年末の建設現場は、工期の追い込みと休みの並びが重なります。その空気の中で軸になるのが、年末年始無災害運動です。慌ただしさが増える時期ほど、点検の段取りを先に決めた会社が落ち着いて動けます。
ただし、運動は掛け声だけでは進みません。まず、期間を確認します。次に、現場ごとに見る場所を決めます。この順番が抜けると、点検は当日の思いつきになります。
この記事では、年末年始無災害運動の期間と、建設現場の年末点検の段取りを整理します。経営トップの表明から、年始の作業再開の確認までを書きます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
年末年始無災害運動、先に結論
まず、結論から言います。年末年始無災害運動の実施期間は、令和8年12月1日から令和9年1月15日までです。中央労働災害防止協会が主唱し、厚生労働省が後援する全国的な運動です。
また、建設業では、建設業労働災害防止協会が同じ期間を建設業年末年始労働災害防止強調期間としています。つまり、建設現場の年末点検は、この期間に合わせて組むのが自然です。
さらに、点検の中身は、期間の初日に決めるものではありません。工程が動く年末ほど、見る場所と担当を先に紙へ落とすことが先です。
また、現場が複数ある会社ほど、この置き方が効きます。現場ごとに段取りが違うと、応援に入った人が迷います。型が揃っていると、年末の人の動きにも無理が出ません。
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年末年始無災害運動の期間に、何を見ますか?
まず、期間の前半は年末の追い込みです。工期に間に合わせる作業が重なり、普段と違う作業も増えます。たとえば、片付けや搬出入、大掃除に近い作業です。非定常の作業ほど、手順の確認が要ります。
次に、期間の後半は年始の再開です。休みの後は、気持ちの切り替えが追いつかないまま現場が動き始めます。そのため、再開の初日は、作業の前に安全確認を置く段取りにします。
また、冬の現場には季節の危なさもあります。足元の凍結や日没の早さは、年末の現場で見落としやすい点です。点検の表には、季節の項目も並べておきます。
一方、年齢の高い働き手への配慮も年末に置きます。寒さの中の作業は、体の負担が増えます。休憩の置き方と、声かけの担当を決めておきます。
また、運動の期間は、社内への知らせ方も決めます。期間とスローガンを、朝礼と掲示で伝えます。伝える日を決めておくと、現場ごとに伝わり方が揃います。知らせる相手は、自社の職人だけでなく、協力会社の担当者も含めます。
さらに、年末は他社の現場との行き来も増えます。元請けと下請けの区分けを越えて、声の掛け合いが安全を支えます。そのため、朝礼の場では、その日の作業と危なさの共有を置きます。共有の型は、運動の期間中は変えません。
現場ごとに見る場所を変える理由
まず、現場ごとに危なさの出方は違います。高い場所の作業が多い現場と、車両の出入りが多い現場では、見る場所が変わります。
次に、元請けの現場では、入場の案内や立入禁止の範囲も現場ごとに決まっています。自社の点検表は、現場の決まりと並べて使います。
別のサイトの仲間づくり部のコラム「建設業の安全衛生教育の進め方」では、「省けるのは、十分な知識と技能があると認められる事項だけです」と書かれています。
年末に新しく入った人への教育も、同じ考え方です。経験があるからと省かず、自社の現場の決まりは改めて伝えます。
年末点検の段取りは、順番で決まります
まず、経営トップの決意表明を置きます。社長が安全衛生の方針を言葉にして、現場へ伝える日を決めます。
次に、安全衛生パトロールを行う日を決めます。現場ごとに、見る人と見る場所を先に割り振ります。
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手順は、次のとおりです。
- 1まず、機械設備の一斉検査と作業前点検の日を決めます
- 2次に、保護具と標識の点検と整備の日を決めます
- 3次に、大掃除をきっかけに、整理と整頓の範囲を決めます
- 4最後に、年始の作業再開時の安全確認の進め方を決めます
なお、点検の記録は、その場で残します。誰が、いつ、どこを見たかを書いておくと、年始の再開確認で同じ表を使えます。
また、火気の点検も年末に置きます。現場の仮設の電気や暖房の扱いは、休みの前に確かめる項目です。休業中は人の目が届かないためです。
さらに、交通の確認も並べます。年末は物流が増え、現場の出入りも慌ただしくなります。車両の誘導と、退場時の確認を段取りに入れます。
また、点検で見つけた不具合は、その場で直せる物と、止めて直す物に分けます。止める判断は、担当者任せにせず、現場の責任者が引き受けます。その線引きを、運動の開始前に決めておきます。
また、点検の道具も先にそろえます。点検表と筆記具、懐中電灯のような道具は、現場ごとに分けます。当日に道具を探す時間は、点検の時間を削ります。
よくある質問
まず、「小さな会社でも運動に合わせる意味はありますか」と聞かれます。答えは、あります、です。期間が決まっている分、点検の日を工程表へ置きやすくなります。
次に、「点検は期間の初日にまとめて行いますか」と聞かれます。答えは、分けます、です。年末の点検と、年始の再開確認は、別の日に置く段取りにします。
さらに、「他社の現場に入る日はどうしますか」と聞かれます。答えは、入る現場の決まりを先に確かめます、です。自社の点検は、入る現場の段取りと並べて行います。
最後に、「記録は紙で残しますか」と聞かれます。答えは、探し出せる形なら紙でも電子でも構いません、です。大切なのは、次に見る人が見つけられることです。
年末年始無災害運動、今日からできる一歩
まず、今年の現場の一覧を書き出しましょう。具体的には、現場ごとに点検役と記録役を決めます。次に、運動の期間を工程表へ写します。さらに、パトロールの日と、再開確認の日を置きます。
なお、教育や資格の要否で迷う場面は、管轄の労働基準監督署や専門家に確かめます。現場ごとに当てはまる決まりが違うためです。
なお、運動の掲示物も、年末の準備に入れます。ポスターや標語は、現場の入口にまとめて掲示します。掲示する場所を決めることも、段取りのひとつです。
このように、年末の安全は、段取りの置き方で変わります。段取りが決まっている会社は、年末の工事の誘いにも、無理のない答えを返せます。
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また、決めた段取りは、記録として残しておきます。来年の年末を迎えるとき、その記録が最初のたたき台になります。点検の段取りも、営業の段取りと同じで、残した分だけ次の準備が速くなります。
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参考(外部サイト):www.kensaibou.or.jp、東京労働局
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