年末が近づくと、現場の工程表と一緒に頭をよぎるのが人手です。人手の頼み方の比べ方を知らないまま声をかけると、契約の相手も、会社が守る決まりも、後から食い違います。
ただし、頼み方は一つではありません。直接雇う形、派遣を受け入れる形、業務委託で頼む形があり、指示の出し方も期間の決まりも違います。
この記事では、人手の頼み方の比べ方を三つの形で整理します。比べる点は、契約の相手、指示の出し方、期間と支払いの順です。建設業の年末の増員の場面に沿って書きます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
人手の頼み方の比べ方、先に結論
まず、結論から言います。人手の頼み方の比べ方は、手間のかかり具合から入るものではありません。比べる順番は、契約の相手、仕事の指示を誰が出すか、期間と支払いの決まりの順です。
また、優劣はありません。日々の指示が必要な仕事は直接雇用か派遣、成果物で区切れる仕事は業務委託、というように、仕事の姿で合う形が変わります。
さらに、三つの形は混ぜられます。現場の技能者は直接雇用、事務所の補助は派遣、専門の作業は業務委託、という置き方です。一つの形に寄せることよりも、仕事の塊ごとに置くことが比べ方の本体です。
なお、比べ方を先に持つ利点は、断り方にも出ます。合わない形の頼み方を早い段階で外せるため、相手との行き違いが小さく済みます。年末は時間が限られるため、この早さが効きます。
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人手の頼み方の比べ方、三つの形
まず、三つの形を同じ型で並べます。具体的には、契約の相手、会社がやること、年末の注意点の順です。制度の名前ではなく、年末に実際に回すときの姿を見ます。
直接雇用は本人と契約します
まず、直接雇用は、働く本人と労働契約を結ぶ形です。労働条件は書面で明示し、賃金や休日などの条件を先に示します。
また、保険の入口も見ます。たとえば、パートやアルバイトでも、週の所定労働時間が20時間以上で、31日以上続く見込みがある人は、雇用保険の対象になります。年末だけのつもりでも、見込みの置き方で扱いが変わります。
さらに、向く場面は、自社のやり方を覚えてほしい仕事です。建設現場の技能者のように、段取りも安全の決まりも自社で教える仕事は、直接雇用が合います。
なお、年末の短期の雇い入れでも、労働条件の示し方は同じです。短いから口頭で済ませる形にすると、賃金の締め日で行き違います。
派遣は派遣会社と契約します
次に、派遣は、派遣会社と契約し、派遣の人を受け入れる形です。労働契約の相手は派遣会社で、仕事の指示は受け入れ先の自社が出します。
また、期間の決まりがあります。受け入れの期間は、事業所単位でも個人単位でも、原則として上限は3年です。さらに、60歳以上の人など、制限の対象にならない場合もあります。
なお、年末の短い増員では、期間の上限よりも、指示の出し方と安全の措置が先に来ます。現場の危険への措置は、指示を出す自社の役目です。
業務委託は成果物で区切ります
最後に、業務委託は、個人や事業者に仕事の内容を決めて依頼する形です。日々の進め方は相手に任せ、成果物や役務の提供で区切ります。
また、条件の示し方に決まりがあります。従業員を使わない個人などへ頼む場合は、給付の内容や支払期日などを、書面か電磁的方法で直ちに明示します。
さらに、支払いの決まりもあります。対象になる取引では、支払期日は、給付を受領した日から60日以内の、できる限り短い期間内で定めます。年末をはさむ依頼ほど、期日を先に書くことが大切です。
ただし、名前が業務委託でも、働き方の実態で判断されます。時間も場所も会社が決め、日々細かく指示する形は、雇用に近い姿です。
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別のサイトの仲間づくり部のコラム「人手を増やす3つの形、雇う・派遣・業務委託の違いを4つの点で比較」では、「どの形でも最初に条件を示すのが土台です」と書かれています。年末の増員でも、形を決める前に条件を示す順番は同じです。
出典:仲間づくり部「人手を増やす3つの形、雇う・派遣・業務委託の違いを4つの点で比較」
現場に合う人手の頼み方の比べ方の選び方
まず、仕事の姿を書き出します。具体的には、指示の細かさ、働く場所と時間、成果物の区切りです。
次に、期間の長さを見ます。年末だけの増員か、年明けも続く仕事かで、保険と契約の置き方が変わります。
手順は、次のとおりです。
- 1まず、頼みたい仕事を一枚に書き出します
- 2次に、指示の出し方と場所と時間を決めます
- 3次に、期間と支払いの決まりを形ごとに確かめます
- 4最後に、形を決めてから声をかけます
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たとえば、従業員が十人ほどの工務店を考えます。年末は現場が重なり、事務所の書類も増えます。この場合は、現場は直接雇用、書類の補助は派遣、専門の点検は業務委託、という分け方が合います。
なお、迷いが残る仕事は、小さく区切って試す置き方もあります。期間の短い塊で形を確かめ、合えば次の塊で広げます。試す範囲を先に決めることが、比べ方の実務です。
年末に決めるときの注意点
まず、声をかける順番に注意します。形が決まる前に条件を口頭で約束すると、後で書面と食い違います。
次に、年末の締めの重なりを見ます。給与の計算も、委託の支払いも、年末は同じ週に寄ります。担当が一人の会社ほど、形ごとの締め日を先に並べます。
また、実態の点検も残します。委託で頼んだ人に、毎日同じ場所と時間を指定していないかを見ます。姿が雇用に寄っていたら、形そのものを見直します。
さらに、年明けの扱いも決めます。増員を続けるのか、区切るのかを、年末のうちに本人と相手先へ伝えます。終わりの知らせが遅い会社は、次の繁忙期に声がかかりにくくなります。
また、建設業では、元請けの休みの入り方も見ます。現場が止まる日が分かると、増員の終わりの日も置きやすくなります。逆に、止まる日が読めない現場は、区切りの伝え方を先に決めます。
人手の頼み方の比べ方、今日からできる一歩
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まず、頼みたい仕事を一枚に書きましょう。具体的には、仕事の中身、指示の出し方、期間の三つです。次に、三つの形の表と見比べます。さらに、決めた形の条件を書面にします。
なお、個別の契約の判断に迷うときは、管轄の労働局や顧問の専門家に確かめます。形の名前ではなく実態で見られるためです。
このように、比べ方は、声をかける前にあります。形が決まっている会社は、年末の工程の相談にも早く答えられます。
また、決めた形はメモに残しておきます。次の繁忙期も、同じ物差しで増員の段取りを始められます。段取りの記録は、営業の引き継ぎと同じく、残した分だけ次を助けます。
さらに、形ごとの書類の置き場も決めておきます。契約の書面、条件の控え、支払いの記録が同じ場所にあると、年明けの確認が一度で済みます。小さな会社ほど、この置き場の決め方が効きます。
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参考(外部サイト):厚生労働省、東京労働局、e-Gov法令検索
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