年末年始の当番表を作ると、夜の時間帯の扱いで手が止まります。深夜割増の計算は、働いた時間を時間帯ごとに切り分ける作業です。
ただし、深夜の分だけを見て計算すると、休日や時間外と重なった分を取りこぼします。重なり方で上乗せの率が変わるためです。
この記事では、深夜割増の計算を、割増率の並び、重なったときの見方、時間帯の切り分けの順で整理します。建設会社の年末年始の当番と夜間作業の場面に沿って書きます。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
深夜割増の計算、先に結論
まず、結論から言います。深夜割増の計算は、午後10時から午前5時までの時間帯が物差しです。この時間帯の労働には、1時間当たりの賃金の25%以上を上乗せします。
また、法定休日の労働は35%以上です。さらに、重なると率は足し合わされます。休日と深夜が重なれば60%以上、時間外と深夜が重なれば50%以上です。
つまり、計算の前に、働いた時間を時間帯ごとに切り分ける作業があります。切り分けができれば、計算そのものは掛け算です。
なお、当番の置き方で迷う会社は、率の当て方よりも先に、勤務の記録の取り方で困っています。始まりと終わりの時刻が残っていないと、帯ごとの集計ができません。
さらに、年末年始は、休日の置き方が会社ごとに違います。同じ日付の勤務でも、法定休日に当たる会社と、当たらない会社があります。そのため、カレンダーではなく、自社の休日の決め方で見ます。
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深夜割増の計算、割増率の並び
まず、深夜の率を見ます。深夜の時間帯は、午後10時から午前5時までです。この時間帯に働かせた場合は、通常の賃金に25%以上を上乗せします。
次に、休日の率を見ます。法定休日に働かせた場合は、35%以上を上乗せします。会社の休みでも、法定休日に当たるかどうかで扱いが変わります。
また、時間外の扱いも並べます。時間外労働にも25%以上が上乗せされます。さらに、時間外が1か月に60時間を超えた部分は、50%以上になります。
なお、割増賃金は、雇用形態にかかわらず、すべての働く人に適用されます。パートやアルバイトの当番でも、同じ物差しで計算します。
さらに、割増の基礎になる賃金には、入らない手当もあります。家族手当や通勤手当などは、基礎から外れる扱いです。手当の名前だけで決まらず、実質で見られる点にも注意します。
つまり、率は三つの数字を覚える形です。深夜と時間外、休日の順に並べておくと、当番表を見たときにも当てはめやすくなります。
計算の前に時間帯を切り分けます
まず、勤務の記録を、通常の時間、時間外の時間、深夜の時間に分けます。次に、休日に当たる時間があるかを見ます。
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たとえば、夕方から翌朝までの当番では、深夜の帯に入る前と後で率が変わります。始まりから終わりまで同じ率で計算する置き方は合いません。
さらに、休憩の時間は除きます。労働時間は、始業から終業までの時間から休憩を除いた時間です。帯ごとの実労働時間だけが、計算の対象です。
また、帯の境目は、勤務の区切りと一致しません。勤務の途中で率が切り替わるため、集計は時刻の記録をもとに行います。感覚で丸める置き方は、後の確認で崩れます。
別のサイトの仲間づくり部のコラム「年末の短期アルバイトを雇う前に確認することは?」では、「18歳未満の人が午後10時以降の時間帯に入っていないかを確認しましょう」と書かれています。年末の当番表を作るときも、深夜帯に入る人の顔ぶれを先に見る順番は同じです。
出典:仲間づくり部「年末の短期アルバイトを雇う前に確認することは?」
重なったときの深夜割増の計算
まず、時間外と深夜の重なりを見ます。この場合は、時間外の25%と深夜の25%が合わさり、50%以上になります。
次に、休日と深夜の重なりを見ます。この場合は、休日の35%と深夜の25%が合わさり、60%以上になります。年末年始の法定休日に夜間の当番が入ると、この形になります。
また、重なりの数え方に注意します。法定休日の労働は、休日労働として扱われます。そのため、休日の時間に、時間外の率まで重ねる計算はしません。
さらに、当番の待機の扱いも見ます。待機の時間が労働時間に当たるかは、会社の指示の下に置かれているかで見られます。待機の置き方は、当番を決めるときに一緒に決めます。
なお、重なりが多い勤務ほど、集計の表が要ります。当番表の段階で帯を分けておくと、給与計算のときに数え直しが減ります。年末年始は担当も休むため、表の残し方が効きます。
また、計算の順番も決めておきます。先に休日かどうかを見て、次に時間外かどうかを見て、最後に深夜の帯を見ます。順番が決まっていると、担当が替わっても同じ答えになります。
年末年始の当番で起きやすい場面
まず、元請けの休みに合わせた当番です。現場は止まっていても、設備の見回りや緊急の連絡のために、当番を置く会社があります。この当番が夜の帯にかかると、深夜の扱いが出ます。
次に、年始の立ち上がりの前倒しです。仕事始めの前に、材料の受け入れや機械の点検を夜のうちに済ませる場面があります。短い作業でも、帯に入れば計算の対象です。
また、交代の当番では、帯の境目で人が替わります。境目の時刻を記録に残さないと、どちらの人の時間か分からなくなります。交代の印も、当番表に一緒に置きます。
さらに、連絡を受けるだけの当番もあります。自宅で連絡を待つ形でも、すぐに動ける状態に置かれているかで扱いが変わります。置き方を決めるときに、待機の扱いも確かめます。
なお、建設業では、元請けや取引先の休みの並びも影響します。相手が休みでも、自社の当番は動く日があります。その日の扱いは、自社の休日の決め方で決まります。
深夜割増の計算、今日からできる一歩
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まず、年末年始の当番表に、深夜の帯を色で付けましょう。具体的には、午後10時から午前5時までの欄です。次に、休日に当たる日を印します。さらに、帯ごとに時間を集計します。
なお、率の当て方に迷うときは、管轄の労働基準監督署や顧問の専門家に確かめます。勤務の姿で扱いが変わるためです。
このように、深夜割増の計算は、切り分けの作業です。帯が見えている会社は、年明けの給与計算でも慌てません。
また、集計の型はメモに残しておきます。次の当番の計算も、同じ型で始められます。給与の記録は、営業の記録と同じく、残した分だけ後を助けます。
さらに、当番に入る人への知らせ方も決めます。率の扱いを先に伝えておくと、給与の明細が出た後の問い合わせが減ります。知らせの文面は、当番表と一緒に残しておきます。段取りは、年明けの最初の給与計算までに終えておきます。
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