年末の現場は、工期の締めと天気の読み合いで、休日の出勤が増えます。振替休日と代休の比べ方を知らないまま「後で休んでもらうから」と声をかけると、給与の計算の場面で話が食い違います。
ただし、二つの言葉は似ていても、中身は別です。休みを前に決めるのか、働いた後に返すのかで、休日労働の扱いも、割増賃金の出方も変わります。
この記事では、振替休日と代休の比べ方を、決める時期、休日労働の扱い、割増賃金の順で整理します。建設現場の年末の段取りに沿って書きます。この記事は、公開時点の法令にもとづいています。
野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。
振替休日と代休の比べ方、先に結論
まず、結論から言います。振替休日と代休の比べ方は、休みの日の呼び方の違いではありません。比べる順番は、決める時期、休日労働になるかどうか、割増賃金が要るかどうかの順です。
また、優劣はありません。工程が見えていて前に動ける休みは振替休日、急な出勤で後から返す休みは代休、というように、出勤の決まり方で合う形が変わります。
さらに、名前の付け方で扱いが決まるわけでもありません。前に決めたつもりでも、手続きが後ろにずれれば、姿は代休に寄ります。比べ方の本体は、段取りの順番です。
なお、年末は給与の締めも寄ります。比べ方を先に持つ会社ほど、締め日の直前に慌てる場面が減ります。
どの転職サービスが自分の状況に合うかは、無料の「転職サービス診断」で整理できます。
振替休日と代休の比べ方、二つの仕組み
まず、土台になる休日の決まりを見ます。会社は、少なくとも毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日を与える形です。この休日を法定休日と呼びます。
振替休日は前に決める休みです
まず、振替休日は、あらかじめ定められた法定休日を、ほかの日に振り替える仕組みです。振り替えた後は、もとの休日に働いても通常の勤務と同じ扱いになります。
また、休日労働の割増賃金は発生しません。ただし、振り替えて働いたことで、その週の実労働時間が週の法定労働時間を超えるときは、時間外労働の割増賃金が要ります。
さらに、振り替えには段取りがあります。就業規則に振り替えの決まりを置くこと、振り替える日を特定すること、事前に知らせることの三つです。口頭の「その日は休みにしておく」だけでは、段取りとしては弱い形です。
代休は後に返す休みです
次に、代休は、休日出勤をした後に、その代わりとして労働日だった日を休みにする仕組みです。先に休日労働が行われている点が、振替休日との分かれ目です。
また、後に代休を与えても、休日労働をさせたことは帳消しになりません。そのため、休日労働の割増賃金は支払う形です。休みを返したから給与はそのままでよい、とはなりません。
なお、代休の日を有給に寄せる置き方も、混ざりやすい点です。別のサイトの仲間づくり部のコラム「年次有給休暇の付与日数と年5日の義務を質問で整理」では、「条件を満たした人には、雇い入れから6か月後に年次有給休暇が発生します」と書かれています。代休は会社の都合で返す休みで、本人の請求で取る有給とは、仕組みが別です。
出典:仲間づくり部「年次有給休暇の付与日数と年5日の義務を質問で整理」

現場に合う振替休日と代休の比べ方の選び方
どの転職サービスが自分の状況に合うかは、無料の「転職サービス診断」で整理できます。
まず、工程の見え方で分けます。引き渡しの日が決まっていて、休日の出勤が前に読める現場は、振替休日に寄せます。
次に、急な出勤の扱いを決めます。天候の崩れや資材の遅れで急に出勤が入る現場は、代休で返す前提を先に置きます。
手順は、次のとおりです。
- 1まず、年末の工程表に休日の出勤が見える日を書き出します
- 2次に、前に決められる日は振り替える日を特定して知らせます
- 3次に、急な出勤は代休で返す前提で、割増賃金の計算に入れます
- 4最後に、就業規則の振り替えの決まりがあるか確かめます
どの返し方が自社に合うか迷う場合は、コミッターズの無料相談でお答えします。年末の工程と休みの置き方を聞かせてください。
たとえば、従業員が十人ほどの工務店を考えます。年末は引き渡しの現場と、事務所の締め作業が重なります。この場合は、引き渡しの日は振替休日、急な呼び出しは代休、という分け方が合います。
