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2026.10.21

サブスクの解約、会社の契約はクーリング・オフできない?頼れるのは契約書と約款

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営業電話で「まずは無料でお試しください」と言われて申し込んだサブスクが、気づけば半年分の請求になっていました。解約したくて検索すると、真っ先に出てくるのは「クーリング・オフ」という言葉です。

ところが、会社の契約には、このクーリング・オフが使えないのが原則です。訪問販売、電話勧誘販売、通信販売のルールは、営業のために結ぶ契約には適用されないと、特定商取引法26条1項1号が定めています。しかも、広告を見て自分でネットから申し込むサブスクは通信販売なので、個人のお客様の契約でも、クーリング・オフの制度がありません。

頼れるのは、契約書と、申込みのときに同意した利用規約です。この記事では、会社の契約で何を確認し、いつまでに動くかを、2026年10月20日を起点に日付で数えます。2026年10月時点の情報です。

野村證券のリテール営業で全国約7,000名中1位を4度。いまは代理店開拓で中小企業の販路をつくる会社「コミッターズ」を経営しています。川口です。

先に結論

特定商取引法は、取引に不慣れな消費者とのトラブルが多い販売方法を規制する法律です。営業のために結ぶ会社の契約は、その外にあります。冷たい話に聞こえますが、裏返せば、契約書に書いてあることが、そのまま武器にも足かせにもなるということです。

クーリング・オフは、会社の契約では使えないのが原則

場面を3つ比べます(仮の例です)。

  1. 1個人が、自宅で使うために、営業電話で契約した場合:電話勧誘販売にあたります。法律で決まった書面を受け取った日から8日以内なら、クーリング・オフができます(特定商取引法24条)。訪問販売も、同じ8日です(同法9条)
  2. 2個人が、広告を見て、自分でネットから申し込んだ場合:通信販売です。法律が定めているのは商品の返品のルールで(同法15条の3)、サービスの申込みに、クーリング・オフはありません
  3. 3会社が、営業電話で契約した場合:営業のために結ぶ契約なので、電話勧誘販売の規定は適用されません。訪問販売でも同じです(同法26条1項1号)

消費者契約法も、同じ線を引いています。「消費者」は個人で、事業として、または事業のために契約する場合の個人は含まれません(2条1項)。会社や、事業のために契約する個人は「事業者」です(同条2項)。事業者どうしの契約では、不当な勧誘を理由とする取消し(4条)や、不当な条項の無効(8条から10条)は使えません。

つまり、会社のサブスクを解約できるかどうかは、契約書に何と書いてあるかで決まります。

契約書と約款で確認する5つ

導入前でも、更新の前でも、見る場所は同じです。

  1. 1更新の条件:最初の期間は何か月か。自動で更新されるか。更新後の期間は、1か月か、1年か
  2. 2通知の期限:「更新日の○日前まで」などの書き方です。何日前かと、数え方を見ます
  3. 3通知の方法:書面、専用のフォーム、メール、電話のうち、どれが指定されているか。様式や窓口が決まっている場合があります
  4. 4中途解約と解約料:期間の途中でやめられるか。残りの期間の料金を払う決まりか
  5. 5規約の変更:どう知らされるか。メールか、サイトへの掲載か

契約書がなく、申込み画面の「利用規約に同意」だけで始めたサービスもあります。その場合は、利用規約が契約の中身です。申し込んだ日の利用規約を、画面の保存かPDFで残しておきます。電子で受け取った契約書や請求書を電子のまま保存する考え方は、こちらの記事にあります。

メールで届いたPDFの請求書、「印刷して紙で保管」はじつはNGです

不特定多数の相手に行う取引で、内容が画一的であることが双方にとって合理的なもののために、あらかじめ用意された条項の集まりを、民法は「定型約款」と呼びます(548条の2)。利用規約は、これにあたることがあります。法務省のパンフレットは、事業者間で使う契約書のひな形を、対象とならない例に挙げています。会社どうしで条件を詰めた契約書は、あたらない側です。一方、誰にでも同じ条件で出しているサービスの利用規約は、あたる場合があります。

定型約款にあたるなら、契約の前でも、契約のあと相当の期間内でも、請求すれば、遅滞なく、相当な方法で内容を示してもらえます(民法548条の3第1項)。すでに規約を渡している場合は除かれ、契約のあとは「相当の期間内」に限られます。手元に規約が残っていなければ、早めに請求します。

2026年10月20日から数える、更新日と通知期限

従業員3人の会社が、営業まわりのサブスクを3つ使っているとします(仮の例です)。どれも月額10,000円の1年更新で、契約書には「更新日の○日前までに通知」と書いてあります。金額も日付も仮のものです。今日は2026年10月20日の火曜日です。

期限を1日過ぎるとどうなるか。この仮の例では、次の12か月分、120,000円の契約が続くことになりかねません。更新後の途中解約を認めるかどうかは、契約書しだいです。

数え方にも、落とし穴があります。「更新日の60日前まで」とだけ書いてあるとき、更新日から60日を引いた日を期限と読むのが素直です。ただ、通知した日の翌日から数える読み方もありえます(民法140条は、期間の初日を算入しないと定めています)。その場合は、1日前倒しになります。迷ったら、早いほうの日を期限にします。

もう一つ、通知は、送った日ではなく、相手に届いた日で見るのが原則です(民法97条1項。意思表示は、その通知が相手方に到達した時から効力を生じます)。契約書が別の決め方をしていれば、それに従います。期限が日曜日なら、前の金曜日までに届けるつもりで動きます。

解約の手続きをしたら、完了のメールや画面を保存します。マイページのボタンを押しただけで、完了の連絡が届いていないと、あとで「受け付けていません」と言われても、反論の材料がありません。

ただし、例外と、いま動いている話

今日からできる最初の一歩

いま使っているサブスクを、全部書き出します。列は5つです。

  1. 1サービス名
  2. 2月額、または年額
  3. 3更新日
  4. 4解約の通知期限(更新日から逆算した日)
  5. 5通知の方法

契約書や利用規約が見つからないサービスは、請求書のメールから、提供元の窓口を探して、規約を請求します。通知期限の1か月前に、カレンダーへ予定を入れておきます。

あわせて、もう1列足します。「このサービスで、今期、何件の商談や契約が動いたか」です。営業まわりのサブスクは、入れたときより、更新の前の点検が大切です。成果を文字にしておくと、続けるか、やめるかを、数字で決められます。成果の決め方は、こちらの記事にあります。

個人の営業パートナーに頼む前に。成果の定義を文字にする保存版チェック

使っていないものをやめた分は、会いたい1社に会いに行く交通費に回せます。

運営元:コミッターズ

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参考(外部サイト):e-Gov法令検索、e-Gov法令検索(2)、e-Gov法令検索(3)、消費者庁、消費者庁(2)、法務省

※一般的な解説です。個別のケースは顧問税理士・社会保険労務士・弁護士などの専門家にご相談ください。

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