの金額や法人向けの条件は、読んだ公式ページでは確認できませんでした。そのため、金額は書けません。契約する前に、アプリ内の案内で確かめてください。
月額なら、使った期間の費用です
月額の利用料は、その月に使った分の費用にします。実際、国税庁のタックスアンサーには、前払費用は、原則として、サービスを受けた時に損金にする、とあります。
また、国税庁のページに、AI利用料だけの専用の科目は出てきません。そのため、通信費や支払手数料など、社内で決めた科目で、毎期同じように続けるのが基本です。
年払いなら、1年以内かどうかを見ます
年払いの場合は、少し話が変わります。国税庁は、払った日から1年以内にサービスを受ける分を、継続して払った期の損金にしているなら、支払い時に損金にできる、としています。
ただし、年払いにした年だけ、この処理を使うのは危ない形です。つまり、毎期続けることが条件です。
別のサイト(おまかせ係長)のコラム「デジタル化・AI導入補助金で入れるツールの選び方」では、ツールを比べる確認項目として、「クラウド型の場合、補助の対象になる利用料の期間と、その後の利用料の扱い」が挙げられています。
出典:おまかせ係長「デジタル化・AI導入補助金で入れるツールの選び方」
補助金の話ですが、利用料の期間を見る点は、年払いの場面でも同じです。そこで、請求書で、対象の期間がいつからいつまでかを、先に確かめます。
買い切りなら、取得価額で見ます
ソフトを買い取る契約なら、話は取得価額になります。国税庁によると、取得価額が10万円未満なら、少額の減価償却資産として、事業に使った期に全額を損金にできます。
さらに、中小企業者等には、取得価額が40万円未満の特例があり、ソフトウエアも対象に入ると書かれています。ただし、条件は、青色申告書を出していること、常時使用する従業員が400人以下であること、期の合計が取得価額で300万円までであること、令和8年4月1日以後に取得したことです。
なお、令和8年4月1日より前に取得したものは、30万円未満が基準でした。くわしくは、こちらの記事にあります。
35万円のパソコン、買ったら全額経費?令和8年4月から変わった「40万円未満」のルール
Museに経理・税の質問をしていい?線引きは3つ
では、Museに経理や税の質問をしてよいのでしょうか。答えは、してよい、です。ただし、聞いていいことと、任せないことを分けます。
聞いていいこと
まず、聞いていいのは、用語の意味や、国税庁のどのページを見ればよいかの手がかりです。さらに、税理士に聞くための質問リストの下書きや、請求書の整理の手順も、頼んで構いません。
裏を取ってから使うこと
次に、制度の金額や期限は、自分で確かめてから使います。たとえば、国税庁のページなら、先頭にある「令和8年4月1日現在法令等」のような時点も見ます。
筆者は、Museに数字の集計やシートの作業を任せています。ただし、原因や数字の報告は、シートの実際の行などで裏を取ってから採用します。つまり、推測だけの報告は採用しません。
任せないこと、入れないこと
最後に、任せないのは、税額の確定と、特例が自社に当てはまるかの判断です。さらに、申告や仕訳の最終決定も、人がします。
また、顧客や従業員の個人情報、取引先の未公開の情報は、入れません。Metaは、接続するアプリとアクセスの範囲を、利用者が選べると説明しています。そのため、まずは会社の情報を入れずに試すのが安全です。
Museに税の質問をする前の5手順
では、答えが合っているかを確かめる手順を、5つにまとめます。
- 1まず、質問に会社の種類(法人か個人か)と、取得日や支払日を書く
- 2次に、答えの根拠になるページ名や条文を、Museに挙げてもらう
- 3さらに、その国税庁のページを開いて、時点と数字を自分の目で見る
- 4また、計算が出てきたら、自分で計算し直す
- 5最後に、迷うところは顧問税理士に、そのまま持っていく
たとえば、「ソフトは全額経費になる?」と聞いたとします。「40万円未満なら全額」という答えが返ってきても、そのまま使えません。そこで、中小企業者等に当たるか、取得日が令和8年4月1日より前か後か、青色申告書を出しているかを見ます。
なお、AIの知識が古いと、30万円未満という昔の基準で答えてくることもあり得ます。だからこそ、3つ目の手順で、国税庁のページを見ます。
会社のAI利用料の経費でよくある質問を3つ
「Museの利用料は、会社の経費にできる?」と聞かれます。答えは、仕事で使う分なら、契約の形に沿って経費にします、です。つまり、月額なら使った期間、年払いなら1年以内かどうかを見ます。ただし、プランの金額や法人向けの条件は、公式ページで確認できませんでした。
「Museに仕訳を考えてもらっていい?」と聞かれます。答えは、案を出してもらうのは構いませんが、確定は人がします、です。そのため、取引先の名前や個人情報は入れず、金額や科目の候補だけを聞きます。
「AIに『経費になります』と言われました。信じていい?」と聞かれます。答えは、そのままでは使えません、です。実は、会社の種類、契約の形、取得日で答えが変わります。そこで、国税庁のページで裏を取ります。
会社のAI利用料の経費、今日からできる最初の一歩
今日できることは、1つです。まず、いま払っているAIの請求書を、全部並べます。次に、月額か、年払いか、買い切りかと、対象の期間を、メモに書きます。
筆者は、AIに担当を持たせて、営業や運営の作業を分けています。だからこそ、AIの費用は、営業にどれだけ時間が戻ったかと並べて見ます。さらに、費用を経費にするだけでなく、使った分の成果を見る習慣にすると、営業の振り返りにも使えます。
税の線引きは、こちらのコーナーで整理しています。
「節税コーナー」の歩き方。節税商品を扱う理由と、「どこまでOKか」の線引き
Museについて気になることは、遠慮なく聞いてください。
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運営元:コミッターズ
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参考(外部サイト):about.fb.com、国税庁、国税庁(2)、国税庁(3)
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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