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2026.10.23

漬物を直売所で売るには許可が要る?2024年6月から「漬物製造業」の許可がないと売れません

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11月に入ると、白菜も大根も安くなります。畑で余った分を漬けて、直売所の棚に並べたい。昔から近所のおばあちゃんが売っていたし、うちも大丈夫だろう。年末の直売所でよく見る光景です。

ところが、漬物は2021年6月の食品衛生法の改正で、国の「営業許可」が要る業種になりました。それまで条例の登録や届出で売っていた人にも3年の猶予がありましたが、その猶予は2024年5月31日で終わっています。つまり2026年のいまは、許可を取っていない台所で漬けた白菜漬けは、売り物にできません。

この記事では、2026年10月時点で、漬物を売るのに何が要るのか、干し柿や餅など一緒に並べがちな品目との違い、袋の表示で迷う栄養成分表示の線引きを整理します。

野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。

先に結論

「昔は売れていた」は、2024年5月までの話です。いまは、台所ではなく、許可を受けた作業場が前提になります。

何が変わったのか:条例から国の許可へ

改正前、漬物の扱いは都道府県によってばらばらでした。厚生労働省の資料では、条例で定められていた漬物製造業が、国の政令で決める許可業種に移ったと説明されています。

たとえば、宮城県では、条例の「つけ物加工業」の登録を受けていた人が対象でした。滋賀県では、「業務開始報告書」を出していた人が、2024年5月31日までに許可を取る必要がありました。呼び名は違っても、行き先は同じ「漬物製造業」の許可です。

許可を取る流れは、おおむね次のとおりです(宮城県の案内を例にしています)。

  1. 1作業場を管轄する保健所に、事前に相談する
  2. 2施設の構造と設備を示す図面を用意する
  3. 3食品衛生責任者の資格を証明する書類を用意する(ない場合は、資格を取る旨の誓約書)
  4. 4水道水以外の水を使うなら、水質検査の結果を用意する
  5. 5営業許可申請書と手数料を出し、施設の確認を受ける

施設の基準は、厚生労働省令を参考に、都道府県が条例で決めます。給排水や冷蔵の設備のような共通の基準と、業種ごとの基準の組み合わせです。同じ漬物でも、県が違えば細かい基準が違うことがあります。ネットで見た他県の話をそのまま信じず、自分の地域の保健所で図面を見てもらうのが近道です。

なお、食品衛生責任者は、調理師や栄養士などの資格がない場合でも、養成講習会を修了すればなれます。

直売所の棚は、品目ごとに手続きが違う

ここが、いちばん間違えやすいところです。たとえば、従業員2人の野菜農家さん(仮の例)が、年末の直売所に次の5品を並べたいとします。

秋田県が直売所に出荷する人向けに出しているチラシ(2023年1月)と、滋賀県保健所の資料で区分を見ると、次のようになります。

同じ芋でも、干し芋は届出で、焼き芋は許可、と秋田県のチラシは分けています。カットや千切りの野菜も、許可の欄に入っています。「切ったら加工」「漬けたら許可」と覚えておくと、大きくは外しません。ただし、線引きは県の資料ごとに書きぶりが違います。最後は、作業場の所在地の保健所に、並べたい品目を一覧にして確認してください。

もう1つ、自分の畑で採った野菜をそのまま出荷するだけなら、農業の「採取」の一部として扱われ、手続きが要らないとされる例があります(秋田県のチラシ)。漬けた時点で、この「そのまま」から外れます。

ただし:袋の表示と、栄養成分表示の線引き

許可を取ったら、次は袋のシールです。漬物は加工食品なので、袋に入れて売るなら食品表示基準に沿った表示が要ります。名称、原材料名、内容量、期限、保存方法、製造者などです。詳しくは消費者庁の食品表示基準のページで確認してください。

意外と知られていないのが、栄養成分表示(熱量、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5つ)の扱いです。秋田県の解説では、次の小規模事業者が売る場合は、省略できるとされています。

ただし、例外があります。小規模事業者が作った食品でも、売るのが小規模ではない事業者なら、表示が要ります。秋田県の解説では、判断は食品の「所有権」がどこにあるかによる、とされています。

ここが営業に効いてくる話です。たとえば、直売所に委託で置いてもらうなら、売れるまで品物は作り手のものという形が一般的です。一方、地元のスーパーに買い取ってもらう話がまとまると、売り手はスーパーになります。スーパーが小規模事業者に当たらなければ、栄養成分表示が求められることになります。取引の形が変わる前に、表示の準備をどちらがするか、話しておくと慌てずにすみます。

また、栄養成分を「表示しようとする」場合は、省略できません。塩分ひかえめと書きたいなら、数字の裏づけが要ります。食塩相当量は、ナトリウム(ミリグラム)に2.54を掛けて1,000で割ると出せます。

今日からできる最初の一歩

最初の一歩は、年末に並べたい品目を紙に書き出して、横に「許可」「届出」「不要」の欄をつくることです。わからない欄が1つでもあれば、その紙を持って保健所に相談します。許可の手続きには日数がかかるので、12月に売りたいなら、11月の早いうちに動くほうが安心です。

営業の目線では、許可は「売り先を広げる切符」でもあります。許可を取った作業場があれば、直売所だけでなく、飲食店や地元のスーパーにも話を持っていけます。相手から最初に聞かれるのは、たいてい味より先に「許可はありますか」です。

売り先を1か所に頼らない考え方は、こちらの記事にあります。

仕入れ先をもう1本持つ。飲食店と、選ばれる売り手の条件

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参考(外部サイト):厚生労働省、自治体、自治体(2)、自治体(3)、自治体(4)

※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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