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2026.11.03

冬の賞与の源泉徴収は「前月の給与」で率が決まります。計算の手順と支給後の届出

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公開日:2026.11.03 / 更新日:2026.11.08 / カテゴリー:年末調整・源泉徴収
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冬の賞与を出すときに、経理で迷うのが賞与の源泉徴収です。毎月の給与と同じ表で計算するのか、賞与だけの決まりがあるのかで、手が止まります。実は、賞与には賞与専用の率の読み方があり、見る場所が給与とは違います。

意外な点は、率を決める材料が賞与の額ではないことです。率を読むときに使うのは、前月の給与の額です。そのため、賞与の額が決まっても、前月の給与の数字がそろわないと計算は進みません。

この記事では、賞与の源泉徴収の計算の手順を整理します。あわせて、支給の後に残る届出と、年末調整での精算の位置づけもまとめます。令和8年分の進め方です。個別の判断は、顧問税理士に確かめる形にしています。

野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。

賞与の源泉徴収、先に結論

先に結論です。賞与の源泉徴収は、算出率の表で率を読み、賞与から社会保険料等を差し引いた額に、その率を掛けて求めます。率を読む材料は、前月の給与から社会保険料等を差し引いた額と、扶養親族等の数です。

給与と賞与の源泉徴収の違い
項目
毎月の給与
賞与
率の置き場
月額表
算出率の表
率を決める材料
その月の給与
前月の給与と扶養親族等の数
掛ける相手
その月の給与から社会保険料等を引いた額
賞与から社会保険料等を引いた額

つまり、賞与の計算は「前月の数字を借りてくる」形です。前月の給与の控除後の額が違えば、同じ賞与の額でも率は変わります。この借り方が、賞与の源泉徴収の核心です。

また、ここで求める税額は、支給の時点での仮の精算です。1年分としての確定は、年末調整で行います。そのため、率の読み違いは、年末調整の差額の大きさとして返ってきます。

賞与の源泉徴収、計算の手順

では、手順を順に追います。手順は、国税庁のタックスアンサーで示されている進め方です。

  1. 1まず、前月の給与から社会保険料等を差し引きます
  2. 2次に、算出率の表で、扶養親族等の数に応じた行から率を読みます
  3. 3最後に、賞与から社会保険料等を差し引いた額に、その率を掛けます

まず、表の欄の選び方です。給与所得者の扶養控除等申告書を提出している人は甲欄を使い、提出していない人は乙欄を使います。乙欄では、扶養親族等の数にかかわらず、決まった欄で率を読みます。

前月に給与がない場合の扱い

ただし、前月に給与の支払がない場合は、算出率の表は使えません。この場合は、月額表を使う別の計算の形になります。年の途中で入社した人への賞与などで起きる場面です。そのため、計算の前に、前月の給与があるかどうかを先に確かめます。

役員報酬は年に一度のイベントで、期の途中の変更には決まりがある、という記事でも紹介しましたが、賞与も同じです。支給の前に決めることが決まっているため、支給日が近づいてから数字を集める形にはしません。前月の給与の控除後の額は、賞与の額が決まる前から用意できます。

なお、建設業のように、現場ごとに手当の形が違う会社では、前月の給与の内訳の置き方が会社ごとに分かれます。どの手当が社会保険料等の対象になるかは、給与計算の土台の話です。迷う行は、顧問税理士と社会保険労務士に分けて確かめます。

また、役員へ出す賞与は、使用人への賞与と扱いが分かれる場所です。役員の賞与は、届出の形がそろっていないと、経費の側で別の話になります。そのため、役員分の賞与がある会社は、源泉徴収の計算に入る前に、届出の有無を顧問税理士に確かめます。源泉の率は使用人と同じ読み方でも、土台の扱いが違うためです。つまり、賞与の計算は、対象になる人の区分を分ける作業から始まります。この区分がそろうと、率を読む作業は短く済みます。

支給後に残る届出と精算

賞与を払った後は、社会保険の届出が残ります。被保険者である従業員と70歳以上被用者に賞与を支給した場合は、賞与支払届を、支払った日から5日以内に出します。

届出の土台になる標準賞与額は、賞与等の支給額の1,000円未満を切り捨てた額です。上限も決まっています。健康保険では年度の累計額573万円が上限で、厚生年金保険では1か月あたり150万円が上限です。

また、年間4回以上支払われる賞与等は、扱いが変わります。この場合は標準報酬月額の対象となり、賞与支払届を出す形にはなりません。支給の回数の数え方で、届出の要否が変わる点に注意します。

別のサイトの控除さがし探偵団のコラム「令和8年分の年末調整、流れと必要書類を整理」では、年末調整は、年末に1年分の税額を正しく計算し、徴収済みの税額との差額を徴収または還付して精算する仕組みだと書かれています。

出典:控除さがし探偵団「令和8年分の年末調整、流れと必要書類を整理」

賞与の支給が終わると、次は年末調整の段取りが続きます。賞与で源泉徴収した税額は、12月に行う年末調整で、1年分の税額との差を精算する材料になります。そのため、賞与の明細は、年末調整まで同じ置き場に残します。置き場が決まっていると、精算のときに明細を探し回る形にはなりません。

計算で使う数字のそろえ方

また、計算の前にそろえる数字にも置き方があります。前月の給与は、賞与を含まない通常の給与で見ます。社会保険料等は、その給与から実際に差し引いた額を使います。つまり、賞与の計算は、賞与の表を見る作業である前に、前月の給与計算の数字を正しく持ってくる作業です。

さらに、扶養親族等の数は、扶養控除等申告書の内容で数えます。年の途中で家族の状況が変わっている人は、申告書の内容と現在の状況がずれている場合があります。そのため、賞与の計算の前に、申告書の内容が最新のものかも確かめます。ここを飛ばすと、率の読み方以前の場所で数字がずれます。

賞与の源泉徴収、今日からできる最初の一歩

よくある質問

まず、「賞与の額が大きいほど率も上がりますか」と聞かれます。答えは、率は前月の給与と扶養親族等の数で読みます、となります。賞与の額そのものは、率を読む材料にはなりません。

次に、「扶養控除等申告書を出していない人の率はどうなりますか」と聞かれます。答えは、乙欄で率を読みます、となります。扶養親族等の数にかかわらず、乙欄の決まった欄を使います。

最後に、「届出は賞与を払わなかった年も要りますか」と聞かれます。答えは、賞与支払予定月を登録していて支給がなかった場合は、賞与不支給報告書を出す形です、となります。払った年と払わなかった年で、出す書類が分かれます。

今日できることは、前月の給与の控除後の額を、賞与の計算用に書き出すことです。まず、対象になる人の名前と前月の額を並べます。次に、甲欄か乙欄かを分けておきます。最後に、支給日の後に来る届出の期限を、予定表に入れます。

計算の型ができると、冬の賞与も夏の賞与も、同じ順番で進みます。逆に、型がないと、支給のたびに率の読み方から調べ直す形になります。そのため、手順と届出の期限は、会社の型として残します。この型が、賞与の源泉徴収を続ける土台です。

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筆者の記事:川口忠大のnote

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参考(外部サイト):国税庁、国税庁(2)、国税庁(3)、日本年金機構

※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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