なお、比べ方に迷う場面の多くは、出勤の連絡の早さで決まります。連絡が前日に寄る現場ほど、代休の前提を厚く置くほうが、給与の場面で揉めません。
特に、現場と事務所で休みの置き方が違う会社は、先に言葉をそろえます。現場では振替休日、事務所では代休、という置き方自体は成り立ちます。ただし、同じ人の勤務が両方にまたがる場合は、どちらの姿で返すのかを本人の勤務表で決めます。言葉が現場ごとにずれたままだと、締め日の確認が二度手間になります。
年末に決めるときの注意点
まず、振り替えの日を遠くに置きすぎない点です。休日の置き方が崩れると、週の休みの確保そのものが細ります。近い日の中で特定する置き方が、実務では回ります。
次に、振り替えた週の労働時間を見ます。休日労働の割増が出なくても、週の法定労働時間を超えた分は時間外の扱いです。比べ方の表だけ見て、給与の計算を終えないようにします。
また、伝え方の記録も残します。振り替えは事前に知らせる段取りが本体です。知らせた日と振り替える日を、工程表やメモに残しておきます。
さらに、年明けの扱いも決めます。代休を取り切れないまま年を越す人が出ると、年始の工程に響きます。返す期限の目安を、年末のうちに本人とそろえます。
実は、給与の締め日との兼ね合いも見落とせません。代休で返した休日労働の分は、その月の給与で割増を払う形です。締めをまたいでから姿を決めると、計算のやり直しが増えます。現場の工程表と給与の締め日を、同じ机の上で見る置き方が安全です。
どの転職サービスが自分の状況に合うかは、無料の「転職サービス診断」で整理できます。
一方で、振替休日は前に決める分だけ、現場の全員に同じ知らせが届いているかが問われます。知らせが一部の人にだけ届いた現場では、当日の朝に人がそろいません。掲示と朝礼の両方で知らせる会社ほど、この事故は起きにくくなります。

振替休日と代休の比べ方、今日からできる一歩
まず、年末の工程表を開きましょう。具体的には、休日の出勤が見える日と、急に入りそうな日を分けて書き出します。次に、前に決められる日は振り替えの段取りに乗せます。
なお、個別の扱いに迷うときは、管轄の労働基準監督署や顧問の専門家に確かめます。名前ではなく、決めた時期と実態で扱いが変わるためです。
このように、比べ方は、声をかける前にあります。返し方が決まっている会社は、年末の工程の相談にも早く答えられます。
また、決めた分け方はメモに残しておきます。次の繁忙期も、同じ物差しで休みの段取りを始められます。段取りの記録は、引き継ぎと同じく、残した分だけ次を助けます。
合わせて読みたい
有給の取得義務の仕組みを整理した記事です。
社員が1人でも、有給5日は「会社の義務」。取らせないと罰則の対象になる地味に怖い話
人材コーナーの歩き方をまとめた記事です。
「人材コーナー」の歩き方。動画で伝える採用と、採用の前に決めておくこと
ほかのコラムも、あわせてどうぞ
お金の学び(ウハウハ高等学校):ウハウハ高等学校の新着コラム
営業・販路のコラム:コミッターズ コラム
筆者の記事:川口忠大のnote
蓄電池を知る(ENERGY BANK):系統用蓄電池の低圧・高圧比較|法人が費用と接続条件で選ぶ方法
導入先を比べる:系統用蓄電池メーカー比較|法人が製品・導入支援・保守を同じ条件で見る方法
お金の面を読む:系統用蓄電池の充電コストを読む|調達契約と託送料金
情報サイトのトップ:ENERGY BANK(系統用蓄電池の情報サイト)
運営元:コミッターズ
令和の総合商社では、有形無形問わずに大手商社が行わないマーケティングで貴社の販路を開拓します。本気で販路を拡大したい方には60分間無料で相談に乗らせていただきます。
参考(外部サイト):厚生労働省
※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。
転職サービスの選び方で迷ったら、無料の診断から
応募する会社より先に、どの転職サービスが自分の状況に合うかを整理すると、動き出しがぐっと楽になります。無料の「転職サービス診断」で、今の状況に合う頼み先を確認できます。
あわせて、みんなの企業新聞の記事「人脈形成を目的にした経営者マッチングアプリの使い方」もご覧ください。
