年末調整の時期になると、保険会社から控除証明書が何枚も届きます。保険料控除の区分の比べ方を知らないまま申告書に向かうと、どの証明書をどの欄に書くのかで手が止まります。
ただし、区分は、保険の名前ではなく保障の中身で分かれています。一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の三つです。並びが見えれば、証明書の置き場も見えてきます。
この記事では、保険料控除の区分の比べ方を、対象の保障、区分ごとの上限、新契約と旧契約の違いの順で整理します。特定の保険商品を勧める内容ではありません。この記事は、公開時点の法令にもとづいています。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
保険料控除の区分の比べ方、先に結論
まず、結論から言います。保険料控除の区分の比べ方は、保険料の多い少ないで比べるものではありません。比べる順番は、保障の中身、上限の置き方、新契約と旧契約の有無の順です。
また、優劣はありません。一般は亡くなったときなどの保障、介護医療は病気やケガの備え、個人年金は老後の受け取りと、役割が分かれています。比べ方の軸は、役割の違いです。
さらに、合計の上限もあります。区分ごとに計算した控除額を合計しても、生命保険料控除は12万円が上限です。区分の置き方と合計の置き方を、両方見る形です。
なお、年末調整の作業では、区分の振り分けが先に来ます。計算は申告書の式に当てはめるだけです。比べ方の本体は、証明書を正しい区分に置く作業です。
保険料控除の区分の比べ方、数字の並び
まず、新契約の上限を見ます。平成24年1月1日以後に締結した契約は新契約で、区分ごとの控除額は一律4万円が上限の置き方です。年間の支払保険料等が2万円以下なら全額、8万円を超えると一律4万円になります。
次に、旧契約の上限を見ます。平成23年12月31日以前に締結した契約は旧契約で、区分ごとの上限は一律5万円です。年間の支払保険料等が10万円を超えると、一律5万円になります。
また、令和8年分からの特例も見ます。23歳未満の扶養親族がいる人が新生命保険料を払った場合は、一般の生命保険料の計算が別の表になり、年間の保険料が12万円を超えると一律6万円です。合計の上限12万円は、変わりません。
なお、合計の見方は、ほかの媒体でも同じです。別のサイトの控除さがし探偵団のコラム「生命保険料控除、令和8年分は何が違う?3つの計算式を比較」では、「生命保険料控除の合計の限度額は12万円です」と書かれています。区分を分けて計算し、最後に合計で上限を見る順番は同じです。
出典:控除さがし探偵団「生命保険料控除、令和8年分は何が違う?3つの計算式を比較」
さらに、証明書の扱いも数字の並びに入ります。確定申告で控除を受ける場合は、証明する書類の添付か提示が要ります。ただし、旧契約で年間保険料が9,000円以下のものは、その必要がない扱いです。
新旧の両方がある区分の見方
実は、新旧の両方がある区分の見方が、いちばんの迷いどころです。一般の生命保険料と個人年金保険料では、新契約だけの計算、旧契約だけの計算、両方を合わせる計算を並べ、いちばん大きい金額を使う形です。両方を合わせる場合の上限は4万円で、令和8年分からの特例が使える人では6万円になります。証明書を新旧で分けて置く理由は、この並べ比べにあります。
一方で、介護医療保険料には、この迷いはありません。区分そのものが新契約だけです。年末の点検では、介護医療の束だけは新旧に分ける手間が省けます。区分ごとに手間のかかり方が違う点も、比べ方の一つです。

区分ごとの中身
まず、一般の生命保険料を見ます。対象は、亡くなったときなどに保険金が出る契約の保険料です。新契約と旧契約の両方があり、古い契約を持つ社長ほど、この区分の振り分けが重くなります。
次に、介護医療保険料を見ます。対象は、病気やケガの入院や手術などに備える契約の保険料です。この区分は新契約だけにあります。旧契約の医療の備えは、一般の生命保険料の側で扱う形です。
また、個人年金保険料を見ます。対象は、老後に年金として受け取る契約の保険料です。新契約と旧契約の両方があります。受け取りの時期が遠い分、年末の点検では忘れられやすい区分です。
なお、対象にならないものもあります。保険期間が5年未満の生命保険など、控除の対象にならない契約があります。証明書が届かない契約は、まず対象かどうかを確かめる順番です。
社長に合う保険料控除の区分の比べ方の選び方
まず、手元の証明書を全部集めます。社長個人の契約と、家族の名前で届いた証明書を分けます。控除を受けるのは、保険料を払った人です。
次に、証明書ごとに区分を見ます。証明書には区分が書かれています。名前の印象で置かず、証明書の表示で置く形です。
手順は、次のとおりです。
- 1まず、届いた控除証明書を契約ごとに並べます
- 2次に、証明書の表示で区分と新旧の別を写します
- 3次に、区分ごとに年間の支払保険料等を合計します
- 4最後に、合計が上限に届くか確かめてから申告書に書きます
どの区分の置き方で迷う場合は、コミッターズの無料相談でお答えします。手元の証明書の並びを聞かせてください。
たとえば、建設会社の社長を考えます。古くからの生命保険と、新しい医療の備えと、個人年金を持つ形です。この場合は、旧契約の一般、新契約の介護医療、新契約の個人年金の三つに分かれます。比べ方は、契約の新しさではなく、証明書の区分で決まります。
なお、比べ方に迷う場面の多くは、新旧の混ざりで起きます。同じ区分に新契約と旧契約がある場合は、計算の置き方が分かれます。申告書の記載例と見比べる順番を、先に置いておきます。

保険料控除の区分の比べ方、今日からできる一歩
まず、届いた証明書を区分ごとに分けましょう。具体的には、一般・介護医療・個人年金の三つの束にし、新旧の別を付箋で示します。次に、区分ごとの合計と上限を見比べます。
なお、個別の税の判断は、この記事では扱いません。具体的な扱いは、勤務先の担当や、顧問の税理士、所轄の税務署に確かめます。
このように、比べ方は、計算の前にあります。区分の置き方が決まっている社長は、年末調整の申告書にも慌てません。
また、決めた分け方はメモに残しておきます。来年の年末も、同じ物差しで証明書の点検を始められます。点検の記録は、会社の書類の整理と同じく、残した分だけ次を助けます。
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参考(外部サイト):国税庁
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
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